婚約者のせいで友達が出来ないんですが

小倉みち

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プロローグ

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 私には、長年の悩みがある。


 この国の公爵令嬢として生まれ、そこそこ身分の高い裕福で幸せな家庭で育った。


 多分ほとんどの人は、私の人生を幸せだと言うだろう。


 もちろんそうだと自分でも思っている。


 家族とは仲が良いし、お金に関しては困ったことがない、何不自由ない生活を送らせてもらっている。

 自分に降り注がれた幸運に感謝し、日々を生きている。


 だけど1つだけ、どうしても許せないところがあった。


 ーー友達が出来ない。


 なぜか、友達が出来ない。


 この17年間、ずっと。


 私は幼稚舎から、同じ学園に通い続けている。

 当然同級生とはほとんど幼馴染くらいの顔見知りだし、10年以上もほぼ毎日同じ空間で過ごしていたら、その中で1人くらいは友達が作れるはずだ。


 ーーなのに、私には友達がいない。

 人っ子1人として存在しない。


 さすがにおかしい。

 絶対に。


 私が人と仲良くするのが苦手というのもあるのだろうけど、それにしても変なのは、私に話しかけてくる同級生さえいないことだ。


 特に辛いのが2人1組という悪魔の組み合わせ。


 10年以上もぼっち生活を送っているので、当然私が余ることくらい先生も熟知している。


「2人1組になってください」

 先生がそう言ったとき、誰も組んでくれないのがわかっているから、私は迷わず教壇の方へ近づき、先生も何も言わずに私とペアを組む。


 それがあたかも当たり前であるかのように。


 それに関しては辛さ超えてもう慣れっこだが、それでもあの一瞬の、先生の可哀想なものを見るような目がきつい。


 だけど、17年間も生きていれば、さすがになぜ友達が出来ないかぐらいはうっすらとわかってくる。


 元凶は、私の婚約者だ。


 彼はこの国の第一王子で、幼いころからの知り合い。


 眉目秀麗。

 成績優秀。

 才覚ある将来有望な次期国王。

 性格もよく、老若男女や身分問わず平等に接し、その慈悲深さは1級品。


 誰もが彼を敬愛してやまない。


 そんな完璧男の婚約者として、私は酷い重圧を抱えながら今日まで生きてきた。


 24時間365日、四六時中行われる未来の王子妃としての修行や周囲の目線で、気の休まらない日々。


 自分の素なんて、少しも出せない。


 異常なまでのハイスペック婚約者がモテないはずもなく、嫉妬した令嬢たちからは虐められ、嫌われ、それ以外の子息子女には遠巻きに見られている。


 有名税とかなんとか言って簡単に片づけないでほしい。


 正直、我慢の限界だった。


 友達が欲しい。

 いい加減、仲が良いと胸を張って言えるような人を作りたい。


 ……辛い。




 
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