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悲劇の2人④
「いや、あの、俺は」
「殿下のお気持ち、良くわかりました」
私は大きく頷く。
「殿下はそこまでレナさんを愛しておられるのですね。だからこそ、フィルと一緒になった方が良いのではないかと」
「ああ、言いたいのはそうだ。だから――」
「ですが殿下は、1つ勘違いをしておられます」
私はスッとティファニーに視線を向ける。
彼女は頷き、殿下に報告書を渡す。
それは、フィルが逐一レナの行動について述べたものだ。
そこには当然、フィルがレナに絡まれている様子も見られる。
「こちらにある通り、レナさんはあくまで『殿下の誕生日プレゼント』や、『殿下に気に入っていただけるようなドレス』を探しにフィルと会い、町に買い物へ出かけているそうです」
「えっ」
「つまり、彼女にとってはフィルはあくまで『お友達』なのでしょう」
私は早口で述べる。
「つまり、あなたの素晴らしい恋人であるレナさんは、我が一介の使用人になびくことなく殿下を一途に愛しているのです――ああ、なんて美しい関係なんでしょう。殿下とレナさんの恋は」
「いや、あの」
殿下はしどろもどろになっている。
「そんな同じ星の下で生まれたお2人の愛に、フィルが障壁になっているだなんて……! 主人としてとても心苦しい限りです」
ですが、ご心配なさらないでください、と続ける。
「今日フィルは、自分の恋人をこの屋敷に連れて帰ると申しております」
その言葉を聞いた途端、顔色が一瞬で青白くなる殿下。
「恐らく彼は、主人である私に交際を認めてほしいのだと思います。その際に直接、私がフィルを罰しましょう。殿下もレナさんに、この際自分の思いをぶつけてみるとよろしいかと」
「い、いや……。俺はちょっと用事があるから。失礼――」
「あら? 手紙には『今日1日空けておけ』と私におっしゃられておりませんでしたっけ? よっぽどお暇なんだと思って、今日は殿下を楽しませようと色々趣向を凝らしておりますのに」
「す、済まない。今日の用事をすっかり失念していたようで。すぐに行かなければ」
殿下が謝罪したのを初めて見た。
「あら、それは残念ですわ」
私はにっこりと微笑んだ。
「でしたら、挨拶だけでもしていったらいかがでしょう? ちょうど後ろにいらっしゃいますし、ね?」
「えっ……。あっ」
殿下はゆっくりと振り返り、扉の前に立ち塞がっている2人の姿を見て硬直した。
そこには、疲れた表情のフィルと鬼のような形相で殿下と私を睨みつけているレナの姿があった。
「殿下のお気持ち、良くわかりました」
私は大きく頷く。
「殿下はそこまでレナさんを愛しておられるのですね。だからこそ、フィルと一緒になった方が良いのではないかと」
「ああ、言いたいのはそうだ。だから――」
「ですが殿下は、1つ勘違いをしておられます」
私はスッとティファニーに視線を向ける。
彼女は頷き、殿下に報告書を渡す。
それは、フィルが逐一レナの行動について述べたものだ。
そこには当然、フィルがレナに絡まれている様子も見られる。
「こちらにある通り、レナさんはあくまで『殿下の誕生日プレゼント』や、『殿下に気に入っていただけるようなドレス』を探しにフィルと会い、町に買い物へ出かけているそうです」
「えっ」
「つまり、彼女にとってはフィルはあくまで『お友達』なのでしょう」
私は早口で述べる。
「つまり、あなたの素晴らしい恋人であるレナさんは、我が一介の使用人になびくことなく殿下を一途に愛しているのです――ああ、なんて美しい関係なんでしょう。殿下とレナさんの恋は」
「いや、あの」
殿下はしどろもどろになっている。
「そんな同じ星の下で生まれたお2人の愛に、フィルが障壁になっているだなんて……! 主人としてとても心苦しい限りです」
ですが、ご心配なさらないでください、と続ける。
「今日フィルは、自分の恋人をこの屋敷に連れて帰ると申しております」
その言葉を聞いた途端、顔色が一瞬で青白くなる殿下。
「恐らく彼は、主人である私に交際を認めてほしいのだと思います。その際に直接、私がフィルを罰しましょう。殿下もレナさんに、この際自分の思いをぶつけてみるとよろしいかと」
「い、いや……。俺はちょっと用事があるから。失礼――」
「あら? 手紙には『今日1日空けておけ』と私におっしゃられておりませんでしたっけ? よっぽどお暇なんだと思って、今日は殿下を楽しませようと色々趣向を凝らしておりますのに」
「す、済まない。今日の用事をすっかり失念していたようで。すぐに行かなければ」
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