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「むむ!」
ホメロトスが眉を跳ね上げる。
「いやいや、まさかとは思いますが、ゴリ押ししよう等とお考えではないですよな?
我々公爵家には王子殿下に見合う年齢の娘が居らず、侯爵家も婚約者の居ない令嬢がいません。
ですからてっきり次は伯爵家以下から候補を探すと思っておったのですが……」
ジョストルがスンを表情を抜き去り、しれっと言い放つ。
「お忘れではないと信じたいですが、我が国では一応婚約は学院入学可能年齢以降と言うのが、近年の慣例となっておるのですぞ…。
それを……まだ8歳の幼子に王命を出そうとする等……恥ずかしいと思ってください」
「う……」
ウィスティリス父娘は、目の前で繰り広げられる攻防に、縮こまる事しか出来ない。
「今回は出す前に王太子殿下が気付いてくださったおかげで、『お願い』と言う形に収める事が出来ましたが、万が一王命のまま抜かれていたらと思うと……血の気が引きましたぞ…。
なにしろ王子殿下には下位貴「ロージント公爵…」……」
ジョストルの言葉を、ホメロトスがムスっと遮った。
「何を言い出すかと思えば…まったく…。
アレは儂の友人の孫と言うだけの幼馴染でしかない。身の丈は弁えておるはずじゃ。
他に年齢の近しい者がおらなんだだけの事で、其方等は勘ぐりすぎじゃよ。
ウィスティリス嬢に、変な擦り込みはするでない」
さっきまで怒髪天を衝いたような顔をしていたのに、今は駄々っ子の様に口を尖らせている。
(あぁ…そう言えば今のロージント公爵って……確かホメロトス王の弟君…だったかしら?
現王の王弟殿下は、ロージント公爵家に婿入りしたと言う話を、聞いた事がある気がするわ)
エリルシアは不和の中にも親し気な空気を感じて、そんな事を思い出していた。
そこまではエリルシアも他人事として、縮こまりながらも成り行きを見守っていたのだが、唐突にホメロトスが振り向いた。
「そうじゃ!
ウィスティリス嬢には暫く王宮に留まってはくれんか?
婚約するにしても互いに知る時間は必要じゃろう?
まぁ、それはそれとして、出来ればラフィラスの友人になってやってはくれんか?
あの年齢になっても近くに居るのはメイドだけで、側近の一人もいないと言うのは…流石にな…」
―――無茶振りキターーーー!
エリルシアは、引き攣った笑みのまま固まってしまう。
(あ~…ぅん、確か…王子殿下サマと年齢差が5歳ほどあったんじゃなかったかしら……それで友人と言うのは無理が過ぎるでしょ…。
第一王宮に留まるなんて……メリットどころかデメリットしかないわよね?
だって私が戻らないと、領地には今ポーラとゾラックしか居ないのよ?
一応これでも侯爵令嬢と言う肩書があるからこそ、水の取引や他の事だって受け入れて貰えているのに、ポーラ達だけじゃ進むものも進まなくなっちゃう……。
で……えっと……これは断って良い流れよね?
さっきのロージント公爵様の言い方だと、王命は阻止して下さったみたいだし、私の意思は尊重されると考えて良いのよね?)
ガクブルしながら、ぐるりと室内に視線を走らせる。
(…ど……どう返事するのが正解なの!?
誰か……誰か教えてよーー!!)
エリルシアは目線だけで救いを求めるが、室内は困惑一色に塗りつぶされていて、誰もどう動いて良いかわからないようだ。
唯一人、ホメロトスだけが満面の笑みを浮かべていた。
ホメロトスが眉を跳ね上げる。
「いやいや、まさかとは思いますが、ゴリ押ししよう等とお考えではないですよな?
我々公爵家には王子殿下に見合う年齢の娘が居らず、侯爵家も婚約者の居ない令嬢がいません。
ですからてっきり次は伯爵家以下から候補を探すと思っておったのですが……」
ジョストルがスンを表情を抜き去り、しれっと言い放つ。
「お忘れではないと信じたいですが、我が国では一応婚約は学院入学可能年齢以降と言うのが、近年の慣例となっておるのですぞ…。
それを……まだ8歳の幼子に王命を出そうとする等……恥ずかしいと思ってください」
「う……」
ウィスティリス父娘は、目の前で繰り広げられる攻防に、縮こまる事しか出来ない。
「今回は出す前に王太子殿下が気付いてくださったおかげで、『お願い』と言う形に収める事が出来ましたが、万が一王命のまま抜かれていたらと思うと……血の気が引きましたぞ…。
なにしろ王子殿下には下位貴「ロージント公爵…」……」
ジョストルの言葉を、ホメロトスがムスっと遮った。
「何を言い出すかと思えば…まったく…。
アレは儂の友人の孫と言うだけの幼馴染でしかない。身の丈は弁えておるはずじゃ。
他に年齢の近しい者がおらなんだだけの事で、其方等は勘ぐりすぎじゃよ。
ウィスティリス嬢に、変な擦り込みはするでない」
さっきまで怒髪天を衝いたような顔をしていたのに、今は駄々っ子の様に口を尖らせている。
(あぁ…そう言えば今のロージント公爵って……確かホメロトス王の弟君…だったかしら?
現王の王弟殿下は、ロージント公爵家に婿入りしたと言う話を、聞いた事がある気がするわ)
エリルシアは不和の中にも親し気な空気を感じて、そんな事を思い出していた。
そこまではエリルシアも他人事として、縮こまりながらも成り行きを見守っていたのだが、唐突にホメロトスが振り向いた。
「そうじゃ!
ウィスティリス嬢には暫く王宮に留まってはくれんか?
婚約するにしても互いに知る時間は必要じゃろう?
まぁ、それはそれとして、出来ればラフィラスの友人になってやってはくれんか?
あの年齢になっても近くに居るのはメイドだけで、側近の一人もいないと言うのは…流石にな…」
―――無茶振りキターーーー!
エリルシアは、引き攣った笑みのまま固まってしまう。
(あ~…ぅん、確か…王子殿下サマと年齢差が5歳ほどあったんじゃなかったかしら……それで友人と言うのは無理が過ぎるでしょ…。
第一王宮に留まるなんて……メリットどころかデメリットしかないわよね?
だって私が戻らないと、領地には今ポーラとゾラックしか居ないのよ?
一応これでも侯爵令嬢と言う肩書があるからこそ、水の取引や他の事だって受け入れて貰えているのに、ポーラ達だけじゃ進むものも進まなくなっちゃう……。
で……えっと……これは断って良い流れよね?
さっきのロージント公爵様の言い方だと、王命は阻止して下さったみたいだし、私の意思は尊重されると考えて良いのよね?)
ガクブルしながら、ぐるりと室内に視線を走らせる。
(…ど……どう返事するのが正解なの!?
誰か……誰か教えてよーー!!)
エリルシアは目線だけで救いを求めるが、室内は困惑一色に塗りつぶされていて、誰もどう動いて良いかわからないようだ。
唯一人、ホメロトスだけが満面の笑みを浮かべていた。
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