聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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自由民ギルド ロックウェル支部

⛔14 ちょこっと討伐

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 一度持ち帰って相談したいと申し出ると、いい話だと思うのにと呟きながら、マーシャさんは、依頼内容を記したメモを掲示板に貼りだした。

 すでにガヴィルさん達とマーシャさんの睨み合いが注目を集めていたので、この場にいた協会ギルド会員メンバーが我先にと依頼内容を見に行く。

 が、みな中身を見るとテーブルへUターンしていく。

「莫迦じゃねぇのか?」
「この時期に竜の巣ドラグネストに行けだと?」
「てめぇで行って来いや」
「正気じゃねぇな」
「仔竜を抱えた時期になんざ、名のあるドラゴンスレイヤーでも行かねぇわ」

 やっぱりそういうものなのか⋯⋯

 依頼主、困るんだろうな。



「竜燐の装備がなくても今まで狩人ニムロドとして活動してきたんだ。何とかなるだろう?」
「竜燐で能力値ステータス向上を図りたいなら、自分達で入手するべきよね」

 ガヴィルさんの言うことも、キミカさんの言うこともわかる。けど。

「それはそうなんだけど、もしかしたら、取り急ぎ必要なものがあったり、今すぐ狩らなくてはいけない魔物がいたりして、竜燐で補強すれば何とかなるんだったら?
 他の人は難しくても、私なら拾って来られるんだったら⋯⋯」
「大切な知り合いや家族ならともかく、他人にそこまで無理をする必要はない。この話はここまでだ。いいな?」
「⋯⋯はい」

 また、大きな手で頭を撫でられる。やはり、私のこと、子供に見えてんだな。そりゃ未成年ではあるけど、頭撫でて宥められるほど小さな子供じゃないんだけど。

──いいじゃん、可愛がられるのは悪いことじゃないよ
──変に子供扱いはしてないと思うわよ
──モモカは可愛いからね

「とにかく、今は、こっちに集中しましょ? あれこれ気をまわす余裕があるほどベテランさんじゃないわよ」
「はい」

 この辺りロックウェル地方はなだらかな丘陵地で、街の南東にある草原から森の方への街道沿いにホーンラビットが殖えすぎたので、間引きして欲しいという依頼を受けた。
 薬草や木の実の採集ばかりじゃ経験は積めないので、いつか独り立ちして世界を歩き回れるように、低級の魔物から慣れていくために、キミカさんがついててくれる内に練習しておくのだ。

「ホーンラビットは、ウサギげっ歯目だけに、よく殖えるのよ」

 ここでは、兎はげっ歯目なんだ⋯⋯ 地球では、昔は齧歯目だったけど、今は歯の形の違いから兎形トケイ目ウサギ科だと、齧歯目から分かれてしまったらしい。

 齧歯目(兎形目)が多産で爆発的に増える事には変わりないらしく、角がある魔力を持ったウサギ。それが、今回のターゲットである。


 次話
⛔15 ウサギ狩り
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