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第1章 ウェリス王立学園編
08 ルシアの学園見学
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『ほう! ここが学園か! 人族の学び舎からも厳粛な気配を感じて心地よいな』
学園の正門をくぐるとルシアから感嘆の声が聞こえてくる。
〈龍族の世界にもここと同じような学校みたいなところがあるわけ?〉
『お主から聞いたような決まった年数を通い続けるようなものは無いな。龍族は魔法の知識などは親が子に教えるのが一般的だ。子どもも人族のような周期でホイホイと生まれるものでも無いしな』
〈龍族の世界にはそういうところが無いのに学園に興味があるの?〉
『無いから興味があるのだ。親から子に伝える良さもあるが、親の考え方や教え方で大きな差が出てくるのも事実。それに決まった年数を通うような学校は無いが、一部のものが学ぶための施設はある。人族で例えれば貴族だけが学ぶ施設といったところだ。我はその施設で教壇に立ち学問を教えておる。今までにたくさんの同胞たちを育ててきたのだぞ』
〈え~っ! そんなところがあるんだ! しかもルシアが教えたりするところなんて何か意外だな。僕たちの世界に似ているところもあるんだね。でも龍族が通う施設なんて想像しただけでもとんでもない大きさなんだろうな〉
『あほう。そんな資源の無駄遣いになる大きなものを作る訳がなかろう。お主、龍族の世界は巨大な龍が歩いたり飛んだりしているところを想像していないか?』
〈うん? そうじゃないの?〉
『違う。普段の龍族は人の姿で過ごしておる。以前お主に話したが龍族は生まれながらに人形態を持っている。人の姿と龍の姿は転体で変わることができるのだ。人の形態も個人によって様々で我のように人族とほとんど同じものもいれば、角があったり鱗があったり、尻尾が生えているやつもいるな』
〈そうなんだね。龍族なんだからてっきり龍の姿をしているものだと思ったよ。あれ? でもさ、ルシアと初めて会ったときは龍の姿だったよね? 普段から人の姿なんじゃないの?〉
『あのときに話しただろう? 気持ちの良い森があったからくつろいでいたと。思いっきりくつろぎたいときは龍の姿になるものだ。
――ほう。意味が分からないという顔をしているな。それならば分かりやすく教えてやろう。お主たち人族も誰もいない広大な草原に立ったときなどは開放的な気持ちがMAXに達して裸になりたくなるであろう。それだ』
〈いやいや、ならないよ〉
『なんだと? 龍も人も関係なく大自然を目の前にすると開放的な気持ちを抑えられなくなるだろう?』
〈だからならないって。そりゃ野原だろうと町中だろうと裸になりたい人はいると思うけど、それは間違った開放感というか、個人的な事情というか、犯罪でもあるわけで――〉
『フンッ! もうよいわ! 龍と人の感性の違いをここで協議したところで答えは出ぬ。とにかく龍族にとって龍形態になることは開放感を味わえるのだ」
その最後の説明だけでよかったと思うけどな……
いけない。もうすぐ9時だ。授業が始まってしまう。早く教室に行かなきゃ。僕は正門から自分のクラスまで猛ダッシュしてギリギリ間に合った。
火曜日の午前中は担任のエマ先生が語学、算術、歴史の授業をして、昼食の時間が終わったら魔法の授業だ。今は午前中の授業が終わり昼食を食べている。
『3つの授業はそれぞれが中々に面白かったな。語学と算術は子どもへの授業であるから基礎中の基礎だが、人族側から見た歴史の授業は面白い。他種族の視点から学ぶ歴史というのも新しい発見があるし、教え方も参考になるな』
〈そういえば、今さらだけどルシアは人間の言葉を勉強したの?〉
『言葉の勉強? ああ、種族が違うのになぜ言葉が通じるのか不思議なのか? ふむ。午前中の語学の授業では人間界共通の言葉を”標準言語”という名称で教えていたな。
人族で知っている者は少ないと思うが、実は我々龍族やその他の種族も全て同じ言語を基本としている。少し言い回しが違うものがあったりするが、基本的には同じだ。
それには理由があるとされているのだが、一番有力な説は魔法のためだ』
〈魔法のため?〉
『そうだ。全ての種族はマナを取り込んで魔力とし、魔力を変化させて魔法を使う。その魔法を使うために必要なものが言葉だ。魔法を使う場合には言葉を発することが多いが、無詠唱で使う場合も言葉を頭に思い浮かべて使う。魔法の発動のきっかけとなるのが言葉だ。
魔力、つまり元を辿ればマナに対して、どういったものに変化するのかを理解させるために共通の言葉が必要になるという考えだ』
〈なるほど、すごく分かりやすいね。マナに理解してもらうために同じ言葉を使っている、か――ということは僕も色んな種族と話すことができるということだね。そう考えると語学の授業にさらにやる気が出るよ〉
『フフ。そうだな。学ぶためには自らの意欲は大事なことだ。我も龍族の世界では語学を教えることがあるからな。どのような教え方をすればやる気を持たせられるかを考える良い機会だ』
〈ルシアが語学の先生か。僕の担任の先生みたいな感じなのかな?〉
『我が教えているのは人間界でいうところの標準言語ではないぞ。我が教えているのは龍言語だ』
〈龍言語? また知らないことが出てきたな〉
『龍言語とはその名の通り、龍族が使う言語のこと。龍魔法を使うためには龍言語を知らねばならん。お主のことだから龍魔法にも興味を持つと思うが、残念ながら人族に龍魔法を使うことはできない。なぜなら龍言語というものが龍にしか発声できないからだ』
〈そうなんだ~。残念。龍魔法っていかにも強そうだし、属性魔法が上手く使えない僕でも覚えられたらって少し思っちゃった〉
『今から魔法の授業なのだろう? 魔法も訓練をすれば技術を伸ばすことができる。我も憑依しておることだし、お主の魔法がどの程度か見てやるわ』
〈そうだね! 僕は人より魔力が少ないのは自覚してるけど、魔法の力も伸ばしたいと思ってる。ルシアも気付いたことがあったらどんどん教えてね!〉
そうして午後の魔法の授業を受けるために魔法訓練場に移動した。
学園の正門をくぐるとルシアから感嘆の声が聞こえてくる。
〈龍族の世界にもここと同じような学校みたいなところがあるわけ?〉
『お主から聞いたような決まった年数を通い続けるようなものは無いな。龍族は魔法の知識などは親が子に教えるのが一般的だ。子どもも人族のような周期でホイホイと生まれるものでも無いしな』
〈龍族の世界にはそういうところが無いのに学園に興味があるの?〉
『無いから興味があるのだ。親から子に伝える良さもあるが、親の考え方や教え方で大きな差が出てくるのも事実。それに決まった年数を通うような学校は無いが、一部のものが学ぶための施設はある。人族で例えれば貴族だけが学ぶ施設といったところだ。我はその施設で教壇に立ち学問を教えておる。今までにたくさんの同胞たちを育ててきたのだぞ』
〈え~っ! そんなところがあるんだ! しかもルシアが教えたりするところなんて何か意外だな。僕たちの世界に似ているところもあるんだね。でも龍族が通う施設なんて想像しただけでもとんでもない大きさなんだろうな〉
『あほう。そんな資源の無駄遣いになる大きなものを作る訳がなかろう。お主、龍族の世界は巨大な龍が歩いたり飛んだりしているところを想像していないか?』
〈うん? そうじゃないの?〉
『違う。普段の龍族は人の姿で過ごしておる。以前お主に話したが龍族は生まれながらに人形態を持っている。人の姿と龍の姿は転体で変わることができるのだ。人の形態も個人によって様々で我のように人族とほとんど同じものもいれば、角があったり鱗があったり、尻尾が生えているやつもいるな』
〈そうなんだね。龍族なんだからてっきり龍の姿をしているものだと思ったよ。あれ? でもさ、ルシアと初めて会ったときは龍の姿だったよね? 普段から人の姿なんじゃないの?〉
『あのときに話しただろう? 気持ちの良い森があったからくつろいでいたと。思いっきりくつろぎたいときは龍の姿になるものだ。
――ほう。意味が分からないという顔をしているな。それならば分かりやすく教えてやろう。お主たち人族も誰もいない広大な草原に立ったときなどは開放的な気持ちがMAXに達して裸になりたくなるであろう。それだ』
〈いやいや、ならないよ〉
『なんだと? 龍も人も関係なく大自然を目の前にすると開放的な気持ちを抑えられなくなるだろう?』
〈だからならないって。そりゃ野原だろうと町中だろうと裸になりたい人はいると思うけど、それは間違った開放感というか、個人的な事情というか、犯罪でもあるわけで――〉
『フンッ! もうよいわ! 龍と人の感性の違いをここで協議したところで答えは出ぬ。とにかく龍族にとって龍形態になることは開放感を味わえるのだ」
その最後の説明だけでよかったと思うけどな……
いけない。もうすぐ9時だ。授業が始まってしまう。早く教室に行かなきゃ。僕は正門から自分のクラスまで猛ダッシュしてギリギリ間に合った。
火曜日の午前中は担任のエマ先生が語学、算術、歴史の授業をして、昼食の時間が終わったら魔法の授業だ。今は午前中の授業が終わり昼食を食べている。
『3つの授業はそれぞれが中々に面白かったな。語学と算術は子どもへの授業であるから基礎中の基礎だが、人族側から見た歴史の授業は面白い。他種族の視点から学ぶ歴史というのも新しい発見があるし、教え方も参考になるな』
〈そういえば、今さらだけどルシアは人間の言葉を勉強したの?〉
『言葉の勉強? ああ、種族が違うのになぜ言葉が通じるのか不思議なのか? ふむ。午前中の語学の授業では人間界共通の言葉を”標準言語”という名称で教えていたな。
人族で知っている者は少ないと思うが、実は我々龍族やその他の種族も全て同じ言語を基本としている。少し言い回しが違うものがあったりするが、基本的には同じだ。
それには理由があるとされているのだが、一番有力な説は魔法のためだ』
〈魔法のため?〉
『そうだ。全ての種族はマナを取り込んで魔力とし、魔力を変化させて魔法を使う。その魔法を使うために必要なものが言葉だ。魔法を使う場合には言葉を発することが多いが、無詠唱で使う場合も言葉を頭に思い浮かべて使う。魔法の発動のきっかけとなるのが言葉だ。
魔力、つまり元を辿ればマナに対して、どういったものに変化するのかを理解させるために共通の言葉が必要になるという考えだ』
〈なるほど、すごく分かりやすいね。マナに理解してもらうために同じ言葉を使っている、か――ということは僕も色んな種族と話すことができるということだね。そう考えると語学の授業にさらにやる気が出るよ〉
『フフ。そうだな。学ぶためには自らの意欲は大事なことだ。我も龍族の世界では語学を教えることがあるからな。どのような教え方をすればやる気を持たせられるかを考える良い機会だ』
〈ルシアが語学の先生か。僕の担任の先生みたいな感じなのかな?〉
『我が教えているのは人間界でいうところの標準言語ではないぞ。我が教えているのは龍言語だ』
〈龍言語? また知らないことが出てきたな〉
『龍言語とはその名の通り、龍族が使う言語のこと。龍魔法を使うためには龍言語を知らねばならん。お主のことだから龍魔法にも興味を持つと思うが、残念ながら人族に龍魔法を使うことはできない。なぜなら龍言語というものが龍にしか発声できないからだ』
〈そうなんだ~。残念。龍魔法っていかにも強そうだし、属性魔法が上手く使えない僕でも覚えられたらって少し思っちゃった〉
『今から魔法の授業なのだろう? 魔法も訓練をすれば技術を伸ばすことができる。我も憑依しておることだし、お主の魔法がどの程度か見てやるわ』
〈そうだね! 僕は人より魔力が少ないのは自覚してるけど、魔法の力も伸ばしたいと思ってる。ルシアも気付いたことがあったらどんどん教えてね!〉
そうして午後の魔法の授業を受けるために魔法訓練場に移動した。
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