婚約者のせいで友達が出来ないんですが

小倉みち

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第4章

公爵家

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 アンの家に着いたのは、お茶会が始まる30分前のことだった。


 家を出たのは開始の2時間前で、あまりにも早く出過ぎたため、外でお土産やらなんやらを買って行くことにした。

 それでも30分余ったので、どうしようかと公爵家の家の前をウロウロしていると、危うく彼女の家の使用人たちから職務質問を受けそうになった。


 なんとか、自分が公爵令嬢であること、今日のお茶会に招待されたことを説明すると、

「ああ、それは大変失礼いたしました」

 と、屋敷の中へ案内してもらえた。


 ずっと絶妙に疑わしい顔をしていたのは気にしないでおこう。


 屋敷の中は、我が公爵家の屋敷とあまり変わらなかった。

 もちろん、屋敷の構造なんかは違うけど、雰囲気や様子は我が家と同じだった。


 これが、シンパシーを感じるというものか。

 共通点があるからこそ、仲良くなる素質がある的な、なんかそういう感じ?


 なんて思ってたら、突如心の中のカレンに、

「馬鹿じゃないですか? そんなアホなこと考えないで、ちゃんとしてください」
 
 と、言われているような気がして、若干気分を害した。


「あら、早いわね」


 今日の主催者は、玄関近くにある広間にいた。


「お邪魔します。これ、お土産なんだけど」

「まあ、ありがとう」


 アンは嬉しそうに受け取ってくれた。


「町にあるお菓子屋さんのタルトよ。そこは庶民向けなんだけど、凄く美味しいって評判のお店なの。今日のお茶うけにどうかなと思って」

「へぇ。味変にはちょうど良さそうね。一緒に出してもらうように頼んでおくわ」


 良かった。

 反応はまずまずだ。


 事前に、使用人たちから話を聞いておいて正解だった。


「今日は招待してくれてありがとう。少し早く着き過ぎちゃってごめんなさいね」

「いえいえ、気にしないで大丈夫よ。それに、あなたよりも早く来ている方ならいらっしゃるから」

「あら、どなたなの?」

「そ、それは……」


 急に、彼女の顔が青白くなった。


「大丈夫? 顔色悪いけど」

「い、いいえ、大丈夫よ――とりあえず、案内してから話すわ」


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