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【萌々香 Ⅱ】
📵3 チートっぽい?
しおりを挟む最初こそ、御遣い様と呼び丁寧に扱ってくれていたけれど、 この限りなく白に近い白金髪は精霊の守護のない無能力者として貶まれるみたいで、魔道具使いの下級巫女や使用人達以外、扱いがぞんざいになって来た。
早かったなー、変わり身。
着る物も、作業中汚れるからと、深緑や焦げ茶、紺色の作務衣みたいな作業着と、寝間着に白い長襦袢のようなガウンっぽい物を与えられてるだけ。
一日着た物は、窓際の壁に釘を打って掛けておくと精霊達が夜中に洗ってくれてるから洗濯による傷みがなく、いつでも新品同様の着替えに一部の人達は首を傾げる。でも、突っ込んでは来ないからありがたい。
ま、訊かれても私の日本語が通じないんだけどね。
また、一度も洗濯物を出さない事に言及もない。私がどう過ごしているのか気にならないあたり、本当に放置されてるんやな。
一色(一属性)の精霊しか憑いてない愛唯達に比べると、そこかしこの精霊達がお手伝いしてくれる私の方が一見チートっぽいけど、使いこなしてないから結局無能力者の誹りに甘んじている。
──だからさー、ボクたちと友達の絆を結ぼうよ? 守護契約でもいいけど
契約をしたら、憑いてる子の属性を表す色に染まるんだよね? 髪とか目とか。
未だ、強引に誘拐されて魔物退治を強要される、神の御遣い召喚に悪感情しかない私は、精霊達と絆を結ぶ事に躊躇していた。
言葉も翻訳してくれるし、色々助けてくれてるあなた達には感謝してるし、絆を結ぶことが嫌なんじゃなくて、ここの国の人達の扱いが、私達の意思を無視して召喚したことが許せないの。
──じゃ、よその国に行く?
そんな事、出来るの?
──ボクたち、この国に憑いてる訳じゃないも~ん
──たまたま、モモカが召喚された時にこの地に居ただけ~
──モモカの魔力や霊力が美味しいから、モモカの傍が心地いいから残ってるだけ~
そ、そうなの?
──悪霊じゃないんだから、土地には縛られないよ
悪霊は居るのね、この世界にも。
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