結婚させられたくないので魔導騎士団に入団しますっ!

モー子

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序章

2-2

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『何の為にっ……ソフィー達に寂しい思いを強いてきたというのに…くそっ!』

"ガタンっ!!"

『クソッ何でだ……うまく隠せていると……油断していた』
『旦那様、言葉遣いがなってませんよ…』

声を荒げ、机を叩いているであろう騒音が響いてくる。荒ぶるバーナードに相対している出切る執事のユニは、実に冷静に会話している。

『くそっ!!……わかっているだろう……元々上品な産まれでもないんだっ』
『…まったく…、ここにいる間だけですよ……して、ソフィア様はなんと……?』

『……』
『……』
『……はぁ』

少しの無言が続き、ため息が1つきこえた。

『ソフィーは、責任を感じている』
『寝込まれましたか……』

 ――母様…っ

『ああ』
『ソフィア様の事もあります。何か抜け道が…』

 ――母様の??

『いや…ソフィーは物心つく前から準備していた……されていたし……少々状況も違うだろう……』
『……あちら側に、最大の味方もおりましたしな』

話しが深刻になりそうな予感に、セリーナは金色の髪を耳にかけ乍ら魔具に顔を寄せた。

『ただ、まだセリーナの本当の色は知られていないはずだ』
『では、強制は逃れようもあるというものでは?』

 ――色?

『…だといいのだがな』
『どういうことでしょうか』

『王の前に立てば、ソフィーの魔法で守る事が難しくなる』
『では謁見すれば、すべて……暴かれてしまうと言うことですね』

『ああ。今のソフィーの魔力では王の前でまでは難しいだろう。保険かけてあるがな…。色がバレてしまう事をギリギリまで伸ばしたところで、ソフィーとヒューバートしかいないとなっていたガーランドの直系が、…色が違えどその血を引いた娘がいると知れれば、回りの馬鹿共も……五月蝿くなるだろう』
『頭の悪いかたがたは色が違えば尚の事、熱心でしょうな…ガーランドの血が欲しい方々は多いですからね』
 
 ――魔力?
 ――母様の?

魔具の先では、中年の男2人がため息交じりに話し込んでいる。憤りの色が見える会話だ。

『王家以外が血を混ぜたとて、無駄な事なのだがな…貴族には馬鹿が多すぎる……ソフィーも苦労したしな……』
『……左様でしたね』

『なにより、魔力の消耗が増せばソフィーの身体も心配だ』
『もっともな事ですね』

 聞き耳を立てていたセリーナもはっと息をのんだ。
6歳にもならない頃分かれてそのまま、会う事も叶っていない母ソフィア・フィビー・スペンサー。母の存在はセリーナにとって何よりも大切なものだ。その母は男爵である父の治める領地の大元であり、母の実家でもある侯爵家、ガーランド侯爵家の本邸で静養をしている。

 セリーナの父であるバーナード・S・スペンサー男爵は、当時第2王子であった人物と婚姻を進められている母と結ばれる為、恵まれた商才を活かし財力で王国に恩を売り、男爵の地位を得た上で母の実家の侯爵家から領地を分け与えられ、なんとか侯爵家の令嬢であった母を娶ったという結構すごい事をした人物らしい。それも、母の産む子供を侯爵家の跡取りとして迎える事を条件にだが。

 ――ずっと閉じ込めてたくせに、いきなり結婚させるってあんまりじゃないっ!?
 ――っていうか、お父様と母様は見ず知らずの人に憧れられるような大恋愛して、結婚したくせに…ずるいっ
 ――なんで……なんで、あたしっ!?

 ――外に出れないせいで、母様にだって会う事が出来ないんだしっ
 ――お父様なんか、どうせいつも母様のところに帰っているくせに……ずるいっ

なんだか体に熱が集まってきてしまう。怒りに身体が反応してしまっているのかもしれない。身体の熱が上がるとともに、セリーナの魔力が揺れてしまった。
 
 ”ゴトッ”

 ――っ!!
 ――しまったぁっ

『!! ……セリーナか…聞いていたか…』

高ぶったセリーナの魔力が部屋に張り詰め、魔具をとおして父の部屋に隠していた魔具の片割れを揺らしてしまったのだ。
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