上 下
72 / 281
・Day5/chapter1 回想、昨夜の饗宴

58.

しおりを挟む
「ひゃああ!!」
 青年は胸を弓なりに反らせて、高い声をあげた。既にひりついていた喉奥から悲鳴に近いそれが上がった。
 びりびりっとした快感が全身を突き抜けていく。何度も異物を受け入れて突かれ、どろどろに緩んだそこは、なんの抵抗もしなかった。
「あ、あ……入って……これ……ぇ」
 びくびくと震えだす青年が途切れ途切れにことばを紡ぐ。彼の両眼は完全に蕩けきってしまい、男を見上げるそれは完全に媚びた雌犬のそれだった。
「宴が終わるまで、許さない」
 男は低くそれだけつぶやくと、使用人に何か合図をした。示された男の命令に、傍で控えていた使用人が何かのスイッチをいれた。
「ひゃあ……あ、あひぃっ!」
 ずるりと内側にめり込んできたそれが、ゆっくりと引き抜かれていく。かと思いきや再び中へと潜り込んだ。
「う、ううっ……」
 丸椅子の下から、じゅぶじゅぶという男と、機械の駆動音。
 男根を模した張り型を付けたそれは、上下に運動する仕掛けになっており、穴の開いた椅子の下から青年を容赦なく突き上げ始めた。
「ああっ、あっ……んっ!」
 ぐぷりと、後蕾の外へと出ていった異物にホッとするのも、つかの間。ふたたび、機械は駆動して、つぷりと蕾の縁に異物を押し当てたかと思うと、上へ上へと青年の蕾を押し、その圧に負けた彼の秘穴は作り物の雄を受け入れて震えだす。
「ふああ、あ、だ、だめだっ……」
 緩い上下運動にもかかわらず、青年の花幹は水を流して、ゆっくりと立ち上がる。
「すごいな」
 男がその様子を揶揄するように笑った。
「男たちと遊んでいたはずなのに、まだ、立つのか」
 男のねっとりと絡みつく視線に全身を犯されて、青年はびくりと腰を震わせた。見られたくない嬌態を見せている自分を隠したいと思うのに、手足の感覚がぼんやりとしてつかみどころがなく、さらに全身が重い脱力感に駆られている。
 腰を浮かせて逃れたいのに、それすらできない。
 器具で無理矢理に拘束されているわけでもないのに。つまりは、逃げられるはずなのに。
 身体はおもちゃを咥えこんで喜んで座っているかのように、一歩も動かない。
「ひゃああ、あ、あ」
 ぐりぐりと内奥までめり込んだ張り型に、青年はかすれた声を上げる。
 動きだけをとってみるとそれは単調なものだ。決められた間隔を置いて、上へ下へと移動するだけの、もの。
 しかし。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

中学生の弟が好きすぎて襲ったつもりが鳴かされる俳優兄

BL / 連載中 24h.ポイント:191pt お気に入り:152

【BL】死んだ俺と、吸血鬼の嫌い!

BL / 完結 24h.ポイント:149pt お気に入り:240

死にたがりの半妖が溺愛されて幸せになるまで。

BL / 連載中 24h.ポイント:205pt お気に入り:565

そこまで言うなら徹底的に叩き潰してあげようじゃないか!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,279pt お気に入り:44

巻き添えで異世界召喚されたおれは、最強騎士団に拾われる

BL / 連載中 24h.ポイント:3,189pt お気に入り:8,618

錬金術師の性奴隷 ──不老不死なのでハーレムを作って暇つぶしします──

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:184pt お気に入り:1,372

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:568pt お気に入り:713

【BL-R18】敗北勇者への快楽調教

BL / 完結 24h.ポイント:305pt お気に入り:178

処理中です...