523 / 718
第十三章 再生
第二十九話 次元渡り
しおりを挟む
イミーナの魔法”朱い雨”発動直後。飛竜はその朱い軌跡に既視感を覚える。
(……そうだ。あの時の朱い魔法……)
ミーシャに完膚無きまでに叩きのめされた飛竜の頭上で起こった裏切りという悲劇。あの時の出来事が回り回って古代種の減少に繋がっていることを知る。自身を殺すことが出来る魔族が自暴自棄になれば、ここまで世界をかき乱せるのだ。たった一つの躓きが全てを瓦解させる。
飛竜には知る由もないが、すぐ側で彼の動向を監視しているエレノアもその一人と言えた。ブレイブに恋をした彼女は魔族を統率する父を殺し、ブレイブとの間に子を為した。特に父親と確執があったわけでもなかったが、愛のためならば肉親ですら犠牲に出来ると証明させた。
このことからも分かるように、イミーナやエレノアと言う存在は浅はかで冗談のように愚かな者たちだ。世界の歯車となって静かに賢く生きていれば良かったものを、自ら大切であった全てをドブに捨てるような行為に呆れ返るばかりだ。
何故こんな連中に関わらなければならないのか。先日のラルフの口車にその場では良き返事をしてやったが、こんな愚かな連中は勝手に死ねば良い。自分には守護獣として、次元の壁を維持する必要がある。ただ寝ているだけだが、生きているだけが仕事だと言える。正直、もう放っておいて欲しかった。
ヒラルドニューマウントの火口の中心からこの光景を見るだけに動いていた飛竜は、踵を返して中心に戻ろうと目を離しかけた。しかし、この時起こった出来事に瞠目し、その目を離すことが出来なかった。
(?……!?……っ!!)
何が起こったのかよく把握出来なかった。目を凝らして何度見てもその現象を説明することが出来なかった。一体何がどうしたと言うのか。その時、エレノアが不意に動き出した。首に下げたネックレスを目と鼻の先に持っていく。
「はい?」
『あ、今から来れる?』
「え、今ぁ?」
『うん』
「了解ぃ、すぐ行くぅ」
『うん。はい、よろしくー』
ラルフの通信が切れる。エレノアは飛竜に向き直る。
「出動要請ぃ。行きましょぅ飛竜さん」
(……エレノアと言ったね?差し支え無ければ教えて欲しいのだが、先ほど突然人族も魔族も消失したように見えたのだが……一体……)
「ああ、あれぇ?ラルフの特異能力だってぇ。確か小さな異次元とか言う能力だって聞いたよぉ。私もぉ何度か見たけど、あんな風に一瞬でみんなを隠しちゃうなんて初めて見たよぉ」
(ポケット……ディメンション……?)
「そうそう。あ、早く行かないと。それじゃ飛竜さん、私はぁ先に行きますねぇ?すぐに来てくれると嬉しいなぁ」
そう言いながら笑顔を振りまき、猛烈な速度で地上へと降りていった。残された飛竜はラルフの特異能力に衝撃を覚えていた。
(それはつまり……異次元の出入り口を作り放題であると言っているようなものではないか?大規模な……それでいて簡単な……。それでは……私の存在理由は……?)
古代種または守護獣と呼ばれる彼らの使命は、魔族が入り込んできた次元の扉を二度と開けないようにする謂わば番人。獣たちそれぞれが結界の支柱となり、何体やられても最後の一体が死ななければ結界としての効力を発揮するように出来ている。
だからこそペルタルクでの総力戦を拒んでまで巣に引きこもったと言うのに、ラルフは支柱を無視して空間に穴を開ける力を持っていた。由々しき事態である。
グググ……ビキビキッ……バサァッ
ずっと使われていなかった六枚の羽を関節の軋みと共に羽ばたかせ、一息にその巨体を持ち上げる。流石の力であると感心せざるを得ないが、その矛先はイミーナではない。イミーナなど眼中にない。この世界において最もイレギュラー且つ、死んだ方が世のためだと断言出来る存在。
『ラルフ!!』
喉を鳴らして出した名前は「グルォォッ……!!」とまるで獣の咆哮のように辺りに鳴り響き、聞き取れないほど空気を震わせた。
普段テレパシー等の方法で会話を可能にしているためか、声帯に多少無理をさせたせいでもあるのだろうが、そんなことに構ってはいられない。とにかく叫びたい気持ちに正直になった。
山の頂上から地上までの距離が長く感じられる。今すぐにでも降り立って吐き散らしたい衝動を溜め込み、ラルフ目掛けて滑空する。だと言うのにラルフは意気揚々とベルフィアの転移に身を任せて前線から下がった。
飛竜にとってはありがたい。木を隠すなら森の中というように、群衆に紛れられたら面倒であったからだ。もちろんその場合は皆殺しにすれば良いが、それだと完璧に殺せたかどうかの確証が得られない。これは飛竜にとっても好機だった。
滑空する翼の角度を調整して崩れ去った防壁跡を目指す。そこによく知るシルエットが見え、飛竜の狙い通りに降り立つことに成功する。
「……え?何?迷子?」
『貴様を殺すぞ!ラルフ!!』
「ん?……なんで?」
本気で疑問符を浮かべるラルフに飛竜は怒る。
『この悪魔が!!貴様の特異能力が原因だと何故分からぬっ!!』
ガパッと大きく開いた口から魔力砲を放つ。ラルフはあまりに唐突な状況に対応出来ずに「わぁ!!」と無様な声をあげた。顔を隠すように左腕で覆い、身を屈めて防御姿勢を取る。全てを消し去る魔力砲に対し、全く意味がないことを除けば、無様極まりない格好であった。
ドンッ……バヂィッ
そんな魔力砲はラルフの手前で弾けた。当然だろう。ミーシャが側で守ってくれている。ベルフィアもアルルも、果てはエレノアも、やろうと思えば魔障壁を張ってラルフを助けられる。そのことに気付いたラルフはホッとして飛竜に目を向けた。
『邪魔をするな魔王!!貴様の相手などしている場合ではない!!』
「あ、そう?こっちはその場合だから邪魔するね」
ミーシャは腕まくりをするように右腕に手を添えて肩を回した。ラルフはすぐ様ミーシャの肩を掴んで止める。自分の計画である飛竜を利用しようとした作戦に穴があったことを感じて、その理由を聞くために前に出た。その顔には出来るだけ悲壮感を出しつつ、何を言っているのか何も分からないと眉をハの字にして問いただそうとする。本当に分からないので演技でもなんでもないわけだが……。
「待ってくれ飛竜!俺は平和を望む単なるヒューマンだ!どんな誤解で敵認定してんのか不明だけど、俺の特異能力程度でそんなにキレることはないだろう!?」
『貴様の能力、それは”次元渡り”の力!世界を滅ぼせる邪悪なもの!即ち貴様こそが元凶!!殺すべき対象っ!!だから死ね!!世界のために!!』
*
この事態に便乗するため、全部隊がここぞとばかりに動き出す。
ゼアル、ソフィー、イミーナ、蒼玉、そして魔族と人族の兵士たち。古代種の意を借りて、今攻勢に打って出る。負けない戦い、勝つための戦い。訪れた好機を逃すまいと虎視眈々と……。
(……そうだ。あの時の朱い魔法……)
ミーシャに完膚無きまでに叩きのめされた飛竜の頭上で起こった裏切りという悲劇。あの時の出来事が回り回って古代種の減少に繋がっていることを知る。自身を殺すことが出来る魔族が自暴自棄になれば、ここまで世界をかき乱せるのだ。たった一つの躓きが全てを瓦解させる。
飛竜には知る由もないが、すぐ側で彼の動向を監視しているエレノアもその一人と言えた。ブレイブに恋をした彼女は魔族を統率する父を殺し、ブレイブとの間に子を為した。特に父親と確執があったわけでもなかったが、愛のためならば肉親ですら犠牲に出来ると証明させた。
このことからも分かるように、イミーナやエレノアと言う存在は浅はかで冗談のように愚かな者たちだ。世界の歯車となって静かに賢く生きていれば良かったものを、自ら大切であった全てをドブに捨てるような行為に呆れ返るばかりだ。
何故こんな連中に関わらなければならないのか。先日のラルフの口車にその場では良き返事をしてやったが、こんな愚かな連中は勝手に死ねば良い。自分には守護獣として、次元の壁を維持する必要がある。ただ寝ているだけだが、生きているだけが仕事だと言える。正直、もう放っておいて欲しかった。
ヒラルドニューマウントの火口の中心からこの光景を見るだけに動いていた飛竜は、踵を返して中心に戻ろうと目を離しかけた。しかし、この時起こった出来事に瞠目し、その目を離すことが出来なかった。
(?……!?……っ!!)
何が起こったのかよく把握出来なかった。目を凝らして何度見てもその現象を説明することが出来なかった。一体何がどうしたと言うのか。その時、エレノアが不意に動き出した。首に下げたネックレスを目と鼻の先に持っていく。
「はい?」
『あ、今から来れる?』
「え、今ぁ?」
『うん』
「了解ぃ、すぐ行くぅ」
『うん。はい、よろしくー』
ラルフの通信が切れる。エレノアは飛竜に向き直る。
「出動要請ぃ。行きましょぅ飛竜さん」
(……エレノアと言ったね?差し支え無ければ教えて欲しいのだが、先ほど突然人族も魔族も消失したように見えたのだが……一体……)
「ああ、あれぇ?ラルフの特異能力だってぇ。確か小さな異次元とか言う能力だって聞いたよぉ。私もぉ何度か見たけど、あんな風に一瞬でみんなを隠しちゃうなんて初めて見たよぉ」
(ポケット……ディメンション……?)
「そうそう。あ、早く行かないと。それじゃ飛竜さん、私はぁ先に行きますねぇ?すぐに来てくれると嬉しいなぁ」
そう言いながら笑顔を振りまき、猛烈な速度で地上へと降りていった。残された飛竜はラルフの特異能力に衝撃を覚えていた。
(それはつまり……異次元の出入り口を作り放題であると言っているようなものではないか?大規模な……それでいて簡単な……。それでは……私の存在理由は……?)
古代種または守護獣と呼ばれる彼らの使命は、魔族が入り込んできた次元の扉を二度と開けないようにする謂わば番人。獣たちそれぞれが結界の支柱となり、何体やられても最後の一体が死ななければ結界としての効力を発揮するように出来ている。
だからこそペルタルクでの総力戦を拒んでまで巣に引きこもったと言うのに、ラルフは支柱を無視して空間に穴を開ける力を持っていた。由々しき事態である。
グググ……ビキビキッ……バサァッ
ずっと使われていなかった六枚の羽を関節の軋みと共に羽ばたかせ、一息にその巨体を持ち上げる。流石の力であると感心せざるを得ないが、その矛先はイミーナではない。イミーナなど眼中にない。この世界において最もイレギュラー且つ、死んだ方が世のためだと断言出来る存在。
『ラルフ!!』
喉を鳴らして出した名前は「グルォォッ……!!」とまるで獣の咆哮のように辺りに鳴り響き、聞き取れないほど空気を震わせた。
普段テレパシー等の方法で会話を可能にしているためか、声帯に多少無理をさせたせいでもあるのだろうが、そんなことに構ってはいられない。とにかく叫びたい気持ちに正直になった。
山の頂上から地上までの距離が長く感じられる。今すぐにでも降り立って吐き散らしたい衝動を溜め込み、ラルフ目掛けて滑空する。だと言うのにラルフは意気揚々とベルフィアの転移に身を任せて前線から下がった。
飛竜にとってはありがたい。木を隠すなら森の中というように、群衆に紛れられたら面倒であったからだ。もちろんその場合は皆殺しにすれば良いが、それだと完璧に殺せたかどうかの確証が得られない。これは飛竜にとっても好機だった。
滑空する翼の角度を調整して崩れ去った防壁跡を目指す。そこによく知るシルエットが見え、飛竜の狙い通りに降り立つことに成功する。
「……え?何?迷子?」
『貴様を殺すぞ!ラルフ!!』
「ん?……なんで?」
本気で疑問符を浮かべるラルフに飛竜は怒る。
『この悪魔が!!貴様の特異能力が原因だと何故分からぬっ!!』
ガパッと大きく開いた口から魔力砲を放つ。ラルフはあまりに唐突な状況に対応出来ずに「わぁ!!」と無様な声をあげた。顔を隠すように左腕で覆い、身を屈めて防御姿勢を取る。全てを消し去る魔力砲に対し、全く意味がないことを除けば、無様極まりない格好であった。
ドンッ……バヂィッ
そんな魔力砲はラルフの手前で弾けた。当然だろう。ミーシャが側で守ってくれている。ベルフィアもアルルも、果てはエレノアも、やろうと思えば魔障壁を張ってラルフを助けられる。そのことに気付いたラルフはホッとして飛竜に目を向けた。
『邪魔をするな魔王!!貴様の相手などしている場合ではない!!』
「あ、そう?こっちはその場合だから邪魔するね」
ミーシャは腕まくりをするように右腕に手を添えて肩を回した。ラルフはすぐ様ミーシャの肩を掴んで止める。自分の計画である飛竜を利用しようとした作戦に穴があったことを感じて、その理由を聞くために前に出た。その顔には出来るだけ悲壮感を出しつつ、何を言っているのか何も分からないと眉をハの字にして問いただそうとする。本当に分からないので演技でもなんでもないわけだが……。
「待ってくれ飛竜!俺は平和を望む単なるヒューマンだ!どんな誤解で敵認定してんのか不明だけど、俺の特異能力程度でそんなにキレることはないだろう!?」
『貴様の能力、それは”次元渡り”の力!世界を滅ぼせる邪悪なもの!即ち貴様こそが元凶!!殺すべき対象っ!!だから死ね!!世界のために!!』
*
この事態に便乗するため、全部隊がここぞとばかりに動き出す。
ゼアル、ソフィー、イミーナ、蒼玉、そして魔族と人族の兵士たち。古代種の意を借りて、今攻勢に打って出る。負けない戦い、勝つための戦い。訪れた好機を逃すまいと虎視眈々と……。
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる