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歓迎会の夜、私は彼と色々な話をしたらしい。

彼と付き合う事にした事や、動物が好きで本当は獣医になりたかった事、最近好きな犬はドラマで観たブラックラブラドールだった事、親に嫌われて生きて来た事、動物と話が出来る事。

本当に短い間に、色々話したらしい。

思い起こせば、そうだったかな?と言う感じ。


でも、次の週から私の人生は変わっていた。

彼は月曜日早速、私をデートに誘い2人でこじんまりしたイタリアンで食事をした。

彼は、本当に憶えてないの?
   本当に憶えてないの?
と何回も繰り返し、驚いてる。

私も、本当に話したかな?
   本当に話したかな?
と思いながら、楽しくその晩を過ごした。

私達は上手く行っていた。

楽しく楽しく1年が経った頃、私の誕生日がやってきた。

彼は、素敵なプレゼントを用意出来たと嬉しそうな顔をして、誕生日はレストランではなく公園で良いかな?と聞いてきた。

なんでも大丈夫!と答えて、その日うちの近くの公園で待ち合わせをした。

夕方7時。

サプライズだから、私は何を用意して良いか分からなかった。

ベンチに座って彼を待っていると、公園の入り口からゆっくり歩いて来る彼を見つけた。

段ボール?を抱えている。

手を振るが、彼はゆっくり歩くのを止めない。

どうしたのかな?

彼はみかん箱を抱えている。

凄い笑顔。

思わず簡単に段ボールを受け取ってしまった。

微妙な重さ。

動いた!

『何これ?』

ちょっと怖くなり、彼に尋ねた。

『開けてごらん』

満面の笑みで言う。

恐る恐る段ボールを開けた。


黒い物体がいる。

茶色い目が私を見ている。

箱の中にいたのは、ブラックラブラドールだった。
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