聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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今日から冒険者(仮)

🚯2 自由民ギルド

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 結局、ここの職員の誰にも私を鑑定する事が出来なかったので、魔力特化技能スキル持ちとして、自由民株を借りる事が出来た。(これって借金?)

 いわゆるファンタジー創作物によくある冒険者ギルドみたいな職業斡旋所で、コーディネーターの紹介する仕事を引き受けるか、依頼ボードから選択するか、個人的に指名されるかの方法で、仕事につくらしい。

 私は、今日初めて登録する訳で、向こうからの指名依頼が来る訳もなく、職員さんも何を紹介していいか判らないだろう。
 勿論、私も何を選んでいいのかわからない。

「したかないな。俺が付き添いで行ってやろう」

 カヴィルさんがそう言って、掲示板に張り出された依頼書を眺める。

「会員じゃなくても受けられるんですか?」
「さあ?」

 受付嬢の金髪金目美人は、憮然としてこちらを向くことなく答える。

「モモカが会員なら代表者として、誰と組んで仕事をするかは自由なので、仲介手数料を引いた依頼料を分ける時に揉めなければ、何人同行しても構いませんよ」

「だって」

「ふむ。街中で掃除を手伝うものから、お年寄りの買い物の介助、研究者の素材集めから魔物退治まで色々あるな」
「本当に、便利屋さんみたいですね」

 私は楽しくなってきて、端から端まで依頼書を見てまわる。

「やっぱり、採集ものや討伐系は、条件がありますね」
「それだけ危険なのでしょうね」

 まあ、マンティコアを退治してくれなんて言われても無理だろう。
 何たらの幻の薬草を採ってこいって言うのも、魔物が守ってるとか、危険な場所で誰でも採って来れないからこその依頼なんだろう。
 4人以上でとか、経験豊富な上級者限定でとかが多い。

 また、緊急性があったり、達成条件が難題だったりして、期限までに未達成になると、ペナルティがつくらしいし、仕事である以上、責任を持ってやらなければならないのは当然だろうと思い、慎重に選ぶ。

 精神領域共有魔法は、文字まで翻訳機能ついてるのかと感心しながら、幾つか手に取り、窓口に持っていく。

「これの内、私に出来そうなお勧めはありますか?」

 嫌そうに、金髪金目美人さんはチラッと顔は向けずに眼だけでこちらを見た。

 なんでこんなに態度がよくないのかと思えば、マディラさんがこっそり教えてくれた。
 現在、彼女はガヴィルさんに絶讃片想い中で、子供の頃もまた子供の頃で、好きだった人がマディラさんに夢中だったという、因縁があるそうな。

 幼馴染みか、いいなぁ。

「いいのかしら? これでも」

 マディラさんは苦笑したけれど、嫌な顔を隠さず露わに出来るほど、気心の知れている仲って事でしよう?
 私は美土里しかそんな人は居なくて、その美土里であってもまるっとの本音では話せない。

 やっぱり、羨ましい。



 次話
🚯3 訓練施設


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