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第3章 ハンターの町 ボレアザント編
49 天災級の魔物と戦闘②
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「うわっ~!! レナールさん!! レナールさん!!」
僕の目の前でレナールさんがクイーンサンドワームの消化液の塊を全身に浴びてしまった。消化液がどんどん地上に流れ砂を溶かしていく。
大量の消化液が地中に消えていって、そこに残ったものは……。なんだ?? 空気の塊がレナールさんを守るように包み込んでいる。
それにレナールさんを襲っていた2体のサンドワームがいつの間にか細切れになってる。
「レナール、危機一髪だったな!」
僕の頭の上から聞こえるのは女性の声。
「フライヤ様? なぜここに!」
僕の頭上から降りてきたのは、オレンジ色の髪をした細身のスラッとした女性。この人がSランクハンターのフライヤさんなのか。フライヤさんって飛べるのか。やっぱり只者ではない雰囲気を纏っているぞ。
「私は帝都にいたんだがな。ヴァン様からボレアザントで面白い出会いがあるぞと言われたのでハンターギルドに行ってみたのだ。そうしたらギルマスのファンタールにお前たちの話を聞かされたのでな。ここまで急いで飛んできたというわけだ」
「風龍のヴァン様がそのようなことを……。クイーンサンドワームの出現を察知されていたのか」
あれ? 風龍のヴァン様って、普通に会話に登場してるぞ? 火龍様とは違ってサンネイシス帝国では普通に認識されてる感じなのかな。
「いや~。急いで飛んできた甲斐があったぞ! レナールはやられる寸前だし……まさかこんなところで会えるとは!」
「やっぱりこいつがフライヤ様が倒したやつと同じクイーンサンドワームなのか?」
「それはその通りなのだが、今はこいつのことなんかどうでもいい」
フライヤさんが軽く会釈をした。
「ご無沙汰しております、ルシア様。こんなところでお会い出来るとは!」
『久しぶりだな、フライアリーヤ。元気そうだな』
「ルシア様もお元気そうで安心しました。しかし堅苦しい呼び方はお止めください。いつものようにフライヤで」
『フフ。そうだな』
えっ? ルシアとフライヤさんは知り合いなの?
『しかしフライヤ、お主がハンターになってるとは思わなかったぞ。何か目的でもあるのか? 話によると酒が好きなのは相変わらずのようだが』
「どこかの誰かが私が酒好きだと吹聴でもしていましたか?」
『そこのレナールがそのようなことを言っておったはずだが』
「ほう。レナール、お前はルシア様にそのようなことを話しているのか――」
「いやいや! そんな殺気をぶつけてくることじゃないだろ!? 酒が好きなのは本当じゃないか! この前ギルドで会ったときもクエストの報酬に幻の酒を要求してたしよ」
「ふふふ。わざわざそんな情報を追加でルシア様に聞こえるように話すとは……」
なんかフライヤさんがますますキレてるようだね。
『幻の酒か。フライヤよ、我のコレクションにいくつか面白い酒が増えたぞ。よければ譲ってやろうか』
「本当ですか!? それは楽しみな……」
そんなやりとりをしていたら、クイーンサンドワームが攻撃体勢を取っている。どうやらフライヤさんを警戒して、新たなターゲットに決めたようだ。
「ルシア様。ゆっくり話すには邪魔者がいますね。こいつの相手は私に任せてもらえますか?」
『ふむ。そうしたら我が修行をつけておる、そこの小僧にも手伝わせてくれんか。特殊個体と戦う経験を積ませたいのでな』
「それは構いませんが……ルシア様が直接指導をされているのですか。そのようなことは初めてでは」
「空の紋章の所持者なのだ」
フライヤさんが驚いた顔でこっちを見てる。
「はじめましてフライヤさん。僕はレンと言います。よろしくお願いします」
「君が人族の空の紋章の所持者か。私はフライヤ。一緒にクイーンサンドワームを倒してしまおう」
すごく簡単そうにクイーンサンドワーム討伐を行おうとするフライヤさん。どうやって倒すつもりなんだろう?
「君の魔力の残りは十分かい? あと火魔法は使える?」
「結構、魔法を使ってしまったので、魔力は5分の1程度しか残っていません。火魔法は問題無く使えます」
正直、次元断を使うのは魔力枯渇が不安な魔力量しか残っていない。火魔法なら威力や回数にもよるけど、大抵の攻撃魔法を使える。
「よろしい。レンと言ったね。クイーンサンドワームの厄介なところはサンドワームを生み出す能力もあるが、何と言ってもサンドワームをはるかに超える回復能力だ。では、どうやって倒すのか。
――跡形もなくなるように攻撃をすればよいのだ。私が攻撃したあとに火魔法で焼き尽くしてくれ」
そういうとフライヤさんは空中に浮かんで言った。
「レナールは少し離れておいた方がいいぞ」
「言われなくてもそうするつもりだったよ!」
何だかんだ言っても、レナールさんとフライヤさんの仲は良さそうだな。
「それでは行くぞ、クイーン!」
フライヤさんが両手を前に出す。クイーンサンドワームは消化液を空中のフライヤさんに飛ばしているけど、何でもないように躱している。空中でもすっごく動きが速いな。あれも魔法なのかな?
フライヤさんの両手にとんでもない魔力が集まっている。そしてその魔力がクイーンサンドワームに飛んでいく。
クイーンサンドワームの身体が大きな風の塊に包まれた。レナールさんを助けたときの感じに似ているけど、その規模が凄すぎる。
直径200mを超えるような風の塊だ。そしてその中では暴風が吹き荒れているようで、クイーンサンドワームの身体が切り刻まれているのが見える。
フライヤさんはその風の塊の周りを飛び回っている。踊っているかのような綺麗な姿で、飛び回りながら中のクイーンサンドワームを更に切り刻んでいるようだ。
「それじゃ解除するよ」
フライヤさんが魔法を解除すると、そこには細切れになったクイーンサンドワームの姿があった。
僕の目の前でレナールさんがクイーンサンドワームの消化液の塊を全身に浴びてしまった。消化液がどんどん地上に流れ砂を溶かしていく。
大量の消化液が地中に消えていって、そこに残ったものは……。なんだ?? 空気の塊がレナールさんを守るように包み込んでいる。
それにレナールさんを襲っていた2体のサンドワームがいつの間にか細切れになってる。
「レナール、危機一髪だったな!」
僕の頭の上から聞こえるのは女性の声。
「フライヤ様? なぜここに!」
僕の頭上から降りてきたのは、オレンジ色の髪をした細身のスラッとした女性。この人がSランクハンターのフライヤさんなのか。フライヤさんって飛べるのか。やっぱり只者ではない雰囲気を纏っているぞ。
「私は帝都にいたんだがな。ヴァン様からボレアザントで面白い出会いがあるぞと言われたのでハンターギルドに行ってみたのだ。そうしたらギルマスのファンタールにお前たちの話を聞かされたのでな。ここまで急いで飛んできたというわけだ」
「風龍のヴァン様がそのようなことを……。クイーンサンドワームの出現を察知されていたのか」
あれ? 風龍のヴァン様って、普通に会話に登場してるぞ? 火龍様とは違ってサンネイシス帝国では普通に認識されてる感じなのかな。
「いや~。急いで飛んできた甲斐があったぞ! レナールはやられる寸前だし……まさかこんなところで会えるとは!」
「やっぱりこいつがフライヤ様が倒したやつと同じクイーンサンドワームなのか?」
「それはその通りなのだが、今はこいつのことなんかどうでもいい」
フライヤさんが軽く会釈をした。
「ご無沙汰しております、ルシア様。こんなところでお会い出来るとは!」
『久しぶりだな、フライアリーヤ。元気そうだな』
「ルシア様もお元気そうで安心しました。しかし堅苦しい呼び方はお止めください。いつものようにフライヤで」
『フフ。そうだな』
えっ? ルシアとフライヤさんは知り合いなの?
『しかしフライヤ、お主がハンターになってるとは思わなかったぞ。何か目的でもあるのか? 話によると酒が好きなのは相変わらずのようだが』
「どこかの誰かが私が酒好きだと吹聴でもしていましたか?」
『そこのレナールがそのようなことを言っておったはずだが』
「ほう。レナール、お前はルシア様にそのようなことを話しているのか――」
「いやいや! そんな殺気をぶつけてくることじゃないだろ!? 酒が好きなのは本当じゃないか! この前ギルドで会ったときもクエストの報酬に幻の酒を要求してたしよ」
「ふふふ。わざわざそんな情報を追加でルシア様に聞こえるように話すとは……」
なんかフライヤさんがますますキレてるようだね。
『幻の酒か。フライヤよ、我のコレクションにいくつか面白い酒が増えたぞ。よければ譲ってやろうか』
「本当ですか!? それは楽しみな……」
そんなやりとりをしていたら、クイーンサンドワームが攻撃体勢を取っている。どうやらフライヤさんを警戒して、新たなターゲットに決めたようだ。
「ルシア様。ゆっくり話すには邪魔者がいますね。こいつの相手は私に任せてもらえますか?」
『ふむ。そうしたら我が修行をつけておる、そこの小僧にも手伝わせてくれんか。特殊個体と戦う経験を積ませたいのでな』
「それは構いませんが……ルシア様が直接指導をされているのですか。そのようなことは初めてでは」
「空の紋章の所持者なのだ」
フライヤさんが驚いた顔でこっちを見てる。
「はじめましてフライヤさん。僕はレンと言います。よろしくお願いします」
「君が人族の空の紋章の所持者か。私はフライヤ。一緒にクイーンサンドワームを倒してしまおう」
すごく簡単そうにクイーンサンドワーム討伐を行おうとするフライヤさん。どうやって倒すつもりなんだろう?
「君の魔力の残りは十分かい? あと火魔法は使える?」
「結構、魔法を使ってしまったので、魔力は5分の1程度しか残っていません。火魔法は問題無く使えます」
正直、次元断を使うのは魔力枯渇が不安な魔力量しか残っていない。火魔法なら威力や回数にもよるけど、大抵の攻撃魔法を使える。
「よろしい。レンと言ったね。クイーンサンドワームの厄介なところはサンドワームを生み出す能力もあるが、何と言ってもサンドワームをはるかに超える回復能力だ。では、どうやって倒すのか。
――跡形もなくなるように攻撃をすればよいのだ。私が攻撃したあとに火魔法で焼き尽くしてくれ」
そういうとフライヤさんは空中に浮かんで言った。
「レナールは少し離れておいた方がいいぞ」
「言われなくてもそうするつもりだったよ!」
何だかんだ言っても、レナールさんとフライヤさんの仲は良さそうだな。
「それでは行くぞ、クイーン!」
フライヤさんが両手を前に出す。クイーンサンドワームは消化液を空中のフライヤさんに飛ばしているけど、何でもないように躱している。空中でもすっごく動きが速いな。あれも魔法なのかな?
フライヤさんの両手にとんでもない魔力が集まっている。そしてその魔力がクイーンサンドワームに飛んでいく。
クイーンサンドワームの身体が大きな風の塊に包まれた。レナールさんを助けたときの感じに似ているけど、その規模が凄すぎる。
直径200mを超えるような風の塊だ。そしてその中では暴風が吹き荒れているようで、クイーンサンドワームの身体が切り刻まれているのが見える。
フライヤさんはその風の塊の周りを飛び回っている。踊っているかのような綺麗な姿で、飛び回りながら中のクイーンサンドワームを更に切り刻んでいるようだ。
「それじゃ解除するよ」
フライヤさんが魔法を解除すると、そこには細切れになったクイーンサンドワームの姿があった。
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