510 / 718
第十三章 再生
第十六話 追加人員
しおりを挟む
「面倒なことになったな……」
一角人の王”響王”は広い袖の中に腕を突っ込み、袖の中で腕を組んだ。ダンスホールのように広い部屋には数人の侍女と兵士が詰めていた。響王の臣下は君主の語り掛けに見向きもしない。それもそのはず、机の上にある通信機が会話の相手だ。
ホログラムで映し出された顔は領土を二分するもう一人の王”刃王”である。
『……マクマインめ!勝手なことを!!』
通信機越しにガタンガタンと色々倒したような暴れる音が聞こえてくる。
「落ち着け、みっともないぞ?」
『……そなたよくも冷静でいられるな……マクマインの小僧ごときに人族の命運を託そうなどあり得ん話だ。森王も老いさらばえた。奴に対して何のお咎めも無しとは……一つ危惧しているのだが、このままヒューマンの地位の向上を狙っているのではないだろうな?』
「森王がか?それはない。しかしマクマインは狙っているだろうな……ヒューマンは生まれながらの弱者、生きているだけでも不思議な種族だ。所謂劣等感が原動力となり突き動かすのだろう。裏切りにな……」
響王と刃王は共に頷き合う。二人の意見がマクマインの個人的な妬みから来るものだと決した時、口が挟まれた。
「本当にそうでしょうか?」
響王はバッと顔を上げる。この部屋で王を守るはずの兵士や侍女たちも、いきなり出現したこの女性に目を見張る。
「……”魔女”か」
魔女。白の騎士団最年長にして二十歳前後の美貌を保つ、ホーンが誇る魔法使い。青い水晶の角とは対照的なルビー色の瞳はまっすぐに響王を刺す。
「マクマイン公爵を知っています。彼の中にあるのは妬み嫉みのような低俗なものではありません。恨みや憎しみという負の感情。憎悪の吹き溜まりといって過言ではない穢れし者です」
『ソフィー=ウィルム。そなたは当時の作戦で一度会っただけではないか?何故そんなことが分かるというのか?』
「見たからです。彼の言動とブレイブの処刑を。慈悲の一つもなく、同情の欠片も見せない。彼はヒューマンにして魔族のような心を持った怪物です。そのうち取り返しのつかないことを仕出かすだろうと予期しておりました」
「今更何だ?事前に予期出来ていたのなら幾らでも進言出来たはず。起こったことをしたり顔でほざいても貴様の手柄にはならん」
「なるほど、その通りですね。しかし事前に教える気が無かったと言ったらどうでしょう?どうせ何も出来なかったでしょうし、静観を決め込むだろうと確信があったからです。現に八大地獄の時や、今起こっているアルパザのことも放っておく気だったでしょう?」
『!?……そなたそのことをどこで……!』
「厄介な耳があるので私には全てが筒抜けであるとご理解ください」
魔女に違わぬ不可解な存在。第一同じ生き物であるかも疑わしい。
「……では何とする?」
「”煌杖”イザベル=クーンとその部下を連れてアルパザに向かいます。あなたたちが危惧していたヒューマンの地位向上に便乗し、ホーンの価値を高めてまいりましょう。それでは」
ソフィーは踵を返す。
「一つ教えてくれ。いつもの怯えた態度は演技であるとの認識で良いのかな?」
その言葉に足を止め、肩越しに響王を見る。その目には先ほどのルビーの輝きは消え、何一つ感情のない陰りだけが宿っていた。冷や汗を一筋垂らした響王にニコリと笑顔を作ると、それ以上振り返らずに歩き去った。
*
ヒラルドニューマウント。アルパザ近郊にある標高の高い山。頂上付近は酸素が薄く、生き物には住みにくい環境となっている。現に草木は生えず、寂しいだけの岩肌が目立っている。
ここに生息するのはただの一種、”古代竜”。神は彼のことを”飛竜”と呼んだ。
「?」
飛竜は鎌首をもたげて外の様子を伺う。
(……なんだ?)
感じるのは強力な力。多種多様な実力者たちがこの地に集結しようとしている。
(そうか、ついに来たか……)
オロチ、ダークビースト、サイクロプス、リヴァイアサン、麒麟、鳳凰。この世界を悪しき侵略者から守護するための守り手、古代種もとい守護獣の大半が死に絶え、残るはケルベロスと飛竜のみ。
既にミーシャに敗れた身であるとはいえ、未だ生存している飛竜はその任を解かれてはいない。ならば全力で守り抜く。たとえもう一度あの怪物と戦うことになり、死の淵に追いやられることが確定したとしても関係ない。そのために生まれてきた。
(ふっ……二度は負けないさ)
誰と会話するでもなく、自身に言い聞かせる。
死ななければ安い。そのための逃走も考えたが、やはり最強の自負がそれを許さない。
(しかし、何というか……せめて一言会話したかったな……)
神は彼にとっては創造主であり唯一無二の友だ。いつもは放っておいて欲しいと日がな一日寝ているのだが、これが最期になるかもしれないと思えば心の弱さが少し出る。何とも都合の良いことだと自嘲する。特にアシュタロトとは仲が良い。怪我しても率先してやってきてくれるし、誰より面倒見が良かった。
だがそれは贅沢な願いだと考えを改める。ここにきてわがままを言おうなどとは思わない。来るなら来いと臨戦態勢を整えるだけだ。
『飛竜』
その時、声が聞こえた。会話したいと思う気持ちが伝わったのか神がやってきた。しかしアシュタロトではない。贅沢を言うつもりはないが、何でこいつが?と言いたくもなる存在だった。
ふわりと降り立った女性は官能的で、男なら誰でも魅了されそうなほどの美人だった。
『覚えてました?私ですよ、わ・た・し。最近はサトリと名を付けました。良ければ名前も覚えていて欲しいですね』
(サトリ?君が来るとは……いよいよ死期が近いといったところか……)
飛竜はガクッと肩を落とす。自他共に認める死神だったと言うことだ。
『そうガッカリされると悲しいですね。まぁ喜んでいただけるとは思っていませんでしたが』
飛竜がため息をつくと、サトリの背後から「ワンッ」と吠える声が聞こえた。
(……ケルベロス?何だその姿は?……いや、なるほど。大きなままでは目立ちすぎる。戦いを避けるのも役割の一つか……)
とはいえケルベロスの力は古代種の中でも一級品。油断を誘って攻撃するということも考えられる。飛竜は様々な可能性の一部を見出して感心していた。
「はぁ、はぁ……」
そんな超常の会話に異物が混じる。肩で息をしながら草臥れたハットを被り直す男。
標高の高い山の頂上は酸素が薄い。酸素を取り込むのもやっとといった感じで息をしている。
「すっげぇなぁ……はぁ、はぁ……これが古代竜か……」
飛竜の驚きの表情を目の当たりにしながら、ラルフは息を整えてハットの鍔を摘む。
「初めまして、俺の名はラルフ。サトリから色々聞いてる。名前が飛竜だってこと、こっちの言葉はしっかり分かるってこと。あと良識があるってとこか?てな訳で本題に入らせてもらうんだが……飛竜さん、俺と一緒に戦ってくれない?」
一角人の王”響王”は広い袖の中に腕を突っ込み、袖の中で腕を組んだ。ダンスホールのように広い部屋には数人の侍女と兵士が詰めていた。響王の臣下は君主の語り掛けに見向きもしない。それもそのはず、机の上にある通信機が会話の相手だ。
ホログラムで映し出された顔は領土を二分するもう一人の王”刃王”である。
『……マクマインめ!勝手なことを!!』
通信機越しにガタンガタンと色々倒したような暴れる音が聞こえてくる。
「落ち着け、みっともないぞ?」
『……そなたよくも冷静でいられるな……マクマインの小僧ごときに人族の命運を託そうなどあり得ん話だ。森王も老いさらばえた。奴に対して何のお咎めも無しとは……一つ危惧しているのだが、このままヒューマンの地位の向上を狙っているのではないだろうな?』
「森王がか?それはない。しかしマクマインは狙っているだろうな……ヒューマンは生まれながらの弱者、生きているだけでも不思議な種族だ。所謂劣等感が原動力となり突き動かすのだろう。裏切りにな……」
響王と刃王は共に頷き合う。二人の意見がマクマインの個人的な妬みから来るものだと決した時、口が挟まれた。
「本当にそうでしょうか?」
響王はバッと顔を上げる。この部屋で王を守るはずの兵士や侍女たちも、いきなり出現したこの女性に目を見張る。
「……”魔女”か」
魔女。白の騎士団最年長にして二十歳前後の美貌を保つ、ホーンが誇る魔法使い。青い水晶の角とは対照的なルビー色の瞳はまっすぐに響王を刺す。
「マクマイン公爵を知っています。彼の中にあるのは妬み嫉みのような低俗なものではありません。恨みや憎しみという負の感情。憎悪の吹き溜まりといって過言ではない穢れし者です」
『ソフィー=ウィルム。そなたは当時の作戦で一度会っただけではないか?何故そんなことが分かるというのか?』
「見たからです。彼の言動とブレイブの処刑を。慈悲の一つもなく、同情の欠片も見せない。彼はヒューマンにして魔族のような心を持った怪物です。そのうち取り返しのつかないことを仕出かすだろうと予期しておりました」
「今更何だ?事前に予期出来ていたのなら幾らでも進言出来たはず。起こったことをしたり顔でほざいても貴様の手柄にはならん」
「なるほど、その通りですね。しかし事前に教える気が無かったと言ったらどうでしょう?どうせ何も出来なかったでしょうし、静観を決め込むだろうと確信があったからです。現に八大地獄の時や、今起こっているアルパザのことも放っておく気だったでしょう?」
『!?……そなたそのことをどこで……!』
「厄介な耳があるので私には全てが筒抜けであるとご理解ください」
魔女に違わぬ不可解な存在。第一同じ生き物であるかも疑わしい。
「……では何とする?」
「”煌杖”イザベル=クーンとその部下を連れてアルパザに向かいます。あなたたちが危惧していたヒューマンの地位向上に便乗し、ホーンの価値を高めてまいりましょう。それでは」
ソフィーは踵を返す。
「一つ教えてくれ。いつもの怯えた態度は演技であるとの認識で良いのかな?」
その言葉に足を止め、肩越しに響王を見る。その目には先ほどのルビーの輝きは消え、何一つ感情のない陰りだけが宿っていた。冷や汗を一筋垂らした響王にニコリと笑顔を作ると、それ以上振り返らずに歩き去った。
*
ヒラルドニューマウント。アルパザ近郊にある標高の高い山。頂上付近は酸素が薄く、生き物には住みにくい環境となっている。現に草木は生えず、寂しいだけの岩肌が目立っている。
ここに生息するのはただの一種、”古代竜”。神は彼のことを”飛竜”と呼んだ。
「?」
飛竜は鎌首をもたげて外の様子を伺う。
(……なんだ?)
感じるのは強力な力。多種多様な実力者たちがこの地に集結しようとしている。
(そうか、ついに来たか……)
オロチ、ダークビースト、サイクロプス、リヴァイアサン、麒麟、鳳凰。この世界を悪しき侵略者から守護するための守り手、古代種もとい守護獣の大半が死に絶え、残るはケルベロスと飛竜のみ。
既にミーシャに敗れた身であるとはいえ、未だ生存している飛竜はその任を解かれてはいない。ならば全力で守り抜く。たとえもう一度あの怪物と戦うことになり、死の淵に追いやられることが確定したとしても関係ない。そのために生まれてきた。
(ふっ……二度は負けないさ)
誰と会話するでもなく、自身に言い聞かせる。
死ななければ安い。そのための逃走も考えたが、やはり最強の自負がそれを許さない。
(しかし、何というか……せめて一言会話したかったな……)
神は彼にとっては創造主であり唯一無二の友だ。いつもは放っておいて欲しいと日がな一日寝ているのだが、これが最期になるかもしれないと思えば心の弱さが少し出る。何とも都合の良いことだと自嘲する。特にアシュタロトとは仲が良い。怪我しても率先してやってきてくれるし、誰より面倒見が良かった。
だがそれは贅沢な願いだと考えを改める。ここにきてわがままを言おうなどとは思わない。来るなら来いと臨戦態勢を整えるだけだ。
『飛竜』
その時、声が聞こえた。会話したいと思う気持ちが伝わったのか神がやってきた。しかしアシュタロトではない。贅沢を言うつもりはないが、何でこいつが?と言いたくもなる存在だった。
ふわりと降り立った女性は官能的で、男なら誰でも魅了されそうなほどの美人だった。
『覚えてました?私ですよ、わ・た・し。最近はサトリと名を付けました。良ければ名前も覚えていて欲しいですね』
(サトリ?君が来るとは……いよいよ死期が近いといったところか……)
飛竜はガクッと肩を落とす。自他共に認める死神だったと言うことだ。
『そうガッカリされると悲しいですね。まぁ喜んでいただけるとは思っていませんでしたが』
飛竜がため息をつくと、サトリの背後から「ワンッ」と吠える声が聞こえた。
(……ケルベロス?何だその姿は?……いや、なるほど。大きなままでは目立ちすぎる。戦いを避けるのも役割の一つか……)
とはいえケルベロスの力は古代種の中でも一級品。油断を誘って攻撃するということも考えられる。飛竜は様々な可能性の一部を見出して感心していた。
「はぁ、はぁ……」
そんな超常の会話に異物が混じる。肩で息をしながら草臥れたハットを被り直す男。
標高の高い山の頂上は酸素が薄い。酸素を取り込むのもやっとといった感じで息をしている。
「すっげぇなぁ……はぁ、はぁ……これが古代竜か……」
飛竜の驚きの表情を目の当たりにしながら、ラルフは息を整えてハットの鍔を摘む。
「初めまして、俺の名はラルフ。サトリから色々聞いてる。名前が飛竜だってこと、こっちの言葉はしっかり分かるってこと。あと良識があるってとこか?てな訳で本題に入らせてもらうんだが……飛竜さん、俺と一緒に戦ってくれない?」
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる