クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる

グミ食べたい

文字の大きさ
2 / 40

第2話 三間坂さんのいいところ

しおりを挟む
 高校に入って、一ノ瀬さんと同じクラスになってから、もう二週間が経つというのに――俺はいまだに、一ノ瀬さんと挨拶程度の言葉しか交わしていない。
 これは由々しき事態だ。
 もっとも、中学時代も女友達なんて皆無だった俺が、簡単に女子と仲良くなれるとは思っていない。
 せめて席が近ければ、何かしらのきっかけもあったかもしれないのに……。
 よりにもよって、隣の席は三間坂さんだし……。

「高居君、今、何か失礼なこと考えてなかった?」

 休み時間、なんとはなしに一ノ瀬さんを目で追っていたら、いきなり隣から声をかけられた。
 また三間坂さんだ。
 それにしても、なんて勘が鋭いんだ、この人は。

「か、考えてないよ。むしろ三間坂さんのいいところを考えてたくらいだよ」
「あれ? 本当に私のこと考えてたんだ」
「…………」

 しまった。またやられた。
 ここで否定すれば、「隣の席が三間坂さんだから考えてたんでしょ?」と突っ込まれる未来が見える。
 癪に障るが、ここは彼女の思い込みに乗るしかない。

「ねえ、だったらその『私のいいところ』を教えてよ」
「……え?」
「だって、考えてたんでしょ?」

 なんという難問だ。
 これが一ノ瀬さんのいいところなら、十個くらい即答できる自信がある。
 だが、よりによって三間坂さんのいいところ……?
 苦手なところならいくらでも挙げられる気がするが、いいところとなると、途端に詰まる。

「いいところを考えてたんでしょ? それとも、別のこと考えてた?」

 まずい。
 ここでちゃんと答えないと、疑われてボロを出すまで逃がしてもらえなさそうだ。
 なんとか三間坂さんの「いいところ」をひねり出さないと……。

 クラスで三番目に可愛い、という評価は、果たして褒め言葉になるのだろうか?
 ……いや、具体的な数字は絶対にまずい。
 一番目と二番目は誰だ、なんて話になりかねない。

 ――ならば、そのあたりをぼかすしかない。

「……クラスの中でも、可愛い方なところ」

 どうだ。この順位を付けない言い方なら、角も立たないはずだ。

「へぇ。高居君って、私のことそんなふうに見てたんだ」

 ……ん?
 待て待て。
 なんだ、その、ちょっと優越感に浸ったような表情は!?
 まさか俺が三間坂さんに気があるとでも、勘違いしてないよな?
 俺が好きなのは一ノ瀬さんだ。
 三間坂さんのことは――性格や相性を完全に無視して、容姿だけで見れば三番目くらいには可愛いと思ってるけど、それだけだ。
 これはちゃんと言っておかないと、危険な気がする。

「三間坂さん、変な意味に取らないでほしいんだけど……あくまで客観的に、容姿だけで見た場合の話だからね」

 ここまで言えば、さすがに勘違いはされないだろう。
 本当は「三番目」と言いたかったが、そこはぐっと堪えた。

「そっか。客観的に見て可愛いって思ってくれてるんだ。……まあ、ありがと」

 ……ん?
 ありがとって、どういう意味だ?
 真意を探ろうと視線を向けた瞬間、三間坂さんはぷいっと顔を背けてしまった。
 どうやら、この話はここで終わりらしい。
 ほかにもいいところを挙げろと言われたらどうしようかと思っていたが、その心配はなさそうだ。
 変な勘違いも、たぶん防げた……はず。
 今回のピンチは、なんとか切り抜けられたようだ。

 ふぅ……助かったぜ。
 それにしても、三間坂さんの顔がやけにニヤけて見えるのは、俺の気のせいだろうか?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

黒に染まった華を摘む

馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。 高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。 「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」 そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。 彼女の名は、立石麻美。 昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。 この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。 その日の放課後。 明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。 塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。 そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。 すべてに触れたとき、 明希は何を守り、何を選ぶのか。 光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない

七星点灯
青春
 雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。  彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。  しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。 彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

処理中です...