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👿私は『天使』で『悪魔』な悪役令嬢?
✡3 大事な日の前日だった!?
しおりを挟む私と同じ、公爵位を賜っている父親を持ち、顔はいいのにちょっとぽっちゃりで気の強い令嬢が、とある侯爵家の子息を見初めた。
気をひきたいのがあからさまで、チョロチョロとまわりをウロついたり、茶席に用意されたお菓子を勧めたり、綺麗にセットされた髪をいじって褒められ待ちをしてみたり。
だが、あいにくその子息は『天使』の私にご執心であった。
だから、その令嬢の前で子息に甘えてみたり、習ったばかりのダンスを(仮想パートナーの一人ダンスで)披露して、いつか機会があれば踊りましょうねと微笑んでみたりした。
ぽっちゃり令嬢は赤猿のように真っ赤になって悔しがっていたっけ。
ちなみにその令嬢は、他の侯爵家や伯爵家の令嬢達に対して、家格の序列が下なのだからとメイドのようにこき使ったり、その子達が仲良く話していた子息との会話に強引に割り込んで令嬢達を貶める内容の話題を持ち出したり、その上であちらの菓子を食べようと子息達を連れ去って独占したりしていたのだが、そのやり口が気に入らなかったのだ。
彼女のように他を貶めるようなやり方ではなく、自分の好かれる部分を控えめにそれとなくアピールして好感度を上げるやり方だったので、自分と比較して余計に悔しかっただろうと思う。
なので、彼女とその取り巻きの、上位貴族の令嬢たちにも敬遠されていた。
ダンスをしようと(守るつもりもない)約束をしたからか、そういった子息を持つ貴族家から幾つか婚約話が持ち上がったらしいのだけど⋯⋯
「○○家の子息がルシェを気に入ったらしく、婚約をさせたいと言ってきたのだけど、ルシェはどうかな? 将来、お嫁さんになりたいと思うかい?」
高位貴族ともなれば、幼少時から婚約者が決まっていたりする事は少なくない。
家同士の繫がりを持つための契約であり、そこに当人達の意思は関係ない。
けれど「私の天使」と呼んで大切にしてくれる父は、必ず私に打診してきた。
「ごめんなさい、お父さま。私にはもったいないお話です。それに、まだ7つですから、結婚できるようになるまでの長い間、お相手のお気持ちを留めておける自信などありません」
と伏し目がちに言えば、父は嬉しげに頷き、カドが立たないようにうまく断りを入れてくれた。
公爵家の娘として、どこそこに嫁げ、と無理強いはしてこない人のいい両親。
2つ下の妹も同じく、婚約者を押しつけられはしなかった。
前々年にやっと生まれた待望の弟が一歳の祝いも終え今年で2歳。衰弱することなく育つと確信が持てるようになり、私は婿をとって家名を継がなくてもよくなったのも大きいだろう。
10歳で本格的に茶会に顔を出すようになって社交に力を入れ始めるまで、隠れた『悪魔』の私は陰の女王のごとくうまくやって来た。
思い出した。
今週末は、その10歳の貴族子息令嬢を集めて、王家主催の親睦茶会があるのだ。
デビュタントまで夜会に出ることはないけれど、そこでいきなり社交界に出て恥をかいたり問題を起こしたりしないように、また顔見知りを作るためにも、今年10歳になる子供達を総て王宮の宴席に集めて、国王のお言葉を賜るのである。
貴族としての大切な心構え、騎士や使用人などの仕える者や守るべき領民への、義務と権限などについても教えられる。
いわゆるノブレス・オブリージュと言うやつである。
これにより、今後そういった教育を受けていないという言い訳は立たなくなる。
10歳ならそれくらい理解できて然るべきだし、跡取りに限らず、嫡出子庶子関係なく、すべての貴族の子息令嬢が参加するものなのだから──
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