異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました

ピコっぴ

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Ⅲ.女神の祝福を持つ少女たち

92.収穫祭②暦

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 「よく似合うよ。シオリ。成人おめでとう。来月の8日で15歳だね。これからは、立派なレディとして扱わなければね」

 そう言って、カインハウザー様、が、たぶん、祝福? 祝ってくれたんだと、思う。

 けど、なんか、あった、よね? 気のせい、かな⋯⋯

「さあ、食事の後は、収穫祭だよ。楽しみにしてたんだろう?」
「はい」

 収穫祭!!

 この国の暦は、地球と微妙にズレている。
 一日は25時間。
 一週間は8日間。天・地・火・風・水・樹・闇・聖で、天曜日とか火曜日とは言わず、それぞれ「天の日」「地の日」と呼び数える。
 ちなみに最後の聖の日は安息日で、お店やお役所もお休みになる。

 ひと月は4週間。地球なら1ヶ月で720時間だけど、ここだと800時間なので、一月二月と進んでいくと、カレンダーの数字的にはだんだんズレてくるのだ。こちらの三月の三日は地球の三月10日、こちらの七月七日は地球の八月28日だ。
 毎月32日あって、十一ヶ月しかない。でも、一年は352日だけど一日は25時間だから、地球の366日分だ。一年間の総時間数はあまり変わらない。

 今日はこの国の、九饒の月の最終日32日である。九月の晦日みそかを九月尽と呼び、毎年収穫祭が行われる。
 天文学や暦、年中行事などの知識は、大神官達に刷り込まれた中にちゃんとある。
 
 九饒の月32日は、時間計算してみると、地球の10月27日である。ハロウィンより数日早いね。
 そして明日、霜夜の月初日(地球での10/28)に聖霊祭と、神農の月24日(地球でも12/24)に新年を迎える前に、神界で慰労会いろえに集まる神に供物を捧げて祈り静かに過ごすのも、なんか地球の行事と似てる?

 10月31日にハロウィンで11月1日が万聖節と、こちらの九月32日に収穫祭で10月1日が聖霊祭。
 12月22日前後の冬至に農業・医薬、音楽などの神様を祀り無病息災を願って、赤豆餅や酒肴盛饌の具を整えて賀宴を催すものと、こちらの11月24日(12/24)に、神界へ帰って新年にむけて慰労会いろえをする神々に供物を捧げて、無病息災と新年の恵みを願い、神のいない一週間を無事に過ごせるよう祀り静かに祈る日。

 不思議と宗教や季節の歳時などは似るものなのかしら。

 今日の収穫祭で、今年成人する15歳の少年少女を祝うので、そこに混ぜてもらえるのかもしれない。

 だから、朝からピカピカに磨かれて新しいワンピースを着て、こんな、カインハウザー様にエスコートされてる、の?

 訳がわからないうちに、差し出された腕に私の手を添えないといけない雰囲気に持って行かれて、仕方なく、カインハウザー様に軽く頼る感じで館の正面階段を降りている。
 たぶん、朝食の為に、階下の食堂に行くのだと思うけど。
 なんか、気恥ずかしい扱いである。

「あら、シオリちゃん、おはよう。洗礼用のドレス、似合ってるわよ。午前中に成人儀礼と婚姻儀礼をいっせいにやるから、忙しくなるから今、ちゃんと食べてね」
「洗礼、ですか?」
「そうよ。今年15歳の青少年達は、あるじの祝辞のあとアルファ教会の司祭様の洗礼を受けて、成人儀礼に臨むの。それが終われば、今日から成人とみなされるわ。
 シオリちゃんはもう終わってるけど、午後から巣立ちの部屋にお引っ越しもあるから、みんな大変よね」

 この国では、成人すると一部の人を除き、独り暮らしを始める。そのための部屋は領主や国が手配するので、必ず全員どこかへ引っ越さねばならない。まだまだ家族の元で甘えたい年頃だけど、成人した者として、自立心を養うためらしい。
 ちなみに、日本と違って、成人とみなされる以上、15歳でも結婚は出来るらしい。飲酒や喫煙なども可能となる。

 食堂には、たっぷりの蜂蜜がけの花蕾と蜜酒でほろ酔い気分のサヴィアンヌと、昨夜のお酒が抜けてなさそうなドルトスさんがいた。
《ん~、シオリ! 成人おめでとう~♫ ワタシからは、オイワイはぁ、祝福をあげるワネ~》
「おいおい、妖精王さんよ、酔っ払って、変な魔法かけないだろうな?」
《シツレーね!! これでもこの辺一帯の妖精族を束ねる王ヨ? シッパイする訳ないデショ?》

 昨日の、羽衣の生地で出来たインナードレスの代価の蜜酒が届いたのね。楽しそう。
 アリアンロッドもそこに居るし、フィリシアもにこやかにそこに居た。

 ──だけど

「シーグは?」




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