聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

文字の大きさ
113 / 163
自由民ギルド ロックウェル支部

⛔13 裏がある?ない?

しおりを挟む

 私の保護者ガヴィルさん協会ギルドからの派遣社員キミカさんが、自由民協会ギルド窓口の金髪金目の美女受付嬢マーシャさんと不穏な空気で睨み合っているので、事態を察知した他の会員ギルメンの視線が集まってくる。

 このままじゃよくないな。

「あ、あの。始めたばかりの私なら、クエスト失敗してペナルティついても、暴落するほど株価は上がってないだろうから、やってみようかなっ⋯⋯なん、て」

 ガヴィルさんが初めてあった時よりも厳めしい表情かおで見下ろしてるぅ。

「モモカ、それは違うわ。担当指導員だったから言うんじゃないけれど、あなたは新人としては破格の値がついてるのよ? ペナルティついたら大暴落よ。⋯⋯って、そうじゃなくて、身の丈に合わない依頼を断る勇気も持ちなさいって事」
「心配してくださるのは嬉しいんですけど、何事も初めてはあると思うし、いつもの採集クエストの延長みたいなものでしょう?」
「許可出来んな。今のモモカは、まだ監理局預かりの身、自由行動は制限される。勿論、当分国外には出せないし、国内でも私の目の届かない地にも行かせられない」

 うう。そう言えば、まだ、監理局の三階で寝泊まりしてて、国民の証とかもらってないし、危険人物じゃない確証も何も証してなかった。

「そうは言っても、監禁や軟禁するほど危険人物とは思っていないし⋯⋯」

 ガヴィルさんの脇腹をキミカさんが肘打ちする。

「ばっか。そうじゃないでしょ?
 あのね、ガヴィルはこう見えて結構子供好きなのよね「知ってます」あらそう。やっぱりバレてたのね。それは置いといて、つまり、ガヴィルは心配してるのよ。
 ドラゴンってね、最強クラスの生物で、知能は高いし魔法を使う個体もいるわ。獰猛どうもうな種類も多いし、肉食種も少なくないの。牛一頭丸呑みとかあるのよ?
 それに、今時は、子育てをしてるコミューンもあったりしてピリピリしてると思うから、縄張りへの侵入者には警戒が強い時期なのよ。鱗を拾いに行って、仔竜の餌になりかねないの。解って?」

 どうしようかな。
 もしバレても星竜の竜燐がお守りになるから、隠遁術と防御膜で拾ってくるだけは可能だと精霊達は言う。精霊達は嘘は言わないから、そこは信じてもいいと思う。
 ただ、アディライトさんの言う、後ろから操られるかもしれないマーシャさんの言葉を信じるべきか。裏があると疑うべきか、本当に、キミカさんの言うように、竜の巣に行くのは危険な時期だから、可能性のある私に頼みたいだけなのか。

「だったら、来年の初夏まで諦めたらいいだけでしょう? 疑うべきよ」
「それか、ただの莫迦かもな。竜燐さえ装備すれば、もっと上に行けると過信しているだけの」

 私が受けなかったら、どうなるんだろう?

「依頼掲示板に張り出され、その後も誰も受けなかったら、所定の期間ののちに取り下げられます」



 次話
⛔14 ちょこっと討伐

しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...