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買い物2
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メガネの注文も終わり、受け取りは後日になった
先程から腹の減りも限界なのか、キュル~っと悲し気な音を立ててしまう
「晴臣さん、ごめんなさい。お腹空いたよね」
眉を少し下げて困ったように微笑む颯斗につい悪戯心が湧いてしまう
「ホントだよ。腹減って死にそう
飯の為に来たのに、食いっぱぐれるなんて思わなかった」
ワザと嫌味ったらしく言ってみると、先程よりも困った顔をしている颯斗が可愛く思える
ぶつぶつと独り言のように、「あの店は遠いし、あっちは予約してないと…」と言っているのを見て、口の端が上がってしまうのを隠すように手を口許に持って行く
周りにはお洒落なカフェや雑貨屋はあるものの、昼時を過ぎているとはいえ、休日のこの時間はどこも混み合っている
あるキッチンカーに目をやり
「颯斗、今日の昼飯はあれ食おう」
クリーム色をした可愛らしいデザインのキッチンカー
甘い香りの漂う店に足を運び、メニューを物色する
「ん~…、イチゴも捨てがたいけど、やっぱりチョコバナナか?あ、キャラメルバナナとかもある
あ、チョコクリームとか絶対美味いに決まってるだろ」
色とりどりのクレープにテンションが上がり、つい嬉しくなってしまう
「颯斗はどうする?オカズ系もここ結構あるぞ?」
言ってから自分がはしゃぎ過ぎていたことを自覚し、急に恥ずかしくなり
「べ、別に…甘いモノが好きってわけじゃないから…
これなら、すぐ作って貰えて食えるし…
腹持ちもいいし…、食べ歩きにも向いてるんじゃないかって…
べ、別にクレープが好きってわけじゃないからな」
言い訳をしているはずなのに、何故か自ら墓穴を掘ってしまっているような気がしてならない
颯斗の奴も、さっきから小刻みに肩を震わせて笑うのを耐えているようで
「俺はオカズ系がいいかな。ツナサラダにしようと思います。
晴臣さんは、イチゴもバナナもどっちも乗せて貰ったらいいんじゃないですか?」
満面の笑みを浮かべる颯斗に、なんとなくバカにされている気分になり
「べ、別に甘い物が好きってわけじゃないからな…」
負けた気分になりながらも、空腹感と欲望に勝つことが出来ず、イチゴとバナナにたっぷりの生クリーム、チョコソースとクッキーまで乗ったクレープを注文する
「お待たせしました~♪スペシャルクレープです♡具沢山なんで、気を付けて食べてくださいね♡」
店員のお姉さんに渡されたずっしりと重たいクレープ
見た目的にも華やかで、めちゃくちゃ美味しそうな仕上がりだった
スプーンが付いていたが、気にせずに齧り付き
「ん~…めっちゃうっまぁ~」
濃厚なのにあっさりした生クリームとイチゴの酸味についつい頬が弛んでしまう
「なぁ、颯斗もひと口……悪かったな、子ども舌で…」
颯斗を見ると、自分用のクレープにはまだ手を付けておらず、ずっとオレの顔を見て微笑んでいた
「晴臣さん、可愛い。プログラミングとかしてると、つい脳が甘いモノを欲しちゃうもんね
でも、晴臣さんの方が美味しそう」
不意に口の端をペロッと舐められ、顔が熱い
「うん、甘い。俺はちょっとこの甘さは苦手かも…」
苦笑しながら、サラダクレープを齧る姿を恨めし気に睨み付け
「食ったら今日はもう帰る!
買い物はもうしたし、他に用事もないだろ?」
颯斗を見てるとさっきからドキドキが止まらなくて、誤魔化すようにクレープに齧り付く
甘くて美味しいはずなのに、颯斗の視線が気になって味わうことも出来ない
結局、意味のわからないドキドキ感が収まることはなくて、帰り道にまた繋がれた手から、ドキドキがバレるんじゃないかって不安になった
でも、どんなに優しくされても、颯斗はDomだ
オレはSubで、Domの性奴隷で、慰みモノで、玩具でしかない…
でも、もしかしたら…、颯斗なら…
颯斗は他のDomとは違うから…
でも、Domには変わりない
オレもSubに変わりはない
期待するなんて、そんな馬鹿げたこと、もうしたくない
先程から腹の減りも限界なのか、キュル~っと悲し気な音を立ててしまう
「晴臣さん、ごめんなさい。お腹空いたよね」
眉を少し下げて困ったように微笑む颯斗につい悪戯心が湧いてしまう
「ホントだよ。腹減って死にそう
飯の為に来たのに、食いっぱぐれるなんて思わなかった」
ワザと嫌味ったらしく言ってみると、先程よりも困った顔をしている颯斗が可愛く思える
ぶつぶつと独り言のように、「あの店は遠いし、あっちは予約してないと…」と言っているのを見て、口の端が上がってしまうのを隠すように手を口許に持って行く
周りにはお洒落なカフェや雑貨屋はあるものの、昼時を過ぎているとはいえ、休日のこの時間はどこも混み合っている
あるキッチンカーに目をやり
「颯斗、今日の昼飯はあれ食おう」
クリーム色をした可愛らしいデザインのキッチンカー
甘い香りの漂う店に足を運び、メニューを物色する
「ん~…、イチゴも捨てがたいけど、やっぱりチョコバナナか?あ、キャラメルバナナとかもある
あ、チョコクリームとか絶対美味いに決まってるだろ」
色とりどりのクレープにテンションが上がり、つい嬉しくなってしまう
「颯斗はどうする?オカズ系もここ結構あるぞ?」
言ってから自分がはしゃぎ過ぎていたことを自覚し、急に恥ずかしくなり
「べ、別に…甘いモノが好きってわけじゃないから…
これなら、すぐ作って貰えて食えるし…
腹持ちもいいし…、食べ歩きにも向いてるんじゃないかって…
べ、別にクレープが好きってわけじゃないからな」
言い訳をしているはずなのに、何故か自ら墓穴を掘ってしまっているような気がしてならない
颯斗の奴も、さっきから小刻みに肩を震わせて笑うのを耐えているようで
「俺はオカズ系がいいかな。ツナサラダにしようと思います。
晴臣さんは、イチゴもバナナもどっちも乗せて貰ったらいいんじゃないですか?」
満面の笑みを浮かべる颯斗に、なんとなくバカにされている気分になり
「べ、別に甘い物が好きってわけじゃないからな…」
負けた気分になりながらも、空腹感と欲望に勝つことが出来ず、イチゴとバナナにたっぷりの生クリーム、チョコソースとクッキーまで乗ったクレープを注文する
「お待たせしました~♪スペシャルクレープです♡具沢山なんで、気を付けて食べてくださいね♡」
店員のお姉さんに渡されたずっしりと重たいクレープ
見た目的にも華やかで、めちゃくちゃ美味しそうな仕上がりだった
スプーンが付いていたが、気にせずに齧り付き
「ん~…めっちゃうっまぁ~」
濃厚なのにあっさりした生クリームとイチゴの酸味についつい頬が弛んでしまう
「なぁ、颯斗もひと口……悪かったな、子ども舌で…」
颯斗を見ると、自分用のクレープにはまだ手を付けておらず、ずっとオレの顔を見て微笑んでいた
「晴臣さん、可愛い。プログラミングとかしてると、つい脳が甘いモノを欲しちゃうもんね
でも、晴臣さんの方が美味しそう」
不意に口の端をペロッと舐められ、顔が熱い
「うん、甘い。俺はちょっとこの甘さは苦手かも…」
苦笑しながら、サラダクレープを齧る姿を恨めし気に睨み付け
「食ったら今日はもう帰る!
買い物はもうしたし、他に用事もないだろ?」
颯斗を見てるとさっきからドキドキが止まらなくて、誤魔化すようにクレープに齧り付く
甘くて美味しいはずなのに、颯斗の視線が気になって味わうことも出来ない
結局、意味のわからないドキドキ感が収まることはなくて、帰り道にまた繋がれた手から、ドキドキがバレるんじゃないかって不安になった
でも、どんなに優しくされても、颯斗はDomだ
オレはSubで、Domの性奴隷で、慰みモノで、玩具でしかない…
でも、もしかしたら…、颯斗なら…
颯斗は他のDomとは違うから…
でも、Domには変わりない
オレもSubに変わりはない
期待するなんて、そんな馬鹿げたこと、もうしたくない
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