白き淵に沈む時

駒元いずみ

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本編

つもりて淵となりぬるは 二

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 ファレルは年若い領主に寄り添い玄関広間にやって来た領主夫人を見て、ひゅうっと短く口笛を吹いた。
領主の曲げた左腕に手を置いたリディア=グレイス姫は、ブルネットの髪を既婚女性らしくキッチリと結い上げ、首元まで詰まった肌の露出の少ない外出着姿だった。
服装自体も住民感情に配慮してか、落ち着いた濃い茶と生成りの生地を合わせた地味なものだ。
それでも目を引かれるのは、彼女自身の存在感のせいだろう。
これが元とはいえ王族か、とファレルはニヤリと笑った。
まぁまぁの美人で男好きする身体だ、という下世話な感想を抜きにしても、ここらの田舎娘とは佇まいからして違う。
長旅による体調不良、というのは建前で、昨日に領主が張り切り過ぎたせいで一人では歩けないらしいが、そうとは分からないように背筋はしゃんとしているし、穏やかな笑みを浮かべている。
遠慮なく見回すファレルをにらみつけている領主が凍てつく冬の大地だとすれば、領主夫人は麗らかな春の花園のようだった。
よくもまぁ、殺気がにじむ領主の横で微笑んでいられるものだ。
箱入りのお姫様は殺気にも鈍感なのか、ある意味感心する。
ファレルはいつものように着崩した隊服のまま、領主夫人の前に進み出る。
脇に控えているカールトンが苦虫を噛み潰したような顔をしているが、当然無視だ。
「バンフィールド辺境連隊、連隊長のアロンソ・ファレルです。以後お見知り置きを」
軽薄な笑みを浮かべて礼をとるファレルに、領主夫人は鷹揚にうなずいた。
「リディア=グレイスです。先の戦では民を守り奮闘したと聞いたわ。終戦条約を結んだとはいえ油断は許されない状況ゆえ、これからも街と国の守りを頼むわね」
領主夫人の言葉に、ファレルは皮肉げに口の端を釣り上げる。
「そりゃあ、もちろん。自分が生まれた街と国ですからねぇ。姫さんに言われねぇでも守りますぜ」
「「ファレル!」」
ファレルの不遜な態度に、領主とカールトンが同時に咎める声を上げた。
ファレルはそれを聞き流し、ひょいと肩をすくめる。
自ら領主夫人に挨拶したいと申し出たのは、その人柄をこの目で見極めたいと思ったからだ。
ファレルは肩書や身分だけで相手を判断しない。
それは身分がなくても有能なら取り立てるし、肩書が上でも無能なら従わないということだ。
辺境連隊に入隊したのも、当時の隊長に街の悪ガキだったファレルがコテンパンにやられたからだし、前領主は人柄と実務能力を尊敬していた。
今の領主はクソガキだが、剣の腕も部隊指揮能力も、ついでに実務能力まであるらしい。
だが、この領主夫人はどうだろうか。
血筋や見てくれだけは良いが、ファレルが膝を折るだけの人物には見えなかった。
王族の中でも公務に熱心だという噂は聞いていたが、どうせ周りがお膳立てしていたのだろう。
今も困ったように微笑み、わずかに首を傾げるばかりだ。
そんな女が偉そうなことを言うのだから、片腹痛い。
ファレルは、はっと鼻で嘲笑わらった。
「王都でのんびり守られていたお姫さんに何が分かるってんだよ。姫さんなら姫さんらしく、大人しく引っ込んでろ。表向きのことに口出しするんじゃねぇよ」
「ファレル、姫様に失礼なことを言うな」
そう言う領主からは、首に冷たい剣を押し当てられたような殺気がひしひしと伝わってくる。
平凡な造作の顔からは、ぞっとするほど表情が抜け落ちていた。
濃い茶色の冷たい目をファレルに向けたまま、領主の右手が腰に佩いた剣の柄に伸びる。
周りにいた使用人たちがひいぃっと悲鳴を上げ、青ざめた顔で後ずさった。
女にたぶらかされる程度の器だったのかと惜しく思いながら、ファレルも剣の柄に手をかける。
カールトンが二人を諫めようと声を荒げているが、にらみ合う二人の耳には届いていなかった。
ぐっと二人の剣を握る手に力が入り、このままでは玄関広間が修羅場に変わるというその時、それまで黙って成り行きを見ていた領主夫人が口を開いた。
「お止めなさい」
決して張り上げたようではないのに、その声は不思議とよく響いた。
ぴたりと、領主とファレルが動きを止める。
思わず従ってしまった自分に、ファレルは舌打ちした。
「ですが、ファレルは姫様を侮辱しました」
殺気をまとったままの領主が、不満げな顔で傍らの領主夫人を見下ろす。
領主夫人はわずかに眉をしかめた顔で領主を見上げ、はっきりした口調で言う。
「だからと言って、刃傷沙汰にんじょうざたに及ぶことはないでしょう。領主が剣を抜く重みを弁えなさい」
「だって俺の姫様を」
「ニール」
「……はい、姫様」
領主は渋々といった様子で殺気を収め、剣の柄から手を離した。
領主夫人はそれを見届けて一つうなずき、穏やかな笑みを浮かべてファレルの方を向く。
なんでこんな女の言うことを聞いちまってんだ、と憤りを抱いていたファレルは、領主夫人の深い青の目を見返し、固まった。
「ファレル」
そう呼びかける領主夫人は、柔らかく微笑んでいた。
しかし、その目は冷ややかにファレルを射ぬく。
こちらがとても矮小わいしょう下賤げせんな存在だと思わされるような、そんな目だった。
どんな強敵が相手でも臆したことのないファレルが、吹けば飛ぶようなか弱い女相手に引け目を感じるなど、自分でも信じられなかった。
固まるファレルに構わず、領主夫人は艶やかな唇の端を上げ言葉を紡ぐ。
「ファレルの故郷を思う気持ちは分かったわ。そうね。ファレルが己の領分を弁え、国と領地に忠実である限り、わたくしが口を出す必要はないでしょう。ただし」
そこで言葉を切った領主夫人が、わずかに目を細めた。
ぞくりと、ファレルの背に悪寒が走る。
「民の前でわたくしやニールを侮る言動は慎みなさい。領主と武官の長が不和を抱えていると噂になれば、そこに付け込もうと考える愚かな輩が出ないとも限らない。そうでしょう?」
わずかに首を傾げて、領主夫人が同意を求めてくる。
その考え自体は正論だ。
ファレルは戸惑いながらもうなずいた。
「あ、あぁ……」
「理解したなら結構。栄えあるバンフィールド辺境連隊の連隊長としてふさわしい振る舞いをなさい」
いいわね? と有無を言わさぬ迫力で、領主夫人が念を押す。
にっこりと微笑む姿は、あらがいがたい風格をそなえていた。
女風情がと侮る気持ちは、ファレルの中から消えていた。
この国では、領主夫人は領主に大事があった場合、領主代理を任されることがある。
領主夫人自身の能力は分からないが、人を使う才はありそうだ。
使える者を正しく使い、無闇矢鱈に口を挟もうとしない。
しかし、しっかりと手綱を握り、責任を持つ。
それが上に立つ者に求められることだ。
この領主夫人なら出来るだろう。
領主が執着するだけのことはあるのか、とファレルは納得した。
侮辱されても激昂することなく嘆くでもなく、しかも最終的に相手を下すことが出来る器となると、男でも少ないものだ。
ファレルがポカをやらかさない限り、領主夫人が出しゃばって干渉してくることはないだろう。
ならばファレルはここで引くべきだ。
これ以上の反抗は藪蛇になりかねない。
「はっ。申し訳ありませんでした。奥方様」
ファレルが頭を垂れると、領主夫人は柔らかく微笑みうなずいた。
「以後気を付けるように」
領主夫人が応えると、玄関広間にほっとした空気が流れる。
「さぁ、もう出立のお時間です。馬を用意してありますので停車場へどうぞ」
この隙を逃すまいと、カールトンが領主夫妻をうながした。
まだ不満げな顔をしている領主がファレルを一にらみしてから、領主夫人の腰を抱き寄せて歩き出す。
領主夫人は笑顔を保ったまま、手に持っていた扇で領主のわき腹に突きを食らわしていた。
実に巧妙な動きで他の者たちは気付いていないようだが、ファレルは目が良いし角度もちょうど良かった。
ばっちり見えてしまった領主夫妻のやりとりに、ファレルは目を瞬かせた後、ニヤリと笑う。
「ひっかき回さないでくださいよ」
ニヤニヤ笑いながら領主夫妻の後に続こうとしたファレルに、館に残るカールトンが釘を差してきた。
ファレルはひょいっと肩をすくめてみせる。
「しねぇよ。俺だって命は惜しいさ」
からかう程度ならまだしも、領主夫人を口説いたら次の瞬間には首と胴が離れるはめになるだろう。
剣術の腕が劣るとは思わないが勝るとも言いがたい。
同等の腕ならば、技量を越えたところが物を言う。
領主の領主夫人に対する執着は尋常ではない。
あの殺気は本物だった。
信念に基づいてならまだしも、遊びでちょっかいをかけて死ぬなどごめんだ。
それにおそらく、あの二人は傍で見ているだけでも退屈しない。
上司に求める資質は能力があることが最低限、それに加えて面白い人物なら大歓迎だ。
あの二人は面白い。きっと見ていて飽きることはないだろう。
「いい領主とその奥方様が来たもんだな」
「奥方様に対しては、判断するには時期尚早ですよ」
「慎重なこって」
ファレルはカールトンの返答に白けたように眉を上げてみせた。
カールトンはいつもの無表情で続ける。
「しかし、そうあって欲しいと思います」
「お前も大概面倒くさいな」
「余計なお世話です。ほら、さっさと行ってください。領主様方をお待たせしないように」
「自分から呼び止めておいてそれかよ」
ファレルはちっと舌打ちして、外へ向かう。
その足取りは、苦い表情に反して軽かった。


無事に街中慰問を終えたリディアは、館の自室に戻ってきて早々寝台に押し倒されていた。
相手はもちろんニールだ。
よく教育された侍女たちは、抱き上げられた状態で部屋に戻った主を一目見ただけで、優雅にお辞儀をして退室した。
侍女たちに助けを求めるのは無様であるし、押し倒されている姿を見せつけたいわけでもないので、それはそれでいい。
使用人の間に今の出来事が格好の話題になるのは承知している。
領主夫妻の仲が良いという噂が流れるのは、情報戦略上は好ましいので特に口止めはしなかった。
しかし、それはあくまでも戦略上は、だ。
うんざりした気持ちを隠さず、リディアの腰に手を回し胸元に顔をうずめているニールを見下ろす。
「何なの」
ニールは無言でより強くリディアに抱きつく。
リディアはわざとらしく大きなため息を吐いた。
どうしてニールがこうなったか、検討は付くが面倒くさい。
慰問に出立する前から、ニールは不機嫌だった。
さすがに住民たちの前では非の打ち所のない笑みを浮かべていたが、ずっとリディアの腰から手を離さず寄り添っていた。
支えがなくては真っ直ぐ歩けないので接触があることは仕方ないが、あれ程べったりとしなくても良かった。
事実、玄関広間まではニールの腕に手を置くだけで済んでいたのだ。
要するに、当て付けだったのだろう。
本当に面倒くさい男だ。
リディアにニールの機嫌を取ってやるつもりは毛頭なかった。
ただ、ずっとこのままの状態でいたいわけでもない。
リディアはもう一度ため息を吐き、ペシッと手に持った扇でニールの肩を叩く。
「訴えたいことがあるなら口でおっしゃい」
すると、ニールがもぞもぞと動き、リディアに抱きついた状態のまま顔を上げる。
その顔にはありありと不満が浮かんでいた。
「……姫様は、ファレルを買ってらっしゃるんですね」
「そうね。先の戦が始まって以降のこの街で起こったことについての報告には粗方目を通したわ。あれで下からの信頼も厚いようだし。態度は頂けないけれど、使える人間だと判断したの。ニールもそう思っているからあれを連隊長のままにしているのでしょう?」
問いかけると、ニールは渋々とうなずいた。
「そうです。ファレル以外に今の辺境連隊を任せられる人間はいません。あれを更迭こうてつすれば連隊の支持を失うことになります」
「分かっているなら拗ねないでちょうだい。面倒くさいし気持ち悪いわ」
リディアが広げた扇で口元を隠しながら見下ろすと、ニールの目元がわずかに赤らんだ。
「だって、姫様にあんな蔑んだ目で見られて、羨ましい」
ぽつりとつぶやかれた言葉に、リディアは呆れたという表情を浮かべた。
「……そこなの?」
「そこですよ!」
リディアの腰に回した手を離し身体を起こしたニールが、ぐっと拳を握って力説する。
「姫様の見下す目には、『私のような卑小ひしょうな輩が生まれてきて申し訳ございませんでした』ってひれ伏したくなるような眼力があるんですよ。人を人とも思わない、塵芥ちりあくたを見るような目の魅力にファレルが落ちたらどうするんですか!?」
本気で心配しているらしいニールに、リディアは眩暈を覚えた。
ファレルは被虐趣味の持ち主には到底見えない。
持っているとすれば、嗜虐趣味の方だろう。
この男は何の心配しているのだ、と脱力する。
「そんな特殊な嗜好の持ち主はお前くらいでしょう」
「そんなことありません! おおやけにしている者はあまりいませんが、罵られたい蔑まれたいと思っている人間は、姫様が思っていらっしゃるより多いんですよ! 王都にはそういう者向けの店だってありますし」
「随分と詳しいのね」
リディアが半眼になりながら言うと、ニールは、はっとした顔をした。
「姫様! 嫉妬ですか!?」
「違うわ」
嬉しげに擦り寄って来るニールを、リディアはバッサリと切り捨てる。
ニールが如何いかがわしい店に通っていたようだと知って、汚らわしいと思っただけだ。
なのに、ニールはにこにこ笑いながら、リディアの服のボタンに手をかけた。
「ちょっと! お前は何をしているの!?」
「え? 姫様の服を脱がそうとしていますけど?」
きょとんと首を傾げながらも、ニールの手は止まらない。
あっという間に胸元が肌蹴られてしまった。
「今の流れでどうしてそうなるの!」
リディアはニールの手を払いつつ、胸元を隠そうと身をよじる。
ニールは実に楽しそうにリディアの手を捕らえ、ちゅっと指先に口付けを落とした。
「負の方向であれ、姫様が俺のことで御心みこころを動かされたことがとても嬉しかったからです。この胸と下半身の昂ぶりを姫様に直にお伝えする方法はこれしかないかなって」
そう言って、ニールが捕らえた手を引き、リディアの首筋に頬をすり寄せる。
リディアは米噛をぴくぴくさせて、叱咤の声を上げた。
「また下品なことを」
「言うな、っておっしゃるんでしょう?」
リディアの言葉尻を奪って笑うニールに、リディアの眉間のしわが更に深まった。
「分かっているのなら何度も言わせないでちょうだい。煩わしいわ」
「はぁい、姫様。それじゃあ協力してくださいね」
「は?」
悪戯っぽく目を輝かせるニールに、嫌な予感を覚えたリディアは本能的に逃れようとする。
が、それを逃がすようなニールではない。
「んんっ」
左手であごを捕らえられ、深く口付けられる。
この二日で早くも馴染みになってしまったニールの舌が口腔内へと侵入してくる。
「やっ」
同時に肌蹴た服の合間から、ニールの右手が差し入れられた。
胸当て越しにやわやわと胸を揉まれる。
そちらに気をとられた隙に唾液を送り込まれ、反射的にそれを飲み込んでしまった。
不快感に顔をしかめるリディアを、ニールがうっとりした目で見つめている。
「はぁ、姫様の中に俺の体液が入るっていい気分です」
「わたくしは気分が良くないわ。それに協力って何なの?」
「あぁ。口付けしている間は喋れないじゃないですか。だから俺を黙らせたいなら口付けに協力してくださいってことです」
「……訊かなければ良かったわ」
脱力するような理由に、リディアは息を吐いた。
おそらく、この男は口実など何でも良いのだろう。
ただ欲望に忠実なだけだ。
どうにもムカムカする。
仏頂面で横を向くリディアをなだめるように、ニールが頬を撫でてくる。
「姫様……」
「勝手にすれば良いでしょう。わたくしは抵抗しないわ」
四肢を投げ出したまま投げやりに言えば、ニールが困惑の表情を浮かべる。
胸を揉んでいた手も、ぴたりと止まった。
ニールは顔を背けるリディアと目を合わせるように、体勢を変えてのぞき込む。
「姫様、何かお気にさわりましたか?」
「お前の存在自体が癇に障るの」
リディアは反対方向に顔を逸らして、吐き捨てる。
ニールがそれを聞いてうろたえた。
「やっぱりご気分が優れないんですか? 慰問でお疲れですか? どこか痛みますか? 医者を呼んだ方がいいですか?」
おろおろと眉をさげて脈を計ったり、額に手を当てて熱を計ろうとするニールの手を払い、リディアはうんざりとした声を出す。
「何なの。いつもは罵られて喜ぶ変態のくせに」
「だって、姫様はいつもきっちり相手の目を見て罵っていらっしゃるじゃないですか。覇気もありませんし。具合が悪いとしか思えません」
きっぱりと言い切るニールに、リディアは胡乱な視線を送る。
「お前にわたくしの何が分かるというの」
「この八年近く姫様のことを見つめてきたんです。姫様の情報はどんな些細なことでも漏らさず集めてきました。俺以上に姫様に詳しい者はいません」
ニールがきっぱりと言い切る。
リディアは胡散臭いと言わんばかりに顔をしかめた。
「また調子の良いことを。どうせお前は自分を罵って蔑んでくる相手なら誰でも良いのでしょう。八年と言ってもずっと側にいたわけでなし、適当なことを言わないでちょうだい」
ひやり。
リディアの言葉を聞いて、ニールのまとう空気が変わった。
あっ、と思った時には、両手をまとめて頭の上に押さえつけられていた。
リディアの体を跨いだニールが、ぐっと顔を近づけてくる。
鼻先が触れ合いそうな近距離から見つめてくる濃い茶色の目には、あの暗くどろどろとした熱の色が宿っていた。
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