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・地下室調教編(Day7~)

二日目 1-2

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「は、あ、ああ……や、やだっ」
 そこへの愛撫は苦手だ。
 屋敷に連れて来られた最初のころは、全然感じなかったはずなのに、いつの間にか、そこから快感を得られるように肉体が改造されてしまった。だからと言って、そこだけで達することは出来ない。じれったい刺激をあびせられて、青年は声をくぐもらせた。
「よせ、よしてくれ」
 逃げようともがくたびに、金属音が室内に響きわたる。
 使用人に歯を当てられてその感触に青年は身を引くつかせた。
「あ、ああ……」
 搾り取られた前は兆しを見せる気力すらないのに、それでも官能を得て身体が火照るようだった。対照的な二つの反応が青年をずたずたにしていく。
 ちゅぱと、音を立てて、使用人が唇を離した。濡れたそこは、空気に触れて、ひやりとする。
「あ……」
 思わず縋るような視線を送ってしまった青年はそれを恥じて、顔を伏せた。
「っ!?」
 しかし、その顔はすぐに持ち上げられる。
「うっ、うぅ……」
 じゅぷっと使用人が右胸にしゃぶりついた。舌で転がされるようにそこを愛撫されるとじわじわとした感覚が再開された。
「う、あ……そこ……」
 じゅるっと吸いつかれるように絞られれば、そこが悲鳴をあげるかのようにきゅんきゅんと腰の奥から快感が湧き出て来た。
「っ……うっ」
 びくんと大きく腰が揺れた。足先がぴくぴくと勝手に逃げ場を探して跳ね動く。
 開いている左胸に指先がふれた。しっとりと濡れたそこをつままれて、甲高い声で啼いた。
「はぁあっ! う、あ……、や、も、そこはっ……っ」
 ぴりぴりと張り詰めていた敏感になってしまったそこを、くりんとはじかれる。尖りが溶けてしまいそうなくらい強烈なものがやってきた。
「うあ! や、も、や……」
 眼球の奥から熱いものがこみあげてきて、目じりに浮かんだ。そのまま、つーと静かに青年の頬を流れていく。
 静かに涙をながす青年に対してそれでも奉仕・・をやめない使用人は、重点的にそこをなぶった。
「ひ、あ、あ……そこ、やだっ」
 舌でつつくように尖りをいじめられて、青年は腰を揺らした。じゃらりと鎖の音が鳴り響く。
「や……はぁっ、うっ……んん」
 前でいけない。
 胸にだけあたえられる刺激はそれ単体では甘いものであったが、じわじわと重なりあうように蓄積してきて、いまでは発狂しそうなくらい、じれったい。
 しかし、どんな命令を受けてきたのか、使用人は胸以外には一切、触れて来ないのだ。
 まだ青年は胸だけへの刺激だけでは達することができない。苦しくなって、何度も許しを請うたが、相手はこの屋敷の主に絶対忠誠を誓っている。青年の懇願など虚しく消えるばかりだ。
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