236 / 308
第一章 辺境の町
第236話 戦い終わって……?
しおりを挟む「これで全部終ったんだね……」
「ええ。本当、時間はかかりましたけど倒せてよかったです。明日からは元通り、採取中心の安全な依頼に戻れますよねっ」
「そうだね!」
「うん。まあ、とりあえずはな」
「え」
「……とりあえず、とは?」
それってどういうこと?
ここはきれいに終われる雰囲気だったでしょっ!?
――何か嫌な予感がひしひしとするんですけどっ。
「蔓状の魔樹があったあの周辺はもう大丈夫だが、また別のところにこう、ポコポコ湧いて出てくる可能性が……ある」
「ええぇ、何で?」
「多分だが、森の浅い部分にまで地脈から漏れ出る魔素がいつもより少し多く広がってるのを感じた。魔樹の出てきやすい環境になっていると思われるんだよな、これが」
なんですと!?
あれを倒して全て終了じゃなかったのか……。
蔓状の魔樹ってラスボスっぽかったのに、想定外です!?
「……じゃあ、まだ続くの?」
「そういうことだ」
そういうことらしい……。
いやいやなんかあの場にいた討伐部隊の皆さんもこれでもう終わりっぽい雰囲気出して喜びを噛み締めていなかったっけ!?
えぇぇ~。これがまだまだ続くのっ……本当に!?
「じ、じゃあもしかしてさっき受付でラルフさんがまたお願いしますって言ってたまたって、今後またあった時にまたよろしくねって言う意味だったんじゃなくって……」
「明日からまたお願いっていう意味だな」
「そ、そうだったんだ……」
「そうだったんですかぁ」
「まぁ、そうだな。で、でもほら、そのうち終わるのは間違いないからさ、な?」
それはそうでしょうけれどもっ!?
というわけで、そこからの日々はまた同じことの繰り返しだったのであえて言いません、省略させていただきますけど……。
何度か同じように総力を集結して討伐隊を組み、アタックを繰り返し、その都度改良されていく全身タイツを着込むのにも慣れて来た頃……。
今度こそ、ようやく本当に冒険者ギルドからの収束宣言が出ることになって、一連の騒動に終わりを告げる事ができたのでした。
皆さん、本当に大変お疲れ様でした!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
925
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる