オカルト研究部員の非日常な日常

秋月一花

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2章:異存

白銀の、異界 1話

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 話しているあいだに昼時になり、伊吹いぶきが用意した昼食を摂ってから、架瑠かけるたちは山奥の幽霊屋敷に向かうことになる。

 雪かきはされていたが、向かう先は山奥なので雪かきの道具や温かいカイロ、念のために食料と飲み物を用意した。

 つむぎが呼んだなぎの車に乗って山のふもとまで乗せてもらった。途中からは歩いていく。

 山奥、といってもそんなに遠くはない場所なので、肝試しの場所としては適している。

 だからなのか、たまに児童や生徒が肝試しにきていた場所だ。

 とはいえ、今回のように体調を崩す人はいなかったはず。架瑠は五歳頃からの記憶をたどりながら歩きづらい雪道を一歩ずつ、しっかりと踏み込みながら足を進める。

茉莉まつり、大丈夫か?」
「な、なんとか……。ずっと雪国で暮らしているんだもん。大丈夫っ!」

 自分に言い聞かせるように架瑠に返事をする茉莉に、そっと手を差し出す。

「とはいえ、やっぱり心配だから」
「あ、ありがとう、架瑠くん」

 ぎゅっと手を繋いで彼女を支える。雪で歩きづらいが、なんとか山奥の幽霊屋敷に辿りついた。

「……なんだか、ここら辺だけ雪の量がおかしいねぇ」

 佑心うみは雪かきの道具を構え、せっせと雪かきをしながら玄関までの道を作っていく。紬も見よう見まねで雪かきをし、架瑠も手伝おうとしたが佑心に止められた。茉莉のそばにいてやれ、と。

 玄関までなんとか道ができた。幽霊屋敷の全体を眺めると、窓が割られて全体的にボロボロで、今にも崩れそうだ。佑心は自分が最年長だから、という理由で自分が玄関の扉を開けると主張し、真ん中に架瑠と茉莉、最後に紬という一列になった。

 佑心が、「開けるよ」と一言口にしてから、扉を開ける。鍵はかかっていないようですんなりと開き――……ビュゥゥゥ、という吹雪が架瑠たちに襲いかかる。

 あまりの勢いに目を開けていられず、架瑠たちはぎゅっと目を閉じた。

 おそるおそる目を開けると、先程までいた幽霊屋敷ではなく、白銀の世界にオカルト研究部員、全員がいる。

「なんだ、ここ……?」
「さっきまでの場所と、違うよね……?」

 茉莉は怯えるように身体を震わせて、架瑠の手をぎゅっと強く握った。

 その手が震えていることに気付き、架瑠は「茉莉……」と声をかける。佑心は辺りを見渡して、一面銀世界であることを確認すると、ぼふっと雪に飛び込む。

「羽井田先輩!?」
「冷たい……。どうやら夢ではないようだね! ずいぶんさらさらとした雪だ。春雪だと重いけれど、この雪は軽い。うーん、不思議! まさにオカルト!」

 むくっと起き上がり雪まみれになった姿で、興奮気味に声を上げるのを見て、紬は無言で佑心を指して架瑠たちを見た。

 二人は苦笑を浮かべて「いつも通りだよ」と言葉を重ねる。

「……本当に大丈夫なのか、この部活……」

 紬のつぶやきは、聞こえないふりをした。
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