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琥珀・もうすぐ14歳・♀・遊び人Lv.1!
にじゅ。『キールさんとギルマスが話している間も、チルちゃんは脳内自動変換を施していた』──便利スキルが進化したよ!
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🧚
キールさんとギルマスが話している間も、チルちゃんは脳内自動変換を、私は勿論、森人のお姫さまの膝の上のチットちゃんを通じて彼女にも施していた。
おかげで、キールさんがいちいち解説する必要がない。
──❂チルの技能【同調】がレベルアップしました
能力が拡張されて、同族間で複数対象に共有できるようになりました。
ほわぁ。てか、召喚主であるらしいところの私との、スペックの差がどんどん出てきたなぁ……
〈この子達は、とても優秀なのですね〉
ギルマスにも通じるように、チルちゃんは今、ギルマスのソファの後ろに立っているアミナさんにも触れるよう伸びながら、ギルマスの頭の上にいる。
これで、ギルマスとアミナさんにも同時通訳しているらしい。
「しかし、驚くほど素晴らしい便利能力だな? チルさんよ」
〈任せるにゃー〉
誰にでも出来る訳ではなく、私が信頼している人物で、妖精魔法に適性がある体質である事が条件らしい。
精霊術士のターレンさんは、元々精霊魔法と融和性があるので可能だったけど、残念ながら、ナーヴさんは、チットちゃんやチルちゃんを載っけてもダメだった。
恨めしげに通常業務に戻る背中が哀愁漂ってたな。
森の異変、それも野生動物だけでなく精霊もとなったので、ターレンさんも同席してもらっている。何か意見を訊く事があるかもしれないから。
ターレンさんは、見た目は人間そのものだけど、ハーフエルフなんだそうで、自身の使役している精霊とチルちゃんをリンクさせる事で、会話に支障がない。ハーフエルフだから精霊術が上級なのね。もちろん、ご本人の技能研鑽もあってのことだけれど。
「ギルドマスター ラディウス・アルゲントゥム。無理を承知でお願いしたい。依頼したい内容はふたつ」
「ふたつもあるのか? 体が足りるかな」
戯けたように言うギルマスにも怯まず、姿勢をただしまっすぐに見つめて述べるキールさん。
まわりも茶々を入れない。
「まず第一に、こちらの姫君ルーナ・レーニス様を保護していただきたい」
〈キール!? 私は、皆を残して一人で安全な場所にいるなど……!!〉
〈貴女は、一族の希望です。長の血族すべてが儚くなってしまえば、郷を維持出来なくなります〉
〈……!! それは〉
「お姫さんは納得してないようだが、いいのか?」
「一族の総意ですから」
「ふぅん。で? ふたつ目は?」
先を促す、余裕ある態度のギルマスに対し、一度喉を鳴らし、アミナさんにの用意した香草茶に喉を潤してから、意を決したように答えるキールさん。
「山の異変の調査を手伝ってほしい。可能なら収めて、元の緑豊かで静かな森に戻る手立てを講じるのをも協力してもらえるとありがたい」
キールさんとギルマスが話している間も、チルちゃんは脳内自動変換を、私は勿論、森人のお姫さまの膝の上のチットちゃんを通じて彼女にも施していた。
おかげで、キールさんがいちいち解説する必要がない。
──❂チルの技能【同調】がレベルアップしました
能力が拡張されて、同族間で複数対象に共有できるようになりました。
ほわぁ。てか、召喚主であるらしいところの私との、スペックの差がどんどん出てきたなぁ……
〈この子達は、とても優秀なのですね〉
ギルマスにも通じるように、チルちゃんは今、ギルマスのソファの後ろに立っているアミナさんにも触れるよう伸びながら、ギルマスの頭の上にいる。
これで、ギルマスとアミナさんにも同時通訳しているらしい。
「しかし、驚くほど素晴らしい便利能力だな? チルさんよ」
〈任せるにゃー〉
誰にでも出来る訳ではなく、私が信頼している人物で、妖精魔法に適性がある体質である事が条件らしい。
精霊術士のターレンさんは、元々精霊魔法と融和性があるので可能だったけど、残念ながら、ナーヴさんは、チットちゃんやチルちゃんを載っけてもダメだった。
恨めしげに通常業務に戻る背中が哀愁漂ってたな。
森の異変、それも野生動物だけでなく精霊もとなったので、ターレンさんも同席してもらっている。何か意見を訊く事があるかもしれないから。
ターレンさんは、見た目は人間そのものだけど、ハーフエルフなんだそうで、自身の使役している精霊とチルちゃんをリンクさせる事で、会話に支障がない。ハーフエルフだから精霊術が上級なのね。もちろん、ご本人の技能研鑽もあってのことだけれど。
「ギルドマスター ラディウス・アルゲントゥム。無理を承知でお願いしたい。依頼したい内容はふたつ」
「ふたつもあるのか? 体が足りるかな」
戯けたように言うギルマスにも怯まず、姿勢をただしまっすぐに見つめて述べるキールさん。
まわりも茶々を入れない。
「まず第一に、こちらの姫君ルーナ・レーニス様を保護していただきたい」
〈キール!? 私は、皆を残して一人で安全な場所にいるなど……!!〉
〈貴女は、一族の希望です。長の血族すべてが儚くなってしまえば、郷を維持出来なくなります〉
〈……!! それは〉
「お姫さんは納得してないようだが、いいのか?」
「一族の総意ですから」
「ふぅん。で? ふたつ目は?」
先を促す、余裕ある態度のギルマスに対し、一度喉を鳴らし、アミナさんにの用意した香草茶に喉を潤してから、意を決したように答えるキールさん。
「山の異変の調査を手伝ってほしい。可能なら収めて、元の緑豊かで静かな森に戻る手立てを講じるのをも協力してもらえるとありがたい」
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