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3.終焉
30_追跡
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ここへ来てから、明美を失ったり、空から落ち……水の中へ沈み……。 これほど過酷な体験をした事は、今まで一度も無かった。 胸が苦しくて、息切れも激しい。 それでもまだ、明美の消えた未来は何も変わっていなかった。
「はっ……はあっ……」
「レント君大丈夫……?」
「あぁ、何とか……ありがとう、ゼロスリー」
ぽたぽたと水は滴って、濡れた上着を脱いで絞り始める。 木の陰にひっそりとゼロツーとゼロフォーが耳から出したコネクターを繋ぎ合って、隣同士に座っていた。
「ゼロフォー……戻って来たんだな。 よかった」
「えぇ、夜だから、サーチポリスに見つからずに、木に隠れて何とか戻ってこれたみたい。 今、ゼロツーが電力を分け与えているところよ」
「そう……か……そうだ……俺の、スマホ……でもなんで、こんな所に……」
俺は地面に転がったスマホを拾い上げた。 防水・防塵がまさかこんな所で役に立つとはだれが思っただろうか……。 スマホの画面は、カチリ・カチリと音を立てながら点滅を繰り返していた。
「そうだ、ゼロファイブは? 俺を助けてくれたんだろ?お礼言わなきゃ」
「……レント君……」
いくら待っても、ゼロファイブが戻って来る気配がない……ゼロスリーは静かに俺の顔を見つめ、悲しむような表情を浮かべていた。
『レント……ゼロファイブが君を助けた後から、彼女の反応が消えて……通信が途絶えた』
「……は?なんだよ、それ」
『僕たちは……水中へは潜れない。 すまないが……捜索は不可能だ』
俺は、湖の中へ目を凝らした。 水面が僅かに揺れ……湖のずっと奥深くで何か大きなものが、わずかに動いているようにも見えた。
「なんで、何でだよ!!ゼロファイブ!!」
――ピコン
俺のスマホが通知音を鳴らし、画面が明るく表示された。 ディスプレイに表示された通知に『また遊ぼうぜ、蓮人』と文字が表示されていた。
いつ送られてきたメッセージなのか……日付だけが文字化けして読み取れない。 でもそれは……俺がコルテクスオンラインで一緒に遊んでいた、ゲームフレンドと同じ名前が表記されていた。
「うああああっ!!」
「……」
俺はただ、その場で叫び声を上げるしかできなかった。 彼女たちが……ただの機械だったら、こんなに胸が痛むことも無かったのに。 ココロがあるからこそ……その痛みを想像して、辛い気持ちが込み上げる。
「レント……悔いてる暇はないよ。 さっきから地鳴りが続いてる。 もう、この世界の崩壊が始まってるんだ」
「くそっ……!どうすりゃいいんだよ!」
「君の持つ、それが鍵だ……!今すぐに僕と一緒に塔の上へ登り……中へ侵入する。 ごめん、ゼロフォーもう一度飛んで……」
ゼロフォーの瞳は、赤く点滅を繰り返していた。 バッテリーが無いまま、飛行を繰り返したのだろう。 ゼロツーから電力を分けられたとは言ったが、未だにゼロフォーのバッテリーは10%を切っていた。
「ゼロツーはそのまま、ゼロフォーに連れて行ってもらって。 レント君は、私が必ず塔の頂上へ連れて行く。 さあ、背中に乗って」
俺は言われるままに、ゼロスリーの背中に乗りあげた。 ゼロスリーは、地面へドンッと思い切り足を付け……風が吹き抜ける音が、彼女の足裏から聞こえ始めた。
「いい、じゃあ……いくよ………? 1……2……3……」
ドッという音が響いた――その途端、ゼロスリーは木々を抜けて一気に塔へ向けて走り出した。 みっともなさはあるが、俺は必死に彼女へしがみつく……濡れた衣服の水分は、風に流されて一気に乾いて行った。
ゼロスリーは、高速に走り続けたまま、一気の塔のかべを垂直に登り始めた。
「ううぅっ……お、落ちる……!」
「頑張って掴んで!私は走るのに集中するから!!」
10分くらいは、塔を垂直に走っていただろうか。 空に浮いていたサーチポリスたちも俺らに気が付いて……さっき追いかけて来た時のように、ゼロスリーへ追跡を始め、そして爆発を繰り返していた。
「頂上……見えた……!!!」
あと、一歩の所だった。 上空から、サーチポリスがゼロスリーの目の前に現れ、それを避ける様に塔から宙へ飛び上がった。 ゼロスリーは、近くを飛んでいた別のサーチポリスの上へ乗り上がると……そのまま、俺の襟を掴んで……空中へ投げ飛ばした。 俺の身体は、一気に頂上まで辿り着き……床の上に転がる様に着地した。
「レント君……!!あとは、お願い!!」
「はっ、ゼロスリー!! 」
振り返って、ゼロスリーの姿を確認しようと見下ろすと、静かに落下していく彼女を無数のサーチポリスが追い……爆発音を上げた後は、その姿を確認することが出来なくなった。
「くっ……っ!」
俺は歯を食いしばりながら、拳を握りしめていると……すぐ隣に、ゼロフォーに抱えられたゼロツーが地面に足を付けた所だった。 それと同時に――ゼロフォーは繋がれたコネクターを外し……スッと下へ降りて行く。
「ゼロツ―……おねえちゃ……ごめんね」
ゼロフォーは、最大限のパワーを噴出し、サーチポリスの群衆を引きつけながら、この塔から離れるように……遠くへ離れて行った。 空には既に朝日が昇り……太陽の輝きと共に――彼女の散って行く姿が遠くに見えた気がした。
「はっ……はあっ……」
「レント君大丈夫……?」
「あぁ、何とか……ありがとう、ゼロスリー」
ぽたぽたと水は滴って、濡れた上着を脱いで絞り始める。 木の陰にひっそりとゼロツーとゼロフォーが耳から出したコネクターを繋ぎ合って、隣同士に座っていた。
「ゼロフォー……戻って来たんだな。 よかった」
「えぇ、夜だから、サーチポリスに見つからずに、木に隠れて何とか戻ってこれたみたい。 今、ゼロツーが電力を分け与えているところよ」
「そう……か……そうだ……俺の、スマホ……でもなんで、こんな所に……」
俺は地面に転がったスマホを拾い上げた。 防水・防塵がまさかこんな所で役に立つとはだれが思っただろうか……。 スマホの画面は、カチリ・カチリと音を立てながら点滅を繰り返していた。
「そうだ、ゼロファイブは? 俺を助けてくれたんだろ?お礼言わなきゃ」
「……レント君……」
いくら待っても、ゼロファイブが戻って来る気配がない……ゼロスリーは静かに俺の顔を見つめ、悲しむような表情を浮かべていた。
『レント……ゼロファイブが君を助けた後から、彼女の反応が消えて……通信が途絶えた』
「……は?なんだよ、それ」
『僕たちは……水中へは潜れない。 すまないが……捜索は不可能だ』
俺は、湖の中へ目を凝らした。 水面が僅かに揺れ……湖のずっと奥深くで何か大きなものが、わずかに動いているようにも見えた。
「なんで、何でだよ!!ゼロファイブ!!」
――ピコン
俺のスマホが通知音を鳴らし、画面が明るく表示された。 ディスプレイに表示された通知に『また遊ぼうぜ、蓮人』と文字が表示されていた。
いつ送られてきたメッセージなのか……日付だけが文字化けして読み取れない。 でもそれは……俺がコルテクスオンラインで一緒に遊んでいた、ゲームフレンドと同じ名前が表記されていた。
「うああああっ!!」
「……」
俺はただ、その場で叫び声を上げるしかできなかった。 彼女たちが……ただの機械だったら、こんなに胸が痛むことも無かったのに。 ココロがあるからこそ……その痛みを想像して、辛い気持ちが込み上げる。
「レント……悔いてる暇はないよ。 さっきから地鳴りが続いてる。 もう、この世界の崩壊が始まってるんだ」
「くそっ……!どうすりゃいいんだよ!」
「君の持つ、それが鍵だ……!今すぐに僕と一緒に塔の上へ登り……中へ侵入する。 ごめん、ゼロフォーもう一度飛んで……」
ゼロフォーの瞳は、赤く点滅を繰り返していた。 バッテリーが無いまま、飛行を繰り返したのだろう。 ゼロツーから電力を分けられたとは言ったが、未だにゼロフォーのバッテリーは10%を切っていた。
「ゼロツーはそのまま、ゼロフォーに連れて行ってもらって。 レント君は、私が必ず塔の頂上へ連れて行く。 さあ、背中に乗って」
俺は言われるままに、ゼロスリーの背中に乗りあげた。 ゼロスリーは、地面へドンッと思い切り足を付け……風が吹き抜ける音が、彼女の足裏から聞こえ始めた。
「いい、じゃあ……いくよ………? 1……2……3……」
ドッという音が響いた――その途端、ゼロスリーは木々を抜けて一気に塔へ向けて走り出した。 みっともなさはあるが、俺は必死に彼女へしがみつく……濡れた衣服の水分は、風に流されて一気に乾いて行った。
ゼロスリーは、高速に走り続けたまま、一気の塔のかべを垂直に登り始めた。
「ううぅっ……お、落ちる……!」
「頑張って掴んで!私は走るのに集中するから!!」
10分くらいは、塔を垂直に走っていただろうか。 空に浮いていたサーチポリスたちも俺らに気が付いて……さっき追いかけて来た時のように、ゼロスリーへ追跡を始め、そして爆発を繰り返していた。
「頂上……見えた……!!!」
あと、一歩の所だった。 上空から、サーチポリスがゼロスリーの目の前に現れ、それを避ける様に塔から宙へ飛び上がった。 ゼロスリーは、近くを飛んでいた別のサーチポリスの上へ乗り上がると……そのまま、俺の襟を掴んで……空中へ投げ飛ばした。 俺の身体は、一気に頂上まで辿り着き……床の上に転がる様に着地した。
「レント君……!!あとは、お願い!!」
「はっ、ゼロスリー!! 」
振り返って、ゼロスリーの姿を確認しようと見下ろすと、静かに落下していく彼女を無数のサーチポリスが追い……爆発音を上げた後は、その姿を確認することが出来なくなった。
「くっ……っ!」
俺は歯を食いしばりながら、拳を握りしめていると……すぐ隣に、ゼロフォーに抱えられたゼロツーが地面に足を付けた所だった。 それと同時に――ゼロフォーは繋がれたコネクターを外し……スッと下へ降りて行く。
「ゼロツ―……おねえちゃ……ごめんね」
ゼロフォーは、最大限のパワーを噴出し、サーチポリスの群衆を引きつけながら、この塔から離れるように……遠くへ離れて行った。 空には既に朝日が昇り……太陽の輝きと共に――彼女の散って行く姿が遠くに見えた気がした。
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