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自由民ギルド ロックウェル支部
⛔13 裏がある?ない?
しおりを挟む私の保護者と協会からの派遣社員が、自由民協会窓口の金髪金目の美女受付嬢マーシャさんと不穏な空気で睨み合っているので、事態を察知した他の会員の視線が集まってくる。
このままじゃよくないな。
「あ、あの。始めたばかりの私なら、クエスト失敗してペナルティついても、暴落するほど株価は上がってないだろうから、やってみようかなっ⋯⋯なん、て」
ガヴィルさんが初めてあった時よりも厳めしい表情で見下ろしてるぅ。
「モモカ、それは違うわ。担当指導員だったから言うんじゃないけれど、あなたは新人としては破格の値がついてるのよ? ペナルティついたら大暴落よ。⋯⋯って、そうじゃなくて、身の丈に合わない依頼を断る勇気も持ちなさいって事」
「心配してくださるのは嬉しいんですけど、何事も初めてはあると思うし、いつもの採集クエストの延長みたいなものでしょう?」
「許可出来んな。今のモモカは、まだ監理局預かりの身、自由行動は制限される。勿論、当分国外には出せないし、国内でも私の目の届かない地にも行かせられない」
うう。そう言えば、まだ、監理局の三階で寝泊まりしてて、国民の証とかもらってないし、危険人物じゃない確証も何も証してなかった。
「そうは言っても、監禁や軟禁するほど危険人物とは思っていないし⋯⋯」
ガヴィルさんの脇腹をキミカさんが肘打ちする。
「ばっか。そうじゃないでしょ?
あのね、ガヴィルはこう見えて結構子供好きなのよね「知ってます」あらそう。やっぱりバレてたのね。それは置いといて、つまり、ガヴィルは心配してるのよ。
ドラゴンってね、最強級の生物で、知能は高いし魔法を使う個体もいるわ。獰猛な種類も多いし、肉食種も少なくないの。牛一頭丸呑みとかあるのよ?
それに、今時は、子育てをしてるコミューンもあったりしてピリピリしてると思うから、縄張りへの侵入者には警戒が強い時期なのよ。鱗を拾いに行って、仔竜の餌になりかねないの。解って?」
どうしようかな。
もしバレても星竜の竜燐がお守りになるから、隠遁術と防御膜で拾ってくるだけは可能だと精霊達は言う。精霊達は嘘は言わないから、そこは信じてもいいと思う。
ただ、アディライトさんの言う、後ろから操られるかもしれないマーシャさんの言葉を信じるべきか。裏があると疑うべきか、本当に、キミカさんの言うように、竜の巣に行くのは危険な時期だから、可能性のある私に頼みたいだけなのか。
「だったら、来年の初夏まで諦めたらいいだけでしょう? 疑うべきよ」
「それか、ただの莫迦かもな。竜燐さえ装備すれば、もっと上に行けると過信しているだけの」
私が受けなかったら、どうなるんだろう?
「依頼掲示板に張り出され、その後も誰も受けなかったら、所定の期間の後に取り下げられます」
次話
⛔14 ちょこっと討伐
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