【完結】婚約破棄されたユニコーンの乙女は、神殿に向かいます。

秋月一花

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20話

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 日光浴よりも子どもたちと遊ぶことに夢中になってしまい、気が付けばくたくたになるくらい遊んだ。それでも子どもたちはまだまだ元気なのだからすごい。ただ、小さい子はうとうととし始めたから、遊び疲れちゃったのかも。かくれんぼや鬼ごっこって……全力でやるとかなり体力使うわね……。

「さ、今日の遊びはおしまい。ご飯食べようね」
「はーい」

 まだ遊ぶーって駄々を捏ねる子もいたけれど、ぐぅ、と鳴るお腹の虫にちぇーっと唇を尖らせた。
 ほのぼのとしているこの雰囲気……好きだわ。

「行こう、イザベラ!」
「ええ、リアン」

 差し出された手を取って、わたくしたちも食堂へ向かう。リアンは最初の頃に比べると上手にナイフとフォークを使えるようになった。美味しいご飯を食べてから、わたくしの部屋に向かった。

「日光浴、出来なくてごめんね」
「なんでー? みんなと遊べて楽しかったよ?」
「ふふ、そうね。わたくしも楽しかったわ」

 心底楽しそうに笑うリアンに、わたくしは微笑みを浮かべた。

「じゃあ、ボクはお母さんたちに明日出発するって伝えて来るね!」
「ええ、行ってらっしゃい」

 部屋のバルコニーの扉を開けてアリコーンの姿に変わると飛んで行った。……いつ見ても、不思議な感じがするわね……。
 わたくしはバルコニーの扉を閉めてからカーテンも閉める。明日、わたくしが目覚める頃にはアリコーンは来ているだろう。
 わたくしの分の着替えなども用意してあるけれど……、明日はランシリル様の用意した服を着るわけだから……。……うーん、どんな服かちょっと気になるわね……。
 とりあえず……今日は早めに休みましょう。そう思ってサクサクとお風呂に入って、身体を温めてからベッドに潜り込んだ。
 ……半年ぶりのヴァプール王国。一体どうなっているのか、見るのが不安になる……。それでも、招待されたからにはちゃんとしなくちゃね……。
 子どもたちとたくさんおかげで、すんなりと眠りに落ちることが出来た。




 翌朝、扉をノックする音で目が覚めた。
 寝ぼけながら「は~い……」と返事をすると、エマと神殿で働いている女性たちがわたくしの部屋にやって来た。
 ……な、なに、どうしたの……?

「おはようございます、イザベラお嬢様。さぁ、たっぷり時間を掛けて、綺麗になりましょうね!」
「え、エマ……?」

 朝っぱらから、わたくしはエマたちの手によって魔法を掛けられた……。
 お風呂で丁寧に髪と身体を洗われ、身体に何かを塗られ、髪にも何かを塗られ、顔にも色々塗られ……。ランシリル様が用意したと言う服に袖を通し、ヘアセットをばっちりと決め、メイクも薄いけれどもしっかりとされた……。
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