どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました

小倉みち

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第2章

屋敷

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 私はウィリーを、自分の屋敷に案内することにした。


 外で話をするのは、私とウィリーの立場上難しい。

 最悪そのタイミングでこの子が誘拐されてしまえば、私の今後の人生がすべて危うくなるから。


「へえ」

 ウィリーは目を細めて、全然思っていないようなことを言った。

「凄く大きなお屋敷だね。こういう場所、初めて来たよ」

「フン」


 あまりの白々しさに、私は思い切り鼻で笑ってやった。

「面白いことおっしゃりますね、あなた様は」

「そう?」

 ウィリーは小首を傾げた。

「ボケたつもりじゃないんだけど」


 私は少々イラっとする。


 その物言いが本心からなのか、それとも今になってしらを切ろうとしているのか。


 どちらにせよ、腹立たしい。


 私はテリアに声をかけ、客室を用意してもらう。


「テリア。とびきりのおもてなしをお願いするわ」

「しょ、承知いたしました」


 彼女の顔が少々強張っていたのは、まさか家に問題の男児を連れてくるとは思わなかったからだろう。


「公爵夫妻とお兄様は?」

「……3人とも、朝どこかへ出かけると」

「わかったわ」


 まあ、あの人たちが私を無視するのはいつものことだ。

 あの連中が家にいないのは好都合。


「えっ」

 私とテリアの会話に何か引っかかるところでもあったらしい、ウィリーの表情が少し驚きに変わったが、私はそれをスルーした。


「それでは」

 私はウィリーに営業スマイルを送る。

「この部屋で少しお待ちあそばせ。あなた様を待たさせるのは少々心苦しいのですが、私は準備がございますので」

「ああ、わかったよ」

 ウィリーは了承した。

「だけど、早く戻ってきてね――こんな素敵な場所にひとりぼっちじゃ、市民の僕はちょっと気おくれしちゃうから」

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