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話③
ゲラゲラ笑うフィルを見て、動揺する私。
「えっ、えっ?」
「あんたさあ、本当に――」
最後まで言い切る前に、フィルは私を抱き寄せた。
私はびっくりして反射的に押しのけようとするが、男の人との力に叶うわけがなかった。
強めに抱きしめられ、私はますます混乱する。
「酷いよ。俺に対して」
私を非難するような物言いだが、言葉尻は優しかった。
「俺のことが好きじゃないのに、どこにも行ってほしくないとか。自分勝手で我がままだ」
「ご、ごめんね」
私は謝った。
「だけど、正直に言うとそうなっちゃうわね。もちろん、私の気持ちなんて放って置いて、大事なのはフィルの気持ちだし」
「俺も悪かった。ごめん」
フィルが突然謝る。
「どうしたの?」
「急にあんなこと言われてびっくりしただろ?」
「それはまあ……」
「鈍感なあんたを責める必要なんてあのときはなかったんだ。反省してる。急にただの使用人だった俺にあんなこと言われて、あんただけで今後の関係性を決めてくれなんて言われて、困ったろ?」
「ええ」
私は正直に頷いた。
「カッとなってついあんなことを言ってしまった。だが、あんたが全く悪いわけじゃない。むしろ悪いのは俺だ」
フィルは私から身体を離す。
顔が近い。
「あんたが男爵に襲われて行方不明になったとき、気づいたんだ。俺のせいだって」
「フィルのせい?」
「俺は矛盾してた。使用人として生きると言っておきながら、あんたには他の誰でもない、俺だけを見てほしいだなんて思ってしまっていた。それでいじけて結局あんたを危険に晒した。使用人としてじゃない。そもそも男として失格だ」
「……」
「俺は自分の使命を見失ってた。あんたを守るっていう使命を。あんたがどこの誰を好きになろうが、俺のやるべきことは1つだ。俺は使用人としてお嬢様を見守り続ける。だから前回俺が言ったことは忘れてほしい」
「……」
私はしばらく黙ったあと、ため息をついた。
「あのねぇ、フィル」
私はフィルの手を取る。
「私は、フィルが別に使用人じゃなくても良いの」
「えっ、えっ?」
「あんたさあ、本当に――」
最後まで言い切る前に、フィルは私を抱き寄せた。
私はびっくりして反射的に押しのけようとするが、男の人との力に叶うわけがなかった。
強めに抱きしめられ、私はますます混乱する。
「酷いよ。俺に対して」
私を非難するような物言いだが、言葉尻は優しかった。
「俺のことが好きじゃないのに、どこにも行ってほしくないとか。自分勝手で我がままだ」
「ご、ごめんね」
私は謝った。
「だけど、正直に言うとそうなっちゃうわね。もちろん、私の気持ちなんて放って置いて、大事なのはフィルの気持ちだし」
「俺も悪かった。ごめん」
フィルが突然謝る。
「どうしたの?」
「急にあんなこと言われてびっくりしただろ?」
「それはまあ……」
「鈍感なあんたを責める必要なんてあのときはなかったんだ。反省してる。急にただの使用人だった俺にあんなこと言われて、あんただけで今後の関係性を決めてくれなんて言われて、困ったろ?」
「ええ」
私は正直に頷いた。
「カッとなってついあんなことを言ってしまった。だが、あんたが全く悪いわけじゃない。むしろ悪いのは俺だ」
フィルは私から身体を離す。
顔が近い。
「あんたが男爵に襲われて行方不明になったとき、気づいたんだ。俺のせいだって」
「フィルのせい?」
「俺は矛盾してた。使用人として生きると言っておきながら、あんたには他の誰でもない、俺だけを見てほしいだなんて思ってしまっていた。それでいじけて結局あんたを危険に晒した。使用人としてじゃない。そもそも男として失格だ」
「……」
「俺は自分の使命を見失ってた。あんたを守るっていう使命を。あんたがどこの誰を好きになろうが、俺のやるべきことは1つだ。俺は使用人としてお嬢様を見守り続ける。だから前回俺が言ったことは忘れてほしい」
「……」
私はしばらく黙ったあと、ため息をついた。
「あのねぇ、フィル」
私はフィルの手を取る。
「私は、フィルが別に使用人じゃなくても良いの」
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