495 / 718
第十三章 再生
第一話 懇願
しおりを挟む
空中浮遊要塞スカイ・ウォーカー。
それは彼岸花の形を模した複雑な造形の要塞。無駄としか言いようがないこの形に魅了されたのは第六魔王”灰燼”である。彼岸花はこの世界にはない植物。その花を知り得たのは灰燼のとある研究の成果といえる。
「ほぅ……珍しい面子だね……」
その真下で海面に浮かぶ提灯のような建造物。魚人族が製造した、歴代最強の戦艦であると自負する無敵戦艦”カリブディス”。
その船の艦長である第十魔王”白絶”は、目の前にズラッと並んだ客人を見て赤い目を光らせた。中でも最もオーラのない男が一歩前に出る。
「よう白絶。元気そうで何より」
「……ラルフ……全く君は……どうしてそんなに……偉そうなのかな……?」
首を傾げるようにコテンと頭を右に傾けた。幼女のような可愛らしい顔に感情は浮かんでいない。白絶唯一の魔族の部下である喪服姿の美女、テテュースがピクリとも動かないところを見れば不快に思わなかったのは確かだ。
壁際で武装しているマーマンたちは一瞬武器を構えかけて姿勢を正す。まだ白絶の感情の機微を読めていないようだが、主従関係はしっかりしているようだった。
「……マーマンたちとも上手くやれているようで安心したぜ」
「ふん……要件は……?」
白絶は鼻で笑うと本題に移るように促した。
「折り入って相談なんだけどよ、俺らと一緒に戦ってくれねぇか?」
その言葉に白絶の片眉が上がる。
「一緒に……そういえばミーシャはどうしている……?君の側に居ないのは……何というか不思議な感じだ……」
「あ、気づいた?……まさにそいつが本題だよ」
ラルフは白絶に事のあらましを説明する。グラジャラク大陸での戦争を機に鉄と竜胆と組んだ事、ペルタルク丘陵での停戦の呼びかけと古代種との戦闘。八大地獄の簡単な説明に、蒼玉の能力によるミーシャの喪失までを淡々と。黙って聞いていた白絶も途中で我慢出来ずに口を挟んだ。
「ちょっと待って……蒼玉の能力って言った……?」
「ん?ああ、だからそれの能力だか何だかでミーシャの記憶が混濁して……記憶喪失になったんだよ。そのせいで一時的に敵になったけど、白絶の洗脳能力でどうにか出来ると……」
「無理……」
ラルフたちの希望を一身に背負うはずだった白絶の口からの拒絶。交渉の余地のない空気に思わず第十二魔王”鉄”が声をかけた。
「何故だ白絶?やって見ぬ内から何故そんな簡単に否定するんだ?」
「鉄……何があったか知らないけど……その男からは離れなさい……。ティアマト……君も……」
「は?何よいきなり」
ティアマトは不機嫌そうに腕を組んだ。いきなりのことすぎてラルフも両手を前に掲げる。
「ちょっちょっちょっ……ちょっと待て!先ずは理由を言えよ。急に俺たちを引き裂くような真似をするんじゃねぇ」
焦りながら必死になるラルフ。白絶は肩を竦めて口を開く。
「蒼玉の能力……それは時を戻す力……。それに当てられて記憶喪失に……なったとするなら……記憶だけの問題ではないということ……」
「?……それはつまりどういうことじゃ?」
ベルフィアも首を傾げる。
「記憶は脳に刻まれる……脳という記憶媒体自体が巻き戻ったとしたら……今まで過ごしてきた日々が……時間が……失くなることを意味する……。それも一時的にではなく……完全に消滅しているの……。これを踏まえた上でもう一度言う……その一行から離れて……領土と民のために……」
ミーシャに正面から挑めば死ぬ。そんな無謀に首を突っ込むくらいなら自国を守れと言うのが彼女の意見だ。それを聞いたベルフィアの顔はみるみる暗くなっていく。時間を戻す。そんな神の如き力を前にすれば、ミーシャすら抗えないと言う事実。
ベルフィアだけではない、同行していたブレイドとアルルも曇る。神を名乗る不敬な存在、アトムの”言霊”が効かないミーシャが記憶を戻された。となれば蒼玉の力はまさに神を凌ぐ力だと言うこと。
そんな絶望的なことを聞かされてもラルフだけは揺るがない。
「なるほど、確かに如何しようも無いな……なぁ白絶、俺はこの状況に既視感を覚えてるんだ。特にお前の顔を見ているとな……」
「……洗脳……かな?」
白絶は先のラルフの発言を思い出す。確かに白絶の洗脳はミーシャを一時的に動けなくすることに成功した。
「言いたいことは分かる……でも無理だよ……。彼女の記憶を呼び戻すことは……っ……」
その時初めて白絶は言葉に詰まる。当時のことを思い出して押し黙った。ラルフはそんな白絶を見てコクコク頷きながらドヤ顔をし始める。
「あぁ~♪当然心当たりがあるよなぁ?言っても信じないだろうから言わなかったが、記憶が消えても俺のことを覚えている風だった。自意識過剰だって言われりゃそうなのかもしれないが、俺を殺すのに躊躇したのは確かだぜ?」
それは白絶との直接対決の日まで遡る。
白絶はミーシャを嵌めてまんまと洗脳する一歩手前まで追い詰めた。しかし後一歩というところで洗脳には至れなかった。ミーシャの心には最後まで入り込めなかったのだ。ラルフの存在がミーシャの心のファイヤーウォールとなって侵入を阻んだ。これを踏まえればラルフの存在が”もしかしたら”や”万が一”を生み出す可能性を秘めている。
だが、白絶は首を小さく振った。
「……僕の洗脳と蒼玉の能力は全く違う……物理的に記憶を巻き戻されたんだからね……。無いものを復活は出来ない……」
やはり無理を主張する。取りつく島もない。
「無駄足だっタノぅ……行くぞラルフ」
そうして踵を返すが、やはりラルフだけは変わらず白絶を見ていた。
「待ってくれ、確かにどうすれば良いか分からねぇよ?完全に消えちまったものを取り戻すなんて出来っこないってのも理屈じゃ分かってる。だけどこれしかない。他に方法は思いつかないんだ。あんただけが頼りなんだよ白絶」
「……しつこい男は嫌われますよ?」
ラルフの食い下がりにテテュースが口を挟んだ。白絶が不快感を示せば、ここで戦いが始まる。でも引き下がらない。
「嫌われたって構うもんかよ。ミーシャを助けるんだ。俺たちがやらなきゃ、いずれあいつはまた裏切られる。今度こそ止めを刺されちまうんだぜ?」
ラルフは揺るぎない目で白絶を見つめる。
「……頼む。力を貸してくれ」
切実なラルフの願い。白絶はゆっくりと目を瞑って思案を巡らせる。やがてゆっくりと目を開くとラルフを見据えた。
「……条件がある……」
白絶の言葉にラルフの顔は綻んだ。
「取引か……いいね。手っ取り早いぜ」
それは彼岸花の形を模した複雑な造形の要塞。無駄としか言いようがないこの形に魅了されたのは第六魔王”灰燼”である。彼岸花はこの世界にはない植物。その花を知り得たのは灰燼のとある研究の成果といえる。
「ほぅ……珍しい面子だね……」
その真下で海面に浮かぶ提灯のような建造物。魚人族が製造した、歴代最強の戦艦であると自負する無敵戦艦”カリブディス”。
その船の艦長である第十魔王”白絶”は、目の前にズラッと並んだ客人を見て赤い目を光らせた。中でも最もオーラのない男が一歩前に出る。
「よう白絶。元気そうで何より」
「……ラルフ……全く君は……どうしてそんなに……偉そうなのかな……?」
首を傾げるようにコテンと頭を右に傾けた。幼女のような可愛らしい顔に感情は浮かんでいない。白絶唯一の魔族の部下である喪服姿の美女、テテュースがピクリとも動かないところを見れば不快に思わなかったのは確かだ。
壁際で武装しているマーマンたちは一瞬武器を構えかけて姿勢を正す。まだ白絶の感情の機微を読めていないようだが、主従関係はしっかりしているようだった。
「……マーマンたちとも上手くやれているようで安心したぜ」
「ふん……要件は……?」
白絶は鼻で笑うと本題に移るように促した。
「折り入って相談なんだけどよ、俺らと一緒に戦ってくれねぇか?」
その言葉に白絶の片眉が上がる。
「一緒に……そういえばミーシャはどうしている……?君の側に居ないのは……何というか不思議な感じだ……」
「あ、気づいた?……まさにそいつが本題だよ」
ラルフは白絶に事のあらましを説明する。グラジャラク大陸での戦争を機に鉄と竜胆と組んだ事、ペルタルク丘陵での停戦の呼びかけと古代種との戦闘。八大地獄の簡単な説明に、蒼玉の能力によるミーシャの喪失までを淡々と。黙って聞いていた白絶も途中で我慢出来ずに口を挟んだ。
「ちょっと待って……蒼玉の能力って言った……?」
「ん?ああ、だからそれの能力だか何だかでミーシャの記憶が混濁して……記憶喪失になったんだよ。そのせいで一時的に敵になったけど、白絶の洗脳能力でどうにか出来ると……」
「無理……」
ラルフたちの希望を一身に背負うはずだった白絶の口からの拒絶。交渉の余地のない空気に思わず第十二魔王”鉄”が声をかけた。
「何故だ白絶?やって見ぬ内から何故そんな簡単に否定するんだ?」
「鉄……何があったか知らないけど……その男からは離れなさい……。ティアマト……君も……」
「は?何よいきなり」
ティアマトは不機嫌そうに腕を組んだ。いきなりのことすぎてラルフも両手を前に掲げる。
「ちょっちょっちょっ……ちょっと待て!先ずは理由を言えよ。急に俺たちを引き裂くような真似をするんじゃねぇ」
焦りながら必死になるラルフ。白絶は肩を竦めて口を開く。
「蒼玉の能力……それは時を戻す力……。それに当てられて記憶喪失に……なったとするなら……記憶だけの問題ではないということ……」
「?……それはつまりどういうことじゃ?」
ベルフィアも首を傾げる。
「記憶は脳に刻まれる……脳という記憶媒体自体が巻き戻ったとしたら……今まで過ごしてきた日々が……時間が……失くなることを意味する……。それも一時的にではなく……完全に消滅しているの……。これを踏まえた上でもう一度言う……その一行から離れて……領土と民のために……」
ミーシャに正面から挑めば死ぬ。そんな無謀に首を突っ込むくらいなら自国を守れと言うのが彼女の意見だ。それを聞いたベルフィアの顔はみるみる暗くなっていく。時間を戻す。そんな神の如き力を前にすれば、ミーシャすら抗えないと言う事実。
ベルフィアだけではない、同行していたブレイドとアルルも曇る。神を名乗る不敬な存在、アトムの”言霊”が効かないミーシャが記憶を戻された。となれば蒼玉の力はまさに神を凌ぐ力だと言うこと。
そんな絶望的なことを聞かされてもラルフだけは揺るがない。
「なるほど、確かに如何しようも無いな……なぁ白絶、俺はこの状況に既視感を覚えてるんだ。特にお前の顔を見ているとな……」
「……洗脳……かな?」
白絶は先のラルフの発言を思い出す。確かに白絶の洗脳はミーシャを一時的に動けなくすることに成功した。
「言いたいことは分かる……でも無理だよ……。彼女の記憶を呼び戻すことは……っ……」
その時初めて白絶は言葉に詰まる。当時のことを思い出して押し黙った。ラルフはそんな白絶を見てコクコク頷きながらドヤ顔をし始める。
「あぁ~♪当然心当たりがあるよなぁ?言っても信じないだろうから言わなかったが、記憶が消えても俺のことを覚えている風だった。自意識過剰だって言われりゃそうなのかもしれないが、俺を殺すのに躊躇したのは確かだぜ?」
それは白絶との直接対決の日まで遡る。
白絶はミーシャを嵌めてまんまと洗脳する一歩手前まで追い詰めた。しかし後一歩というところで洗脳には至れなかった。ミーシャの心には最後まで入り込めなかったのだ。ラルフの存在がミーシャの心のファイヤーウォールとなって侵入を阻んだ。これを踏まえればラルフの存在が”もしかしたら”や”万が一”を生み出す可能性を秘めている。
だが、白絶は首を小さく振った。
「……僕の洗脳と蒼玉の能力は全く違う……物理的に記憶を巻き戻されたんだからね……。無いものを復活は出来ない……」
やはり無理を主張する。取りつく島もない。
「無駄足だっタノぅ……行くぞラルフ」
そうして踵を返すが、やはりラルフだけは変わらず白絶を見ていた。
「待ってくれ、確かにどうすれば良いか分からねぇよ?完全に消えちまったものを取り戻すなんて出来っこないってのも理屈じゃ分かってる。だけどこれしかない。他に方法は思いつかないんだ。あんただけが頼りなんだよ白絶」
「……しつこい男は嫌われますよ?」
ラルフの食い下がりにテテュースが口を挟んだ。白絶が不快感を示せば、ここで戦いが始まる。でも引き下がらない。
「嫌われたって構うもんかよ。ミーシャを助けるんだ。俺たちがやらなきゃ、いずれあいつはまた裏切られる。今度こそ止めを刺されちまうんだぜ?」
ラルフは揺るぎない目で白絶を見つめる。
「……頼む。力を貸してくれ」
切実なラルフの願い。白絶はゆっくりと目を瞑って思案を巡らせる。やがてゆっくりと目を開くとラルフを見据えた。
「……条件がある……」
白絶の言葉にラルフの顔は綻んだ。
「取引か……いいね。手っ取り早いぜ」
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる