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・地下室調教編(Day7~)

二日目 夜 1

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 あの藤滝が、何故、手足を自由にさせたままにして帰っていったのか、ようやくその事実に気が付いたのは、夜が深まってきてからのことだった。
 あのあと、後ろに挿入された指で、解除薬を塗り込まれた青年だったが、その指を咥えこんで、後ろで何度かイかされた。
 ずっと待ちに待っていたかのように、入れられたそれをぎゅっと締め付けて、そのまま彼は達してしまったのだ。
 それを藤滝に揶揄されて、言い返す気力もなかった。
 それをいいように、彼にやりたい放題されたのだが、最後に胸を男がはめていた解除薬で濡れたままの手袋のままいじり、男は満足げに静かに帰っていった。
 男がいなくなると、青年も気がぬけて、そのまま、静かに眠りの世界へと落ちていったわけだが、いくぶんか睡眠をとったのち、彼は目を醒ますことになる。
 と、いうのも、身体の変化に彼は夢のなかから揺り動かされることになったのだ。
「……っ?」
 そっとまぶたをあけてみれば、夜の地下室に横になっている自分がいる。じりじりと胸の小さな異変に彼は、そっと起き上がった。
「な……なんだ?」
 宵闇に染まった室内は、静まりかえっていて、青年のつぶやいた声だけではなく、彼の身じろぎの小さな物音さえもが、やけに大きく聞こえる。
 それだけではない。
 だんだんと、心臓の音も――。
 ちりっとした小さくかゆいような、変な違和感を量胸に感じて、青年は、じっと闇のなかにで自身の身体に目をこらした。しだいに、暗がりに目がなれてきて、うすぼんやりと真っ黒な視界のなかに、自分の身体の存在をしめすぼやけた輪郭が滲んでくるようだった。
 だが、それだけだ。この闇のなかでは、自分の姿を捕えることなど、できやしない。
 しかたがない。
 そっと、指先を青年は、そこへと向けた。
 見えないのなら、触って確かめる以外に何も方法がないだろう。
「ったく、あいつめ。……さんざん、やってくれたな」
 藤滝だけではなく使用人にも一日じゅう、とことんといじりたおされ、なぶられ、いたぶられたその部分が、ついに悲鳴をあげて、ひりついていても、おかしくはない。
 それより、本当に自分のここは大丈夫なのだろうか。あんなにも、指で押しつぶされて、つままれて、しごかれて――。
「……っ!!」
 日中の行為のことを思い出して、青年はぶるりと、身体を震わせた。もう、あんな目は嫌だ。そう思っているのに、身体は与えられた快感を思い出して、じわりと腰の奥が熱くなった。
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