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いつの間にか眠ってしまっていた。
窓から入ってくる風が心地好く、消毒液の匂いに混じって朝陽の太陽のような香りがする。
誰かが髪を梳くように撫でてくれる手の感触が気持ち良くて、懐かしい夢を見ていた。
『コタ。コタはなんでオレなんかを好きになってくれたんだ?』
散々泣かしたあとのせいか、肩で呼吸を整えながら俺に囁いてきた朝陽の顔が可愛かった。
涙を親指の腹で拭い、瞼に口付けを落とす。
「ひよの頑張る姿に惹かれた。誰よりも一生懸命で、優しくて、人を惹きつけてやまない朝陽に惹かれた」
朝陽を狙っていたのは俺ひとりじゃない。
朝陽自身は気付いていなかったが、朝陽の明るさは人を惹きつける。
『ふ、ふ~ん……。なんか、照れくさいな。でも、オレのこと選んでくれてありがと』
照れているのか、シーツで顔を半分隠す様子が可愛くて、シーツを剥ぎ取って何度もキスをした。
朝陽の指が俺の髪を撫でてくれるのが好きだった。
料理をするとき、器用に動く手が愛おしくて、行為のときにワザと噛み付いたりしたっけ……
柔らかくて、少し冷たい、俺の一番好きな手。
「…………」
朝陽の眠っているはずのベッドに頭を預けるように眠ってしまっていた。
ここ数日、まともに眠っていなかったせいか、まだ軽い頭痛がする。
こめかみを押さえながらゆっくりと顔を上げ、首のストレッチをするようにぐるりと頭を回す。
事件があったあの日から四日目。
さすがにそろそろ会社に顔を出さなければいけない。
まだ、朝陽が目覚めていないのに、ここを離れなければいけないのが憂鬱でならない。
「あ、櫻井さん、おはようございます」
俺は、まだ寝ぼけているんだろうか?
頭に白い包帯を巻いた朝陽が、朗らかな笑みを浮かべて俺の顔をジッと見ていた。
顔色は良いが、蛍光灯の光に照らされた包帯の白さが目立っており、見ているだけで痛そうだ。
どこかご機嫌に鼻歌を歌いながら、誰かがお見舞いで買ってきてくれたりんごを慣れた手付きで皮を剝いている。
「あ、腹減ってません?オレ、なんかめちゃくちゃ腹減っちゃてて、りんごがあったから勝手に剝いちゃいました」
切り終えたりんごを美味しそうに齧る彼の姿に泣きそうになる。
これは、夢じゃないんだよな?
幽霊じゃ……ないよな?
本当に、ホントに……
何事もなかったかのように言ってくる朝陽の顔をマジマジと見つめる。
夢じゃないんだと確かめたくて、りんごを食べていた朝陽の頬を両手で包み込むように触れる。
温かい。
モチッとした柔らかな肌に、血の通った温かい頬の触感が気持ちいい。
俺が身を乗りだして触れたせいで、病院のベッドが軋み、朝陽の笑顔が視界を埋め尽くす。
「ひよ……目覚めて、よかった。本当に、よかった……」
涙が溢れ出した。
朝陽がこのまま目覚めなかったらどうしようかと思った。
こんなことになるなら、最初から全てを打ち明けていればよかった後悔した。
朝陽の、笑顔をまた見たくてしかたなかった。
「も~、どうしたんですか、大袈裟ですよ。櫻井さんがそんな泣かないでください。新店の準備だなんだで、バタバタしてたから、寝不足が一気に解消されたって感じなんですよ?」
ケラケラと軽やかな笑い声を上げる朝陽にホッと息を付く。
「そういえば、オレ、誰かにぶつかって、階段から落ちちゃったんですよね?もしかして、オレを見つけてくれたのが櫻井さんだったりします?あぁ~、すみません!めちゃくちゃ迷惑かけたんじゃないですか?ホント、すみません!」
ペコペコと頭を下げて謝ってくる朝陽に、なぜか小さな違和感を感じ、ズキリと胸が痛む。
「オレ、どれくらい寝てたんだろ?あ゙っ!持って行ってたお土産、どこ行ったんだろ?ってか、これって無断欠勤にはならないですよね?うわぁ……店のみんなにめちゃくちゃ謝らなきゃ……」
朝陽が目を覚ましたんだから、先生を呼ばないと……
でも、なぜだ?
なんで、こんなに違和感があるんだ?
「あ、櫻井さんはこんなところに居て大丈夫なんですか?ってか、もしかしてオレに付き添ってくれてたんですか?」
ふたりきりしかいないこの部屋で、さっきから朝陽の笑顔が遠く感じる。
ふたりきりなら、前のように『コタ』と呼んで欲しいのに、他人行儀に名字で呼んでくることに違和感を感じる。
「ひよ……ごめん。あのとき、俺の記憶が曖昧だったから、アイツの言葉を信じて、酷いことを言った。許してくれなくてもいい。でも俺が愛しているのは、ひよだけだ」
頭を下げ、あのときのことを謝る。
多分、朝陽はまだ怒っているんだと思う。
怒って当然だ。
『二度と顔も見たくない』と、恋人に向かって冷たく言い放ったんだから……
朝陽の手を包み込むように握り、何度も謝罪の言葉を口にする。
許されないかもしれない。
朝陽から「もう、俺のことなんて嫌いだ」って、言われるかもしれない。
それでも、謝らずにはいられなかった。
「……あ、あの……櫻井、さん……」
朝陽の手が微かに震えている。
困ったような、困惑したような声を聞き、おずおず顔を上げて、朝陽の表情を確認する。
すると、朝陽は首まで真っ赤に頬を染め、視線は戸惑っているのか泳いでいた。
「えっと……あの、言いにくいんですが、誰かと間違ってますよ?オレ、櫻井さんの恋人じゃないし……その、大事なことは、ちゃんとご本人に言った方がいいですよ……。ね、寝惚けてオレに言っちゃってるんで……」
そぉーっと俺の手から手を抜き、手をモジモジしている。
病室のカーテンが風に揺れ、少し肌寒い風が病室内に吹き込んでくる。
照れて戸惑っている朝陽の姿は可愛いのに、なぜかさっきから焦燥感を拭いきれない。
いつもと変わらない様子の朝陽が目の前にいるはずなのに、背中を嫌な汗が伝い落ちる。
「あっ、ってか、もしかして『ひよ』ってオレのことですか?え?櫻井さんってオレのことそんなあだ名付けてくれてたんですか?」
少し驚いた表情を浮かべつつ、頬を人差し指でカリカリと掻きながら照れる朝陽の姿に呼吸が苦しくなる。
「ちょっとビックリしちゃった。オレ、店舗の人間だから、櫻井さんがそんな風に気さくにあだ名付けてくれる人だなんて知らなかったぁ~」
へへっと笑う朝陽は、俺の知っている朝陽と一緒だ。
それなのに、なにか違う。
はっきりと何が違うんだと問われると困ってしまうが、どこか他人行儀な朝陽の様子が胸を締め付ける。
なぜだろう。
確信があるわけじゃない。
でも、何かが違うと本能が訴えてくる。
「でも、恋人さんと間違えるのはダメだと思いますよ。オレが勘違いしちゃったらどうするんですか?」
ビシッと指を立てて説教してくる様子に胸がズキリと痛む。
怒っている様子はない。
ウソを付いているようにも見えない。
はにかんだように笑う朝陽に、なぜか嫌な予感がする。
「朝陽……、俺のことは、覚えてるんだよな?」
不安げな表情を浮かべ、朝陽を見つめる。
朝陽はキョトンとした表情を浮かべつつも、俺の質問に笑顔で答えてくれる。
「もちろん覚えてますよ!櫻井さんとはなんとかメニュー企画を一緒にしたじゃないですか!」
朝陽の明るい声が耳に響き、言葉が胸を抉り、絶望感が襲ってくる。
『二度と顔も見たくない』と言った自分の声が耳の奥で木霊する。
傷付いた表情を浮かべた朝陽の顔が脳裏によみがえる。
きっと、朝陽もあの時は同じ気持ちだったんだろう。
いや、あの時はもっと酷かったんだと思う。
恋人を否定されて、ストーカー扱いしてしまったのだから……
「朝陽、俺と恋人でいるのは、もう……嫌なのか?」
鼻の奥がツーンと痛くなる。
声が震えてしまう。
朝陽も同じ気持ちだったはずだ。いや、むしろもっと苦しかったはずだ。
朝陽が望むなら……俺は……
「えっと、オレと櫻井さんが、恋人?そんなわけないじゃないですか。オレ……恋人なんて、人生で一度もできたことないし……。それに、櫻井さんみたいなカッコいい人とオレが付き合えるわけないじゃないですか!」
照れた表情を浮かべながらも、恋人を否定する朝陽の言葉に涙が零れ落ちた。
朝陽は……俺を拒絶したのではなく、俺との関係を覚えていなかった。
自分の名前も、仕事も、先日の出張でのできごとも覚えているのに、俺と付き合っていたことだけを忘れていた。
何度確かめても、朝陽の記憶から、俺との関係だけを忘れているようだった。
これは、俺に課せられた罰なんだろうか……
愛しい恋人を傷つけ、守れなかった俺への罰なんだと思う。
窓から入ってくる風が心地好く、消毒液の匂いに混じって朝陽の太陽のような香りがする。
誰かが髪を梳くように撫でてくれる手の感触が気持ち良くて、懐かしい夢を見ていた。
『コタ。コタはなんでオレなんかを好きになってくれたんだ?』
散々泣かしたあとのせいか、肩で呼吸を整えながら俺に囁いてきた朝陽の顔が可愛かった。
涙を親指の腹で拭い、瞼に口付けを落とす。
「ひよの頑張る姿に惹かれた。誰よりも一生懸命で、優しくて、人を惹きつけてやまない朝陽に惹かれた」
朝陽を狙っていたのは俺ひとりじゃない。
朝陽自身は気付いていなかったが、朝陽の明るさは人を惹きつける。
『ふ、ふ~ん……。なんか、照れくさいな。でも、オレのこと選んでくれてありがと』
照れているのか、シーツで顔を半分隠す様子が可愛くて、シーツを剥ぎ取って何度もキスをした。
朝陽の指が俺の髪を撫でてくれるのが好きだった。
料理をするとき、器用に動く手が愛おしくて、行為のときにワザと噛み付いたりしたっけ……
柔らかくて、少し冷たい、俺の一番好きな手。
「…………」
朝陽の眠っているはずのベッドに頭を預けるように眠ってしまっていた。
ここ数日、まともに眠っていなかったせいか、まだ軽い頭痛がする。
こめかみを押さえながらゆっくりと顔を上げ、首のストレッチをするようにぐるりと頭を回す。
事件があったあの日から四日目。
さすがにそろそろ会社に顔を出さなければいけない。
まだ、朝陽が目覚めていないのに、ここを離れなければいけないのが憂鬱でならない。
「あ、櫻井さん、おはようございます」
俺は、まだ寝ぼけているんだろうか?
頭に白い包帯を巻いた朝陽が、朗らかな笑みを浮かべて俺の顔をジッと見ていた。
顔色は良いが、蛍光灯の光に照らされた包帯の白さが目立っており、見ているだけで痛そうだ。
どこかご機嫌に鼻歌を歌いながら、誰かがお見舞いで買ってきてくれたりんごを慣れた手付きで皮を剝いている。
「あ、腹減ってません?オレ、なんかめちゃくちゃ腹減っちゃてて、りんごがあったから勝手に剝いちゃいました」
切り終えたりんごを美味しそうに齧る彼の姿に泣きそうになる。
これは、夢じゃないんだよな?
幽霊じゃ……ないよな?
本当に、ホントに……
何事もなかったかのように言ってくる朝陽の顔をマジマジと見つめる。
夢じゃないんだと確かめたくて、りんごを食べていた朝陽の頬を両手で包み込むように触れる。
温かい。
モチッとした柔らかな肌に、血の通った温かい頬の触感が気持ちいい。
俺が身を乗りだして触れたせいで、病院のベッドが軋み、朝陽の笑顔が視界を埋め尽くす。
「ひよ……目覚めて、よかった。本当に、よかった……」
涙が溢れ出した。
朝陽がこのまま目覚めなかったらどうしようかと思った。
こんなことになるなら、最初から全てを打ち明けていればよかった後悔した。
朝陽の、笑顔をまた見たくてしかたなかった。
「も~、どうしたんですか、大袈裟ですよ。櫻井さんがそんな泣かないでください。新店の準備だなんだで、バタバタしてたから、寝不足が一気に解消されたって感じなんですよ?」
ケラケラと軽やかな笑い声を上げる朝陽にホッと息を付く。
「そういえば、オレ、誰かにぶつかって、階段から落ちちゃったんですよね?もしかして、オレを見つけてくれたのが櫻井さんだったりします?あぁ~、すみません!めちゃくちゃ迷惑かけたんじゃないですか?ホント、すみません!」
ペコペコと頭を下げて謝ってくる朝陽に、なぜか小さな違和感を感じ、ズキリと胸が痛む。
「オレ、どれくらい寝てたんだろ?あ゙っ!持って行ってたお土産、どこ行ったんだろ?ってか、これって無断欠勤にはならないですよね?うわぁ……店のみんなにめちゃくちゃ謝らなきゃ……」
朝陽が目を覚ましたんだから、先生を呼ばないと……
でも、なぜだ?
なんで、こんなに違和感があるんだ?
「あ、櫻井さんはこんなところに居て大丈夫なんですか?ってか、もしかしてオレに付き添ってくれてたんですか?」
ふたりきりしかいないこの部屋で、さっきから朝陽の笑顔が遠く感じる。
ふたりきりなら、前のように『コタ』と呼んで欲しいのに、他人行儀に名字で呼んでくることに違和感を感じる。
「ひよ……ごめん。あのとき、俺の記憶が曖昧だったから、アイツの言葉を信じて、酷いことを言った。許してくれなくてもいい。でも俺が愛しているのは、ひよだけだ」
頭を下げ、あのときのことを謝る。
多分、朝陽はまだ怒っているんだと思う。
怒って当然だ。
『二度と顔も見たくない』と、恋人に向かって冷たく言い放ったんだから……
朝陽の手を包み込むように握り、何度も謝罪の言葉を口にする。
許されないかもしれない。
朝陽から「もう、俺のことなんて嫌いだ」って、言われるかもしれない。
それでも、謝らずにはいられなかった。
「……あ、あの……櫻井、さん……」
朝陽の手が微かに震えている。
困ったような、困惑したような声を聞き、おずおず顔を上げて、朝陽の表情を確認する。
すると、朝陽は首まで真っ赤に頬を染め、視線は戸惑っているのか泳いでいた。
「えっと……あの、言いにくいんですが、誰かと間違ってますよ?オレ、櫻井さんの恋人じゃないし……その、大事なことは、ちゃんとご本人に言った方がいいですよ……。ね、寝惚けてオレに言っちゃってるんで……」
そぉーっと俺の手から手を抜き、手をモジモジしている。
病室のカーテンが風に揺れ、少し肌寒い風が病室内に吹き込んでくる。
照れて戸惑っている朝陽の姿は可愛いのに、なぜかさっきから焦燥感を拭いきれない。
いつもと変わらない様子の朝陽が目の前にいるはずなのに、背中を嫌な汗が伝い落ちる。
「あっ、ってか、もしかして『ひよ』ってオレのことですか?え?櫻井さんってオレのことそんなあだ名付けてくれてたんですか?」
少し驚いた表情を浮かべつつ、頬を人差し指でカリカリと掻きながら照れる朝陽の姿に呼吸が苦しくなる。
「ちょっとビックリしちゃった。オレ、店舗の人間だから、櫻井さんがそんな風に気さくにあだ名付けてくれる人だなんて知らなかったぁ~」
へへっと笑う朝陽は、俺の知っている朝陽と一緒だ。
それなのに、なにか違う。
はっきりと何が違うんだと問われると困ってしまうが、どこか他人行儀な朝陽の様子が胸を締め付ける。
なぜだろう。
確信があるわけじゃない。
でも、何かが違うと本能が訴えてくる。
「でも、恋人さんと間違えるのはダメだと思いますよ。オレが勘違いしちゃったらどうするんですか?」
ビシッと指を立てて説教してくる様子に胸がズキリと痛む。
怒っている様子はない。
ウソを付いているようにも見えない。
はにかんだように笑う朝陽に、なぜか嫌な予感がする。
「朝陽……、俺のことは、覚えてるんだよな?」
不安げな表情を浮かべ、朝陽を見つめる。
朝陽はキョトンとした表情を浮かべつつも、俺の質問に笑顔で答えてくれる。
「もちろん覚えてますよ!櫻井さんとはなんとかメニュー企画を一緒にしたじゃないですか!」
朝陽の明るい声が耳に響き、言葉が胸を抉り、絶望感が襲ってくる。
『二度と顔も見たくない』と言った自分の声が耳の奥で木霊する。
傷付いた表情を浮かべた朝陽の顔が脳裏によみがえる。
きっと、朝陽もあの時は同じ気持ちだったんだろう。
いや、あの時はもっと酷かったんだと思う。
恋人を否定されて、ストーカー扱いしてしまったのだから……
「朝陽、俺と恋人でいるのは、もう……嫌なのか?」
鼻の奥がツーンと痛くなる。
声が震えてしまう。
朝陽も同じ気持ちだったはずだ。いや、むしろもっと苦しかったはずだ。
朝陽が望むなら……俺は……
「えっと、オレと櫻井さんが、恋人?そんなわけないじゃないですか。オレ……恋人なんて、人生で一度もできたことないし……。それに、櫻井さんみたいなカッコいい人とオレが付き合えるわけないじゃないですか!」
照れた表情を浮かべながらも、恋人を否定する朝陽の言葉に涙が零れ落ちた。
朝陽は……俺を拒絶したのではなく、俺との関係を覚えていなかった。
自分の名前も、仕事も、先日の出張でのできごとも覚えているのに、俺と付き合っていたことだけを忘れていた。
何度確かめても、朝陽の記憶から、俺との関係だけを忘れているようだった。
これは、俺に課せられた罰なんだろうか……
愛しい恋人を傷つけ、守れなかった俺への罰なんだと思う。
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