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修羅場①
「なっ……」
顔色の悪い殿下。
青白いを通り越して、もはや土気色だ。
「あんたねぇ……!」
対してレナは、怒りで顔が真っ赤になっている。
色のコントラストがおかしくて、思わず吹き出してしまった。
「何笑ってんのよ!?」
レナは私に向かって飛びかかろうとする。
それを強い力でフィルが止めた。
「辞めろ。お嬢様になにしてんだ、お前」
あまりにも冷ややかな声に、レナはびっくりして目を白黒させた。
私はくすくすと笑いながら、レナに向かって言う。
「あなたは呼んだわけではないんですけどね、レナさん――でもまあ、我が家にようこそ」
「我が家……?」
まだレナは状況を読み込めていないらしい。
「あんた本当売女よね! 男侍らせておいて、殿下まで奪おうって言うの!?」
「何をおっしゃっているんですか?」
私はすっとぼける。
「侍らせる? 何を? 誰が?」
「あんたがフィルを! フィルを脅して、自分の近くに置いて置こうって言うんでしょ!? このクソ女!」
「何を言っているんだ、お前は」
殿下が言った。
「お前が今腕を組んでいるそこの男は、スカーレットの使用人だぞ」
「えっ」
今度はレナが硬直する。
「殿下」
私は張りつけた笑顔を殿下に向ける。
「赤の他人の私に向かって、スカーレットと呼び捨てにしないでください。何度もそう申し上げているはずですが」
「いや、あの、それは……」
殿下は何も答えられなくなり、自分の怒りの矛先をレナに無理やり向ける。
「お前こそ何をしているんだ! フィルとかいうみすぼらしい人間の男の腕を組んで」
「はぁ!? 殿下こそ何元婚約者の家にのこのこ上がり込んでるわけ? 最低」
「うるさい! この俺に指図するつもりか!?」
ギャーギャー騒ぐ2人を宥め、私はフィルに声をかける。
「一体何があったと言うのです? 教えてちょうだい」
「……家に来たいと言われたのです」
フィルは、下手くそな敬語を使って語り始めた。
「正直嫌だったのですが、相手は殿下の恋人ということで無下にも出来ず……。申し訳ございません」
「まあ、可哀想に」
私は、2人に嘲りの笑みを浮かべた。
「ご心配なく、レナさん。殿下はわざわざ私に用事があると、当日の朝手紙を送りつけて我が家にやってきたのです。我が家はただ王族の方をもてなしていただけ。ですよね? ティファニー」
「ええ」
遠くの席に座っていたティファニーは、いつの間にか私たちの方に近づいて来ていた。
「とっても重要なお話のようでしたわ――ああ、もちろんレナさんにはお伝え出来ませんよ。まさか殿下がフィルなんぞという使用人にレナさんを押しつけようとしていたとは。そんな酷いことをおっしゃっていたなんて、口が裂けてもレナさんには言えません。お可哀想なんですもの」
殿下は一瞬、絶望の視線を私に投げかけた。
どうやら、ようやく自分が嵌められたことに気づいたらしい。
顔色の悪い殿下。
青白いを通り越して、もはや土気色だ。
「あんたねぇ……!」
対してレナは、怒りで顔が真っ赤になっている。
色のコントラストがおかしくて、思わず吹き出してしまった。
「何笑ってんのよ!?」
レナは私に向かって飛びかかろうとする。
それを強い力でフィルが止めた。
「辞めろ。お嬢様になにしてんだ、お前」
あまりにも冷ややかな声に、レナはびっくりして目を白黒させた。
私はくすくすと笑いながら、レナに向かって言う。
「あなたは呼んだわけではないんですけどね、レナさん――でもまあ、我が家にようこそ」
「我が家……?」
まだレナは状況を読み込めていないらしい。
「あんた本当売女よね! 男侍らせておいて、殿下まで奪おうって言うの!?」
「何をおっしゃっているんですか?」
私はすっとぼける。
「侍らせる? 何を? 誰が?」
「あんたがフィルを! フィルを脅して、自分の近くに置いて置こうって言うんでしょ!? このクソ女!」
「何を言っているんだ、お前は」
殿下が言った。
「お前が今腕を組んでいるそこの男は、スカーレットの使用人だぞ」
「えっ」
今度はレナが硬直する。
「殿下」
私は張りつけた笑顔を殿下に向ける。
「赤の他人の私に向かって、スカーレットと呼び捨てにしないでください。何度もそう申し上げているはずですが」
「いや、あの、それは……」
殿下は何も答えられなくなり、自分の怒りの矛先をレナに無理やり向ける。
「お前こそ何をしているんだ! フィルとかいうみすぼらしい人間の男の腕を組んで」
「はぁ!? 殿下こそ何元婚約者の家にのこのこ上がり込んでるわけ? 最低」
「うるさい! この俺に指図するつもりか!?」
ギャーギャー騒ぐ2人を宥め、私はフィルに声をかける。
「一体何があったと言うのです? 教えてちょうだい」
「……家に来たいと言われたのです」
フィルは、下手くそな敬語を使って語り始めた。
「正直嫌だったのですが、相手は殿下の恋人ということで無下にも出来ず……。申し訳ございません」
「まあ、可哀想に」
私は、2人に嘲りの笑みを浮かべた。
「ご心配なく、レナさん。殿下はわざわざ私に用事があると、当日の朝手紙を送りつけて我が家にやってきたのです。我が家はただ王族の方をもてなしていただけ。ですよね? ティファニー」
「ええ」
遠くの席に座っていたティファニーは、いつの間にか私たちの方に近づいて来ていた。
「とっても重要なお話のようでしたわ――ああ、もちろんレナさんにはお伝え出来ませんよ。まさか殿下がフィルなんぞという使用人にレナさんを押しつけようとしていたとは。そんな酷いことをおっしゃっていたなんて、口が裂けてもレナさんには言えません。お可哀想なんですもの」
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どうやら、ようやく自分が嵌められたことに気づいたらしい。
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