4 / 12
🍫4.
しおりを挟む
それは、青年を後ろから抱きしめた。
途端に青年の心臓が跳ね上がった。ただ肌に触れただけの、その接触であっても、無理矢理に敏感にさせられた肌にとっては激しい刺激となって襲った。彼は目を見開いて、その衝撃に耐えた。びくびくと全身が震える。達していないはずなのに先端から蜜がぼとぼとと零れ落ちた。
「ひぃっ!」
歯と歯の隙間から、小さく声が漏れる。
「弥助にいさん……」
その声に青年は、はっとした。
後ろから抱き着いてきたのは、芹那だった。
「お前。どうして?」
自分を追ってここまで来たのか? わざわざ?
「ねえ、にいさん……」
吐息交じりの少年の声は、男同士の行為に辟易している青年さえもあおるような色気に満ちていた。それにうっかりのってしまいそうになる。けれど相手は芹那だ。一度、間違いを犯したとはいえ、ここでまた獣に落ちるわけにはいかない。
「芹那、落ち着け」
そんなふうに彼にいうが、それは青年が自分自身に言い聞かせたいことでもある。
「にぃさん、ぼく、もぉ……」
背中に固いものが押し付けられる。途端に、青年の肉体のスイッチが切り替わった。何もしていないのに息が上がり、汗が皮膚の内側からあふれてくる。喉が渇く。やけに。
「芹那……俺は……ただ、抜いてやるだけ、だからな」
言い訳のようにそうつぶやいて――その声はやけにかすれていた――抱き着いてきている芹那を振り払うと、彼の下半身に青年はむしゃぶりついた。
屋敷でさんざん男相手に身体を開き、強引に教え込まれたその肉体は快楽に脆く、すぐに崩れ果てる。それは目の前にあるものがごちそうだと身体で覚えてしまっているから、我慢が効かない。
「はっ……あ、んう……」
芹那の高ぶりはこぶりで、だからこそ青年は簡単にそれを口の中に収めてしまえる。唇に彼の陰毛が当たってくすぐったい。
咥えたまま上下に首を振るとじゅぶじゅぶと音が立つ。口の中には、じんわりと少年の分泌した汁の味が広がる。本来ならそれを嫌に思うはずなのに、青年のタガは外れていて、夢中でしゃぶりこんだ。
「ああっ、にいさんっ!!」
少年の太ももが痙攣しだす。
青年も、自身の後ろがうずいて我慢ならない。あさましいことだとは知りながら、彼は自分の後孔へと、手を伸ばした。片手で彼の陰茎を支えて舌でなめる。感じやすい裏筋を中心に刺激してやれば、甲高く彼は泣き始める。そして、もう一方の手の指を自身の後ろに当てると、飢えているかのようにそこは抵抗なく指を飲み込んでいく。
「はっ……あ、あ、い、いくぅ」
びくんと少年が身を震わせた。
途端に青年の心臓が跳ね上がった。ただ肌に触れただけの、その接触であっても、無理矢理に敏感にさせられた肌にとっては激しい刺激となって襲った。彼は目を見開いて、その衝撃に耐えた。びくびくと全身が震える。達していないはずなのに先端から蜜がぼとぼとと零れ落ちた。
「ひぃっ!」
歯と歯の隙間から、小さく声が漏れる。
「弥助にいさん……」
その声に青年は、はっとした。
後ろから抱き着いてきたのは、芹那だった。
「お前。どうして?」
自分を追ってここまで来たのか? わざわざ?
「ねえ、にいさん……」
吐息交じりの少年の声は、男同士の行為に辟易している青年さえもあおるような色気に満ちていた。それにうっかりのってしまいそうになる。けれど相手は芹那だ。一度、間違いを犯したとはいえ、ここでまた獣に落ちるわけにはいかない。
「芹那、落ち着け」
そんなふうに彼にいうが、それは青年が自分自身に言い聞かせたいことでもある。
「にぃさん、ぼく、もぉ……」
背中に固いものが押し付けられる。途端に、青年の肉体のスイッチが切り替わった。何もしていないのに息が上がり、汗が皮膚の内側からあふれてくる。喉が渇く。やけに。
「芹那……俺は……ただ、抜いてやるだけ、だからな」
言い訳のようにそうつぶやいて――その声はやけにかすれていた――抱き着いてきている芹那を振り払うと、彼の下半身に青年はむしゃぶりついた。
屋敷でさんざん男相手に身体を開き、強引に教え込まれたその肉体は快楽に脆く、すぐに崩れ果てる。それは目の前にあるものがごちそうだと身体で覚えてしまっているから、我慢が効かない。
「はっ……あ、んう……」
芹那の高ぶりはこぶりで、だからこそ青年は簡単にそれを口の中に収めてしまえる。唇に彼の陰毛が当たってくすぐったい。
咥えたまま上下に首を振るとじゅぶじゅぶと音が立つ。口の中には、じんわりと少年の分泌した汁の味が広がる。本来ならそれを嫌に思うはずなのに、青年のタガは外れていて、夢中でしゃぶりこんだ。
「ああっ、にいさんっ!!」
少年の太ももが痙攣しだす。
青年も、自身の後ろがうずいて我慢ならない。あさましいことだとは知りながら、彼は自分の後孔へと、手を伸ばした。片手で彼の陰茎を支えて舌でなめる。感じやすい裏筋を中心に刺激してやれば、甲高く彼は泣き始める。そして、もう一方の手の指を自身の後ろに当てると、飢えているかのようにそこは抵抗なく指を飲み込んでいく。
「はっ……あ、あ、い、いくぅ」
びくんと少年が身を震わせた。
10
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
【花言葉】
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
【異世界短編】単発ネタ殴り書き随時掲載。
◻︎お付きくんは反社ボスから逃げ出したい!:お馬鹿主人公くんと傲慢ボス
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる