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ふわふわとした不可思議な感覚……。
だけど、妙にリアルな夢を見る。
エリルシア自身だと認識できるのに、その時々で、服装や髪色、風景が異なっていた。
ある時は巫女とか神官みたいな衣装、ある時は今と同じようなドレスを纏っている。
それ以外にも冒険者風だったり…まぁ冒険者風とかドレスとかだと、現在と大差ないのだけれど…その殆どで当たり前のように魔法を使っていた。
それだけでなく、これまで引っかかりを覚えた言葉にも出会えた。
『悪役令嬢』だの『ラジオ体操』だの……その世界……まぁ日本では魔法は使えなかったが、魔法のような道具は沢山あった。
PCやスマホ、IHにTV……他にも電車や飛行機…。
そしてセーラーカラーの制服だったから、中学生か高校生か、その辺りの年齢だろうと思われる。
エリルシアはゆっくりと瞼を開いた。
「……知らない天井…ね」
夢の中で見たアニメのワンシーンが浮かんで、思わず自分に苦笑する。
部屋の中にはエリルシア以外いないようなので、苦笑も独り言も、気兼ねなく出来る。なんなら邪眼ポーズだって問題ない。
「あれは……何だったのかしら…夢? それとも妄想…とか…」
エリルシアの生きる国、世界にも生まれ変わり等の概念はある。
だが、それに即結び付ける気にはなれなかった。
エリルシアは知らないベッドに寝そべったまま、ぼんやりと知らない天井を見つめ続ける。
「判別……魔法が使えたら夢じゃなく、前世とかだったりするのかも…」
言葉にしてみると馬鹿らしく思えるが、エリルシアには良い方法のように思われた。
今、生きている国、世界には魔法はない。
正確には魔法は断絶した……そう言う方が正しい。
ずっとずっと昔には、魔法が存在したそうだが、大きな魔法大戦が勃発し、魔法の継承がなされなくなったのだと言う。
伝承や御伽噺としては残っているし、事実遺跡等には痕跡もあって、そこかしこに、魔法の名残と言うか残滓は、確かに存在するのだ。
そして、エリルシアも探したり、使ったりしている魔具も、そんな遺跡等からの発掘品だ。
魔石は今でも魔物から入手可能なので、発掘品の魔具であっても、壊れていなければ動く。
一部は、魔紋の複写も可能になり、簡単な魔具なら作り出す事も出来るようにもなった。
尤も、原理だのなんだのは不明のままなので、写し描くのが精一杯……気軽に製作出来る代物ではない。
更に、手間も素材諸々も…多くが必要となるので、遺物でなくともかなり高価になってしまうも仕方ないだろう。
魔法については、そんな環境なので試してみる価値はある。
夢の中での感覚を思い出し、体内に意識を向ける。
するとどうだろう…あっさりと指先に、透き通った水のボールがふよふよと浮かんでいる。
「………マジですか…」
となると、さっきまで見ていたらしい夢は、単なる夢、妄想等ではないと言う事だ。
思いがけない現実に、つい零れていた独り言も、出てこなくなる。
(……となるとよ?
私のポジションって、やっぱり悪役令嬢って事よね……え~…8歳の悪役令嬢とか、マジで勘弁して貰いたいんだけど……でも該当するゲームもラノベも漫画もアニメも……心当たりがない…。
まぁ、心当たりがなくても、お約束と言うのは不変な訳で、注意すべきところはそんなにズレないわよね、きっと…。
うん、そうよ。
だから路線変更はなし!
王宮図書館と魔具保管庫の制覇に集中するのみ!
王陛下には申し訳ないけど、私は命が惜しい。
王子殿下とメイドさんには近づかない、これできっと勝つる!)
エリルシアがベッドからむくりと起き上がると、同じくして扉がノックされる音がした。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
そろそろ不定期更新になる予感です。
申し訳ございません><
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