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アレフ達と別れてから初めてのダンジョンです!
じゅうご。『ケルピーちゃんが、サラピーちゃんに喧嘩を売るような事を言い出した』──まあ、喧嘩するほど仲がいいっていうよね?
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🔥
ケルピーちゃんが、サラピーちゃんに喧嘩を売るような事を言い出した。
〈貴様⋯⋯ タカダカ海馬ゴトキガ、コノ俺様ニ喧嘩ヲ売ッテルノカ?〉
〈その、たかだかケルピーごときにも出来る、仮主の魔力を受けとる事が、自称聖なる熾火サマに出来ないとは、笑いを通り越して、呆れる話だな?〉
そのまま、水棲妖精と焰の精霊との喧嘩になる。
私には熱を感じない炎を噴き上げ、激しく揺れながらケルピーちゃんを睨みつけ、宙に浮くサラピーちゃん。
対して余裕があるのが、チットちゃんの背中に半分埋まった瓶の中から、ちょこんと顔だけ出して馬の嘶きのような笑い声を上げるケルピーちゃん。
この馬の嘶きのような笑い声、ウヒヒヒヒーンが、これまた妙に莫迦にされてる感のあるカン高さで、サラピーちゃんの炎はますます高く大きく噴き上がる。
ボッ ボッ ボボッ
まわりの灌木の枝の先や、小石の先端などに、火が点っていく。
基本的に、能力値やランクが同じであれば、肉体を持ち妖精魔法を扱う妖精よりも、元素の力・精気そのものの精霊の方が上位種である。
妖精が、火の魔法を使うとする。上位種の精霊が、魔素に働きかけ、魔法の効果を無効化・発動を阻害すれば、魔法は不発になる。
対魔法戦では、圧倒的に精霊の方が有利なのだ。
サラピーちゃんの怒気に反応した火精や火霊が暴れ出し、火の子が舞い始めるが、ケルピーちゃんが飛ばした水球が、ひとつふたつと消火していく。
両者の睨み合いがそのまま続くかと思われたけど、突然の闖入者により終了することになる。
ケルピーちゃんのお水じゃない何かが飛び込んできて、サラピーちゃんの焰を集めて行くのだ。
一見、ただのちょっと大きい試験管。
コルクの栓はついておらず、サラピーちゃんのまわりに浮かぶ火精の塊を吸い込んでいく。
〈ほら、仮主。向こうから来てくれたぞ?〉
どうやら、試験管は、件の錬金術士が放った魔族とのキメラで、その試験管の後ろに佇む巨大な獣が、この下層の管理者だろうか。
チルちゃんの【鑑定】スキルが連動して、その巨大な獣のそばに文字として浮かんだ。
*****
ベヒモス
❈種族❈
魔族(巨獣) 属性:地・魔
❈称号❈
【食す者】無限に食べ尽くす
【飲む者】何でも飲み込む
❈能力値❈
HP:特大(人間に比べて)
MP:大
膂力:大
体力:特大
魔力:中
精気: 大
気力: 小
運気:小
❈技能❈
【力溜め】力をためて一気に放出する
【咆える】魔素を含んだ咆哮で能力値を上げる
*****
「ベヒモスって魔族なんですね。魔獣とか神獣とかかと思ってました」
「信仰する神によって、対象が神にも魔にもなるんじゃない?」
山猪のような短く硬い鬐が背中まで伸び、細かく短い毛に覆われた肩の張った大きな身体は、前に曲がって伸びた鋭い角も相まって、牛のようにも猪のようにも見えた。
ケルピーちゃんが、サラピーちゃんに喧嘩を売るような事を言い出した。
〈貴様⋯⋯ タカダカ海馬ゴトキガ、コノ俺様ニ喧嘩ヲ売ッテルノカ?〉
〈その、たかだかケルピーごときにも出来る、仮主の魔力を受けとる事が、自称聖なる熾火サマに出来ないとは、笑いを通り越して、呆れる話だな?〉
そのまま、水棲妖精と焰の精霊との喧嘩になる。
私には熱を感じない炎を噴き上げ、激しく揺れながらケルピーちゃんを睨みつけ、宙に浮くサラピーちゃん。
対して余裕があるのが、チットちゃんの背中に半分埋まった瓶の中から、ちょこんと顔だけ出して馬の嘶きのような笑い声を上げるケルピーちゃん。
この馬の嘶きのような笑い声、ウヒヒヒヒーンが、これまた妙に莫迦にされてる感のあるカン高さで、サラピーちゃんの炎はますます高く大きく噴き上がる。
ボッ ボッ ボボッ
まわりの灌木の枝の先や、小石の先端などに、火が点っていく。
基本的に、能力値やランクが同じであれば、肉体を持ち妖精魔法を扱う妖精よりも、元素の力・精気そのものの精霊の方が上位種である。
妖精が、火の魔法を使うとする。上位種の精霊が、魔素に働きかけ、魔法の効果を無効化・発動を阻害すれば、魔法は不発になる。
対魔法戦では、圧倒的に精霊の方が有利なのだ。
サラピーちゃんの怒気に反応した火精や火霊が暴れ出し、火の子が舞い始めるが、ケルピーちゃんが飛ばした水球が、ひとつふたつと消火していく。
両者の睨み合いがそのまま続くかと思われたけど、突然の闖入者により終了することになる。
ケルピーちゃんのお水じゃない何かが飛び込んできて、サラピーちゃんの焰を集めて行くのだ。
一見、ただのちょっと大きい試験管。
コルクの栓はついておらず、サラピーちゃんのまわりに浮かぶ火精の塊を吸い込んでいく。
〈ほら、仮主。向こうから来てくれたぞ?〉
どうやら、試験管は、件の錬金術士が放った魔族とのキメラで、その試験管の後ろに佇む巨大な獣が、この下層の管理者だろうか。
チルちゃんの【鑑定】スキルが連動して、その巨大な獣のそばに文字として浮かんだ。
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ベヒモス
❈種族❈
魔族(巨獣) 属性:地・魔
❈称号❈
【食す者】無限に食べ尽くす
【飲む者】何でも飲み込む
❈能力値❈
HP:特大(人間に比べて)
MP:大
膂力:大
体力:特大
魔力:中
精気: 大
気力: 小
運気:小
❈技能❈
【力溜め】力をためて一気に放出する
【咆える】魔素を含んだ咆哮で能力値を上げる
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「ベヒモスって魔族なんですね。魔獣とか神獣とかかと思ってました」
「信仰する神によって、対象が神にも魔にもなるんじゃない?」
山猪のような短く硬い鬐が背中まで伸び、細かく短い毛に覆われた肩の張った大きな身体は、前に曲がって伸びた鋭い角も相まって、牛のようにも猪のようにも見えた。
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