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第二章 『決裂』
第二章5 『暗殺未遂』
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ジェシカ・ホーネット。
社交界でその名を知らぬ者は少ない。だが、話題に上がる回数は知名度と全く比例しない。何故なら彼女の存在は、輝かしく活躍するリチャード・ホーネットの陰に隠れてしまっているから。
だけれど、それでいいと思っている。この盲目的な愛も、彼にとっては利用する手段でしかないと知っている。でもこの愛が、ジェシカを彼の腹心にまで押し上げたのだから。
まだ結婚していなくとも、彼はジェシカが勝手にホーネットを名乗るのを許してくれる。
愛して欲しいと頼めば、彼の気が乗った時は応えてくれる。
他の人には頼めないようなことは、大抵ジェシカを頼ってくれる。必要としてくれる。それはジェシカだけに許された特権なのだ。
――それなのに、
〇
「今日も良い話し合いが出来たよ、やっぱり君とは本当に気が合うな。そうだ、今日は外でご飯を食べに行かないかい? 抜群の美味しさは保証するさ」
「あら、良いわね。貴方の目利きなら味は初めから疑ってないわ」
「ハッハッハ! それじゃあ、どうかオレにエスコートさせてくれませんか? お嬢――、おっと、女王様?」
「ふん! 及第点ってところね!」
仲睦まじそうな、二人。
太陽を押しのけるかの如く輝く美しい金髪。月明かりのように穏やかで幻想的な黒髪。あまりにお似合いで、絵になる美男美女の二人。
誰が見ても恋仲で、誰が見ても世界一幸せなカップルで。
それなら、奥歯を噛みしめて柱の陰から二人を眺める婚約者は、一体どんな存在なのだろう。
――ジェシカという家同士が決めた婚約者のことなんて、誰の記憶にも残らない。
恐ろしいことに、激昂すると思われた生家ですら、二人を祝福している始末。
ジェシカは生家の政治基盤のための道具に過ぎなかった。
アデリナとリチャードの関係を祝福することで彼に気に入ってもらえるのなら、ジェシカという道具に執着する必要はもはやないのだ。
じゃあ、アタシは?
アタシの気持ちはどうなるの?
ずっとずっと、ずっとずっとずっと好きで、最初から結婚すると決まっていたのに。それは貴族にとっては当たり前のことなのに。
婚約するときもアタシの意見は一度も聞かれなかった。
今度は、その婚約の行く先が危ぶまれているのに、誰もアタシの存在を気にしてはくれない。
婚約者が勝手に宴会で別の人に求婚しても、誰も疑問に思ってくれない。
婚約者なんだから、いつかは結婚して夫婦になるのだ。
それは確定事項で、アタシはホーネットで、それをもう名乗ってもいいのだから。だからアタシ達は、アタシ達こそが、愛し合うふたりなのだ。
それを、あの女が引き裂いた。
アタシ達の幸せ一杯になるはずだった婚約と結婚を、あの女が全部ぶち壊しにした。
あいつさえ来なければ。いいや、最初からいなければ。
何せ、リチャードはあの宴会で求婚するずっと前からあの女のことばかり考えていた。きっと惑わされて、毒されてしまったに違いない。
そういうことなら、アタシがリチャードを解放してあげないと。
だって、アタシ達は愛し合っているのだから。
それが当たり前で、それが正解なのだから。
そうでしょ?
〇
ひた、と背筋が寒くなるような微かな足音と共に、体を焼くような鋭い殺意が伝わってくる。
ずさんな殺意と気配の制御。その気配から荒い息と緊張まで伝わる始末。
カレリナ公爵家の『最強』を狙うその荒く不格好な殺意――、どうせなら、正面から受けてみようと思った。
「よっと」
「――ッ!?」
その気配から恐らく包丁か何かだと思われる凶器の切っ先が背中に届く寸前に、アデリナは軽い身のこなしでひょいとかわした。
当たりの外れた少女の身体が、力のままに慣性で地面に倒れ込みそうになる。
柔らかで、リチャードのものより穏やかな色をした金髪を視界に入れながら、アデリナは少女が倒れる前に彼女を腕で支えた。
「ええと……あれだ、ジェシカ・アンダーソンさん?」
「ッ!! アタシはジェシカ・ホーネットよ、アタシはホーネットの女、リチャードの妻になる女! そんな昔の名前でアタシを呼ばないで!!」
思いもよらぬ呼びかけに、ジェシカがアデリナの腕を振り払って叫んだ。その手には、ナイフが構えられている。
隙だらけの構え。彼女が戦闘など一度もしたことがないと分かる。
綺麗なふわふわした肩までの金髪と輝かしい緑の瞳なのに、髪は振り乱されて目は狂乱の色を灯していて――、なんと、もったいないことだろう。
「ここが貴女の生家よりもいい環境だとは、全く思えないけれど」
「誰のせいだと思ってるのよ!! あんたのせいで! アタシ達は愛し合っているのに、リチャードと最近会話さえできていないのよ!? あんたが何か変なことを吹き込んだんでしょう! アタシのリチャードを変えてしまったんでしょう!」
理性を捨てて叫び散らすジェシカを見つめながら、アデリナはこの懐かしい感覚に思わず苦笑を漏らした。
彼女が、何らかの行動を起こすだろうことは最初から予想がついていた。
前回の人生でも、アデリナがリチャードの手を取った後のジェシカの態度は、当然の如く大荒れであった。
最もその後世界が大荒れしたので、婚約どうこうというレベルの話ではなくなっていたのだが、ジェシカの世界の中では常にそれが中心だった。
リチャードがジェシカと婚約を解消しないのは、彼女を利用するためだ。
そもそも婚約書類自体に穴があって、前回の人生では『そもそも正式な婚約とは見なせない』としてアデリナとの婚約が上書きされた。
だがジェシカとの『婚約解消』の手続きは行われず、正式な婚約はしていないものの『婚約の記録』だけは残っている、というおかしなことになっていた。
生家にも帰れず、準婚約者(?)のような宙ぶらりんな立場に狂いながら、ジェシカはリチャードに尽くし懸命にアデリナを排除しようと努めていた。
「あくまでわたしの意見だけど、DVモラハラパワハラ婚約者とは早く離縁した方がいいと思うんだよね。他の女にうつつを抜かす男は、結婚した後もなにかしらやらかすよ」
マリアやエリカに教えてもらった地球の言葉が思わず口に出てしまったが、意味は大体伝わったようで、ジェシカの肩が怒りで小刻みに震え出す。
ため息を一つ。
今のジェシカにリチャードと離縁しろと言っても、聞いてくれるはずがない。それも、アデリナの口から言っては全くの無意味だろう。
ただ、前回の人生でも失敗したが考えていた。彼女をその妄執から救い出せたら良いのに、と。
今回リチャードの手を取りジェシカと直接衝突する道に帰ったのには、それをしたいという理由もあった。
「ふざけないで! あんたに何が分かるのよ、アタシから何もかも全部奪っていったくせに……あんたなんか、いなくなっちゃえばいいのよ!!」
「――そこまでだ、ジェシカ」
ジェシカが今までの鬱憤を晴らすかのように、ひときわ大きな声で決定的な言葉を言い放ったその瞬間。
少年的な清涼な強さの籠った、しかし冷徹な声が割り込んだ。
アデリナは普通に、そしてジェシカは全身を震わせながらその方向を振り向く。
会議に出ていたのか、正装をしたリチャードが、そこに立っている。
青空のような、広い海のような美しい碧眼が、今は怒りの炎を灯してジェシカを咎めるように睨んでいる。
カタカタと震えてナイフを落としたジェシカが、本能で一歩後ずさる。
「カレリナの公爵令嬢を暗殺しようとは、我がホーネット公爵家の顔に泥を塗るつもりかい? この件は重く処置するぞ」
「変よ、有り得ない……だってアタシはあなたの妻よ、それなのに、その女の方が大事だって言うの? ねえ答えてよリチャード!」
「家同士が決めただけの形上の婚約者だろう? オレは君に対してどんな義務があると言うんだい?」
一切悪気なしと言った風体で首をかしげるリチャードだが、ジェシカの方はもう限界だ。
ぼろぼろと涙をこぼす彼女を、慰めてあげる人は誰もいない。
残念なことに、計画の終わらぬうちはアデリナも彼女の味方になってはあげられなかった。
だけれど、味方でなくともやれることはある。
「待ってリチャード!」
聞いていられない。舌打ちするのを堪えながら、アデリナが割り込んだ。
完全に人の婚約者を盗ったあげく被害者面をする悪役令嬢だが、このままではジェシカがどん底に突き落とされることは間違いない。
既に気持ちはどん底だと思うが、物理的に底に居ては再起の道すらない。
驚きの一色に染まったリチャードとジェシカの表情を観察してから、アデリナは、
『好きな人の婚約者の少女を悪役令嬢に仕立て上げ、被害者面をするヒロイン』の仮面を被った。
社交界でその名を知らぬ者は少ない。だが、話題に上がる回数は知名度と全く比例しない。何故なら彼女の存在は、輝かしく活躍するリチャード・ホーネットの陰に隠れてしまっているから。
だけれど、それでいいと思っている。この盲目的な愛も、彼にとっては利用する手段でしかないと知っている。でもこの愛が、ジェシカを彼の腹心にまで押し上げたのだから。
まだ結婚していなくとも、彼はジェシカが勝手にホーネットを名乗るのを許してくれる。
愛して欲しいと頼めば、彼の気が乗った時は応えてくれる。
他の人には頼めないようなことは、大抵ジェシカを頼ってくれる。必要としてくれる。それはジェシカだけに許された特権なのだ。
――それなのに、
〇
「今日も良い話し合いが出来たよ、やっぱり君とは本当に気が合うな。そうだ、今日は外でご飯を食べに行かないかい? 抜群の美味しさは保証するさ」
「あら、良いわね。貴方の目利きなら味は初めから疑ってないわ」
「ハッハッハ! それじゃあ、どうかオレにエスコートさせてくれませんか? お嬢――、おっと、女王様?」
「ふん! 及第点ってところね!」
仲睦まじそうな、二人。
太陽を押しのけるかの如く輝く美しい金髪。月明かりのように穏やかで幻想的な黒髪。あまりにお似合いで、絵になる美男美女の二人。
誰が見ても恋仲で、誰が見ても世界一幸せなカップルで。
それなら、奥歯を噛みしめて柱の陰から二人を眺める婚約者は、一体どんな存在なのだろう。
――ジェシカという家同士が決めた婚約者のことなんて、誰の記憶にも残らない。
恐ろしいことに、激昂すると思われた生家ですら、二人を祝福している始末。
ジェシカは生家の政治基盤のための道具に過ぎなかった。
アデリナとリチャードの関係を祝福することで彼に気に入ってもらえるのなら、ジェシカという道具に執着する必要はもはやないのだ。
じゃあ、アタシは?
アタシの気持ちはどうなるの?
ずっとずっと、ずっとずっとずっと好きで、最初から結婚すると決まっていたのに。それは貴族にとっては当たり前のことなのに。
婚約するときもアタシの意見は一度も聞かれなかった。
今度は、その婚約の行く先が危ぶまれているのに、誰もアタシの存在を気にしてはくれない。
婚約者が勝手に宴会で別の人に求婚しても、誰も疑問に思ってくれない。
婚約者なんだから、いつかは結婚して夫婦になるのだ。
それは確定事項で、アタシはホーネットで、それをもう名乗ってもいいのだから。だからアタシ達は、アタシ達こそが、愛し合うふたりなのだ。
それを、あの女が引き裂いた。
アタシ達の幸せ一杯になるはずだった婚約と結婚を、あの女が全部ぶち壊しにした。
あいつさえ来なければ。いいや、最初からいなければ。
何せ、リチャードはあの宴会で求婚するずっと前からあの女のことばかり考えていた。きっと惑わされて、毒されてしまったに違いない。
そういうことなら、アタシがリチャードを解放してあげないと。
だって、アタシ達は愛し合っているのだから。
それが当たり前で、それが正解なのだから。
そうでしょ?
〇
ひた、と背筋が寒くなるような微かな足音と共に、体を焼くような鋭い殺意が伝わってくる。
ずさんな殺意と気配の制御。その気配から荒い息と緊張まで伝わる始末。
カレリナ公爵家の『最強』を狙うその荒く不格好な殺意――、どうせなら、正面から受けてみようと思った。
「よっと」
「――ッ!?」
その気配から恐らく包丁か何かだと思われる凶器の切っ先が背中に届く寸前に、アデリナは軽い身のこなしでひょいとかわした。
当たりの外れた少女の身体が、力のままに慣性で地面に倒れ込みそうになる。
柔らかで、リチャードのものより穏やかな色をした金髪を視界に入れながら、アデリナは少女が倒れる前に彼女を腕で支えた。
「ええと……あれだ、ジェシカ・アンダーソンさん?」
「ッ!! アタシはジェシカ・ホーネットよ、アタシはホーネットの女、リチャードの妻になる女! そんな昔の名前でアタシを呼ばないで!!」
思いもよらぬ呼びかけに、ジェシカがアデリナの腕を振り払って叫んだ。その手には、ナイフが構えられている。
隙だらけの構え。彼女が戦闘など一度もしたことがないと分かる。
綺麗なふわふわした肩までの金髪と輝かしい緑の瞳なのに、髪は振り乱されて目は狂乱の色を灯していて――、なんと、もったいないことだろう。
「ここが貴女の生家よりもいい環境だとは、全く思えないけれど」
「誰のせいだと思ってるのよ!! あんたのせいで! アタシ達は愛し合っているのに、リチャードと最近会話さえできていないのよ!? あんたが何か変なことを吹き込んだんでしょう! アタシのリチャードを変えてしまったんでしょう!」
理性を捨てて叫び散らすジェシカを見つめながら、アデリナはこの懐かしい感覚に思わず苦笑を漏らした。
彼女が、何らかの行動を起こすだろうことは最初から予想がついていた。
前回の人生でも、アデリナがリチャードの手を取った後のジェシカの態度は、当然の如く大荒れであった。
最もその後世界が大荒れしたので、婚約どうこうというレベルの話ではなくなっていたのだが、ジェシカの世界の中では常にそれが中心だった。
リチャードがジェシカと婚約を解消しないのは、彼女を利用するためだ。
そもそも婚約書類自体に穴があって、前回の人生では『そもそも正式な婚約とは見なせない』としてアデリナとの婚約が上書きされた。
だがジェシカとの『婚約解消』の手続きは行われず、正式な婚約はしていないものの『婚約の記録』だけは残っている、というおかしなことになっていた。
生家にも帰れず、準婚約者(?)のような宙ぶらりんな立場に狂いながら、ジェシカはリチャードに尽くし懸命にアデリナを排除しようと努めていた。
「あくまでわたしの意見だけど、DVモラハラパワハラ婚約者とは早く離縁した方がいいと思うんだよね。他の女にうつつを抜かす男は、結婚した後もなにかしらやらかすよ」
マリアやエリカに教えてもらった地球の言葉が思わず口に出てしまったが、意味は大体伝わったようで、ジェシカの肩が怒りで小刻みに震え出す。
ため息を一つ。
今のジェシカにリチャードと離縁しろと言っても、聞いてくれるはずがない。それも、アデリナの口から言っては全くの無意味だろう。
ただ、前回の人生でも失敗したが考えていた。彼女をその妄執から救い出せたら良いのに、と。
今回リチャードの手を取りジェシカと直接衝突する道に帰ったのには、それをしたいという理由もあった。
「ふざけないで! あんたに何が分かるのよ、アタシから何もかも全部奪っていったくせに……あんたなんか、いなくなっちゃえばいいのよ!!」
「――そこまでだ、ジェシカ」
ジェシカが今までの鬱憤を晴らすかのように、ひときわ大きな声で決定的な言葉を言い放ったその瞬間。
少年的な清涼な強さの籠った、しかし冷徹な声が割り込んだ。
アデリナは普通に、そしてジェシカは全身を震わせながらその方向を振り向く。
会議に出ていたのか、正装をしたリチャードが、そこに立っている。
青空のような、広い海のような美しい碧眼が、今は怒りの炎を灯してジェシカを咎めるように睨んでいる。
カタカタと震えてナイフを落としたジェシカが、本能で一歩後ずさる。
「カレリナの公爵令嬢を暗殺しようとは、我がホーネット公爵家の顔に泥を塗るつもりかい? この件は重く処置するぞ」
「変よ、有り得ない……だってアタシはあなたの妻よ、それなのに、その女の方が大事だって言うの? ねえ答えてよリチャード!」
「家同士が決めただけの形上の婚約者だろう? オレは君に対してどんな義務があると言うんだい?」
一切悪気なしと言った風体で首をかしげるリチャードだが、ジェシカの方はもう限界だ。
ぼろぼろと涙をこぼす彼女を、慰めてあげる人は誰もいない。
残念なことに、計画の終わらぬうちはアデリナも彼女の味方になってはあげられなかった。
だけれど、味方でなくともやれることはある。
「待ってリチャード!」
聞いていられない。舌打ちするのを堪えながら、アデリナが割り込んだ。
完全に人の婚約者を盗ったあげく被害者面をする悪役令嬢だが、このままではジェシカがどん底に突き落とされることは間違いない。
既に気持ちはどん底だと思うが、物理的に底に居ては再起の道すらない。
驚きの一色に染まったリチャードとジェシカの表情を観察してから、アデリナは、
『好きな人の婚約者の少女を悪役令嬢に仕立て上げ、被害者面をするヒロイン』の仮面を被った。
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