聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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【萌々香 Ⅱ】

📵16 ゴブリン襲来(12/4 微量加筆修正)

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 これ以上、馬車では登れないとのことで、みんなで歩いて岩がゴロゴロしている砂利道を歩き進む。私以外。

 大切な(?)囮様が疲れてはいけないと、聖騎士で交代で私を運ぶと言っていたけれど、冗談じゃない、知らない男性に触られるのは嫌だと言ったら、ここまでずっとマクロンさんがお父さん抱っこのまま運んでくれている。のっぽのほっそり魔法士のクセに、案外、腕力も脚力も体力もあるな?

 愛唯あおいも、聖騎士に抱えられるのは拒否したので、自力で歩いている。強いな。

 この辺りは、魔獣と、亜人系の妖魔が多いらしい。
 やだな、また、醜鬼ゴブリン豚鬼オークかな。あれ、マジで嫌。変質者やレイプ犯に囲まれてる気になるから。

 言ってるそばから、醜鬼ゴブリンが5匹、錆びたショートソードや曲がったモリを振り回しながら、茂みから飛び出してきた。狙いは愛唯あおいである。

「きゃああ!! ちょっと近寄んないで!!」

 手のひらサイズの火球をたくさん生み出し、醜鬼ゴブリンに投げつけている。
 一匹は大火傷をしながらも聖騎士と斬り合い、2匹は丸焦げ。一匹は仲間を呼びに行ったのか逃走し、一匹は愛唯あおいに飛びかかろうと距離を覗っていた。

「汚いし臭いし、用をなしていない服から見える変な色の躰とか、マジでキモい!! 死んでよね!!」

 今度は、五百円玉くらいの火球を山ほどつくって、愛唯あおいのお尻に飛びかかろうとしていた醜鬼ゴブリンに集中砲火を浴びせた。

 結局、5匹とも、愛唯あおいの火炎魔法で斃した。聖騎士達は、なんのためにいるのかな?

「言わないであげて。モモカ達を召喚しようとした切実さが解るでしょ?」

 下級妖魔だという醜鬼ゴブリンが斃せない騎士とか、どんだけ弱いの。

「そう言えば、なんで私は狙われなかったのかな」
「ああ、僕が隠遁の魔術を使ったから。強い魔力と生のヂョ・シコー・セーが居るから、そっちに目が行って目眩ましになるんだよ。ほら、僕は攻撃魔術は使わないから」

 今度は、マクロンさんが、愛唯あおいおとりにして私達の身を隠す魔法を使ったらしい。



 次話
📵17 街道

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