999本のバラを君に

恋桜苺

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その3-2 ~片栗サイド~

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その3-2 ~片栗サイド~


 あの時紫苑にどうしてあんな大見得を切ったのたろうと今更後悔している。どうせ鉛筆をコロコロ転がして出てきた数字を塗りつぶしただけなのに。今回はワークシートだったから出来ると思ったのにな。何回ついたのかもう分からないため息をつきながら家への道を歩く。
「はあ、帰りたくないな。」
 家に近付くにつれどんどん足取りが重くなるのを自分でも実感できる。今日は家に母がいる。そう考えるだけで喉の奥から異物が出てきそうになる。別にテストの点数が悪かった事に対しては何も言われない。むしろ母も僕にそこまで興味が無いだろう。
 今、紫苑がいたらとっても楽になるかもしれないのにな。紫苑と会えたのはとてもいい事だった。気付けば今自分は紫苑の事を考えている。
 明日もあの道にいるのだろうか。また学校に一緒に行けるだろうか。学校では何を話そう。そうだ明日から弁当だ、一緒に食べたいな。と考えてしまう。
 まるで恋している女子の様だ。
「ははっ、恋か。僕にそんな事出来ないな。」
 そんな事を呟きながら家の門をくぐった。
「ただいま。」
 そんな声が1つポーンと家の中に響いた。家に母はいるようだ。靴があった。リビングに行くと机に置き手紙が置いてあった。内容は
ーー帰ってきて、お腹が減ったら冷蔵庫に入っているものを適当に食べていて下さい。決して私の部屋には入らないように。物音をたてないでください。
 こんな内容だった。父はいない。4年前に母と離婚し僕は父と離れた。会いに行くことも出来るが、父には再婚相手がいる。その人との子供もいる。2年ほど前にはよく会いに行っていたが今はもう会っていない。 
 いつものように焼きおにぎりあたりをレンジに入れて温める。それを食べた後風呂に入って部屋の消灯をして自分の部屋で寝る。
 いつも通りの日常。それでも心のどこかにぽっかりと穴が空いたような感覚に良くなる。別に虐待を受けている訳では無い。むしろ普通に母とは接せている。それでもやっぱり何かが足りない。寂しいのだ、
「ううっ…寂しい。寂しいよ…。ひっく…ううっ。」
 今日もまた僕は人を信じれず1人で枕を濡らす。
 明日は誰かを信じれる事を祈りながら。
 
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