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第4章 帝都アウシルバード編
71 ネイスエル女王国へ
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「お待たせ。バッチリできたわよ」
僕たちが散歩を終えてナディア様のところに戻ると、ちょうど魔道具が完成したところだった。
「水に入るときはこのベルトを装着してね。このバックルのところに特別な魔石を使っているからここに魔力を流すこと。水の中にいる間は、今あなたが使っている障壁魔法の……そうね。4割程度の魔力を魔道具に流してちょうだい」
なるほど。水の中にいる間は、常に使っている障壁魔法のための魔力を6割程度に落として、4割を魔道具に流すということか。
「分かりました。魔力を調整して使ってみます。そうしたら海の底まで行けるのですか?」
ナディア様はニコッと微笑んで答える。
「ええ。海の底まで行っても大丈夫よ。この魔道具の効果は2つ。人族のあなたでも水中で呼吸ができて、どんなに深いところまで潜っても大丈夫ということ。もう1つは水の中で自由に行動ができるようになること。その大きなメリットの代わりにデメリットも2つ。1つは魔道具を使うために多くの魔力を必要とすること。普通の魔道具は魔石の魔力が空になると、魔力を充填して使うものだけど、この魔道具は絶えず魔力を流しておかないといけないわ。それともう1つはこの魔道具が使える期間は1週間だけ。1週間経つと壊れてしまうから注意するのよ」
なるほど。メリットが2つに、デメリットが2つね。きっちり覚えました。
『我らが望んだ性能を持つ魔道具に違いないが、デメリットが大きいな。まさか手を抜いてはおらんだろうな』
「失礼ね! 魔道具作りで手を抜くようなことはしないわよ。なるべく急いで作らないといけなかったでしょうし、手持ちの魔石で作れる最高のものを作ったわよ。レン君の魔力を見る限り、障壁魔法の4割程度は問題無いでしょうし、アクアに会いに行くのに1週間もあれば十分でしょう? 性能とのバランスを考えたら問題無いと思うのだけど?」
『ふむ。確かにお主の言うとおりだな。失礼な発言は詫びる。そして魔道具を作ってくれたことに感謝する』
「別にそこまで感謝されることじゃないわよ。事前に伝えてもらえてたのなら、もっと良いものが作れたと思うしね。でも今回の使用目的ならこれで十分と思うわよ」
30分でこんな魔道具を作れるなんてすごいことだよね。オーダーメイドの魔道具なんて贅沢すぎるよ。あっ! いけない、忘れてた。
「ナディア様、魔道具を作っていただきありがとうございました。それでお代はいくらになるのでしょうか?」
「フフッ! お代ね。いくらもらっちゃおうかしら? ……なんてね。ウソよ。最初に言ったでしょ。お祝いって。あなたにプレゼントするわ」
「えっ? いいんですか? こんなにすごい魔道具をもらえるなんて」
『レンよ、素直に好意に甘えておけ。もしその魔道具が市場に出たのなら金額が付けられないぐらい高価なものだぞ』
「やっぱりそうだよね。とんでもない魔道具だってことは僕にも分かるよ。それをもらえるなんて嬉しいけど、申し訳ないような……」
「あら。本当に気にする必要ないのよ。そうね。それならこうしましょう。あなたたちは大龍穴を廻っているのでしょう? 5か所全て廻ったあとは、2人ともまた私に会いに来てちょうだい。それがお代の替わりね」
えっ。そんなことでいいの? むしろ魔道具のスペシャリストであるナディア様に会えるのは僕の方がありがたいぐらいなんだけど。色んな知識が増えるしさ。
「僕は構いませんし、それがお代だなんて申し訳ないぐらいですけど、ルシアが連れてきてくれないと来れないので……ルシアはどう?」
『何かのお礼はしなければならないと思っていたゆえ、それが希望なら断る理由はない。大龍穴を廻ったあとで寄らせてもらおう』
「それじゃ決まりね! 来客なんてめったにないから予定が入るだけで嬉しいわ。それで他に用事はないのかしら?」
ナディア様がニコッと問いかけてくる。
『我の用件はその魔道具だけだ。レンは何かあるか?』
「僕も用事は無いけれど……ナディア様に1つ聞きたいことがあります」
「何かしら?」
「この島はどうやって飛んでいるのですか? すごい魔法とかでしょうか?」
僕はこの島を見たときから気になってた、なんで島が飛ぶのかを尋ねてみた。
「ああ! そうね。島が飛んでいるのはおかしいものね。普通のことになっててその感覚を忘れていたわ。
まず魔法というのは正解よ。島が空に浮かぶための魔法を使ってる。でもそれは大きな要素ではないわ。一番重要なのはこの島が大きな魔石だということね」
「えっ! この島って魔石でできてるんですか?」
「そうよ。巨大な魔石に浮遊する魔法を維持させるようにして、そこに自然や住むところを作ったのよ。言い換えれば、島の形をした魔道具ってこと」
なんと……。こんなに大きな魔石があるなんて想像もしなかったよ。島自体が魔道具なんて驚きを通り越しちゃうよね。
「島自体が魔道具なんて考えもしませんでした。浮遊する魔法というのも初めて聞きましたし。教えていただいてありがとうございます」
「どういたしまして。また今度来たときはゆっくりしていってね。色々お話ししましょう。
それと浮遊する魔法はあなたなら使うことができるようになると思うわよ。そこの先生から教わるといいわ」
そう言うとナディア様がルシアに向かってウインクをした。ルシアは渋い顔をしている。
『お主から言われるまでもなく教える予定にしておる。そのためにも水中に行くのは都合がよいと思っているのだ。用件は済んだ。時間も少ないことだし我々は出発するぞ』
「はいはい。先生はせっかちね。それにしても……なるほどね。水中で浮遊の魔法の練習か。流石によく考えてるわね。では、いってらっしゃい。アクアによろしくね」
『我は水の大龍穴の確認をするだけだ。それが終われば次の大龍穴に向かうのみ。ネイスエル女王国で美味いものは食べるがな』
「ナディア様、本当にありがとうございました。またお会いできるのが楽しみです」
「レン君、修行頑張ってね。坊やと一緒だから危ないことはないと思うけど、無理はしないようにね」
「ありがとうございます。頑張ってきます!」
ナディア様の言葉にすごく温かい気持ちが込められてる気がしたな。安心感に包まれたように感じたよ。でも後ろからは嫌な感じが漂ってくる……
『だから、坊や扱いはするなと言っておるだろう。ばあさんだから分からないのか』
やめてくれるかな? あなたたち2人がにらみ合うと、周りの温度が冷え込んだ感覚が襲ってくるぐらい怖い空気なんですよ……。
「まあ、とにかく旅の無事を祈ってるわ。きちんと会いに来なさいよ」
『それは分かっておる。レンよ、出発するぞ』
ルシアは龍形態になり、僕は背中に乗って島を飛び立った。
ちょうど日も暮れ始めて暗くなってきたので、地上に下りてルシア特製のログハウスで休むことにした。久しぶりだけど、このログハウスはやっぱり快適だね。
いよいよ明日はネイスエル女王国だ。どんなところか楽しみだな。
僕たちが散歩を終えてナディア様のところに戻ると、ちょうど魔道具が完成したところだった。
「水に入るときはこのベルトを装着してね。このバックルのところに特別な魔石を使っているからここに魔力を流すこと。水の中にいる間は、今あなたが使っている障壁魔法の……そうね。4割程度の魔力を魔道具に流してちょうだい」
なるほど。水の中にいる間は、常に使っている障壁魔法のための魔力を6割程度に落として、4割を魔道具に流すということか。
「分かりました。魔力を調整して使ってみます。そうしたら海の底まで行けるのですか?」
ナディア様はニコッと微笑んで答える。
「ええ。海の底まで行っても大丈夫よ。この魔道具の効果は2つ。人族のあなたでも水中で呼吸ができて、どんなに深いところまで潜っても大丈夫ということ。もう1つは水の中で自由に行動ができるようになること。その大きなメリットの代わりにデメリットも2つ。1つは魔道具を使うために多くの魔力を必要とすること。普通の魔道具は魔石の魔力が空になると、魔力を充填して使うものだけど、この魔道具は絶えず魔力を流しておかないといけないわ。それともう1つはこの魔道具が使える期間は1週間だけ。1週間経つと壊れてしまうから注意するのよ」
なるほど。メリットが2つに、デメリットが2つね。きっちり覚えました。
『我らが望んだ性能を持つ魔道具に違いないが、デメリットが大きいな。まさか手を抜いてはおらんだろうな』
「失礼ね! 魔道具作りで手を抜くようなことはしないわよ。なるべく急いで作らないといけなかったでしょうし、手持ちの魔石で作れる最高のものを作ったわよ。レン君の魔力を見る限り、障壁魔法の4割程度は問題無いでしょうし、アクアに会いに行くのに1週間もあれば十分でしょう? 性能とのバランスを考えたら問題無いと思うのだけど?」
『ふむ。確かにお主の言うとおりだな。失礼な発言は詫びる。そして魔道具を作ってくれたことに感謝する』
「別にそこまで感謝されることじゃないわよ。事前に伝えてもらえてたのなら、もっと良いものが作れたと思うしね。でも今回の使用目的ならこれで十分と思うわよ」
30分でこんな魔道具を作れるなんてすごいことだよね。オーダーメイドの魔道具なんて贅沢すぎるよ。あっ! いけない、忘れてた。
「ナディア様、魔道具を作っていただきありがとうございました。それでお代はいくらになるのでしょうか?」
「フフッ! お代ね。いくらもらっちゃおうかしら? ……なんてね。ウソよ。最初に言ったでしょ。お祝いって。あなたにプレゼントするわ」
「えっ? いいんですか? こんなにすごい魔道具をもらえるなんて」
『レンよ、素直に好意に甘えておけ。もしその魔道具が市場に出たのなら金額が付けられないぐらい高価なものだぞ』
「やっぱりそうだよね。とんでもない魔道具だってことは僕にも分かるよ。それをもらえるなんて嬉しいけど、申し訳ないような……」
「あら。本当に気にする必要ないのよ。そうね。それならこうしましょう。あなたたちは大龍穴を廻っているのでしょう? 5か所全て廻ったあとは、2人ともまた私に会いに来てちょうだい。それがお代の替わりね」
えっ。そんなことでいいの? むしろ魔道具のスペシャリストであるナディア様に会えるのは僕の方がありがたいぐらいなんだけど。色んな知識が増えるしさ。
「僕は構いませんし、それがお代だなんて申し訳ないぐらいですけど、ルシアが連れてきてくれないと来れないので……ルシアはどう?」
『何かのお礼はしなければならないと思っていたゆえ、それが希望なら断る理由はない。大龍穴を廻ったあとで寄らせてもらおう』
「それじゃ決まりね! 来客なんてめったにないから予定が入るだけで嬉しいわ。それで他に用事はないのかしら?」
ナディア様がニコッと問いかけてくる。
『我の用件はその魔道具だけだ。レンは何かあるか?』
「僕も用事は無いけれど……ナディア様に1つ聞きたいことがあります」
「何かしら?」
「この島はどうやって飛んでいるのですか? すごい魔法とかでしょうか?」
僕はこの島を見たときから気になってた、なんで島が飛ぶのかを尋ねてみた。
「ああ! そうね。島が飛んでいるのはおかしいものね。普通のことになっててその感覚を忘れていたわ。
まず魔法というのは正解よ。島が空に浮かぶための魔法を使ってる。でもそれは大きな要素ではないわ。一番重要なのはこの島が大きな魔石だということね」
「えっ! この島って魔石でできてるんですか?」
「そうよ。巨大な魔石に浮遊する魔法を維持させるようにして、そこに自然や住むところを作ったのよ。言い換えれば、島の形をした魔道具ってこと」
なんと……。こんなに大きな魔石があるなんて想像もしなかったよ。島自体が魔道具なんて驚きを通り越しちゃうよね。
「島自体が魔道具なんて考えもしませんでした。浮遊する魔法というのも初めて聞きましたし。教えていただいてありがとうございます」
「どういたしまして。また今度来たときはゆっくりしていってね。色々お話ししましょう。
それと浮遊する魔法はあなたなら使うことができるようになると思うわよ。そこの先生から教わるといいわ」
そう言うとナディア様がルシアに向かってウインクをした。ルシアは渋い顔をしている。
『お主から言われるまでもなく教える予定にしておる。そのためにも水中に行くのは都合がよいと思っているのだ。用件は済んだ。時間も少ないことだし我々は出発するぞ』
「はいはい。先生はせっかちね。それにしても……なるほどね。水中で浮遊の魔法の練習か。流石によく考えてるわね。では、いってらっしゃい。アクアによろしくね」
『我は水の大龍穴の確認をするだけだ。それが終われば次の大龍穴に向かうのみ。ネイスエル女王国で美味いものは食べるがな』
「ナディア様、本当にありがとうございました。またお会いできるのが楽しみです」
「レン君、修行頑張ってね。坊やと一緒だから危ないことはないと思うけど、無理はしないようにね」
「ありがとうございます。頑張ってきます!」
ナディア様の言葉にすごく温かい気持ちが込められてる気がしたな。安心感に包まれたように感じたよ。でも後ろからは嫌な感じが漂ってくる……
『だから、坊や扱いはするなと言っておるだろう。ばあさんだから分からないのか』
やめてくれるかな? あなたたち2人がにらみ合うと、周りの温度が冷え込んだ感覚が襲ってくるぐらい怖い空気なんですよ……。
「まあ、とにかく旅の無事を祈ってるわ。きちんと会いに来なさいよ」
『それは分かっておる。レンよ、出発するぞ』
ルシアは龍形態になり、僕は背中に乗って島を飛び立った。
ちょうど日も暮れ始めて暗くなってきたので、地上に下りてルシア特製のログハウスで休むことにした。久しぶりだけど、このログハウスはやっぱり快適だね。
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