598 / 718
第十四章 驚天動地
第四十六話 鎖からの脱却
しおりを挟む
ミーシャはジッと藤堂を見ていた。
何を考えているのか。ケルベロスと藤堂の夢との直接的な関係性とは何か。鎖の耐久性に対する謎の信頼等、色々な事柄で不可解という他ない。
「どうかしました?ミーシャさん?」
藤堂は首を捻ってミーシャに疑問を投げかける。その言葉にようやくハッとする。
少し時間をかけ過ぎた。
イミーナはこんな時にも懸命に支えているというのに、主人であるミーシャが呆けていては可哀想だ。トンっと床を蹴って背後に飛ぶ。その手には魔力が貯められ、今にも放ちそうな雰囲気を醸し出す。
そんな様子を端から見ていた藤堂は、少しガッカリというような顔を見せる。魔力での攻撃などでは鎖の呪いが払拭されるわけではない。破壊は出来ても破壊された端から直ってしまう。とはいえ、藤堂が不死身であることくらいしか知らないであろうミーシャに察しろというわけにもいかず。
「それじゃ、よろしくお願いしま……」
ドンッ
ミーシャはいきなり本体である藤堂に向けて魔力砲を放った。藤堂の全身を丸々包み込むほどの一撃。その瞬間に藤堂の体は鎖ごと消滅する。
「こんなものか?」
ミーシャは鎖を断ち切るより先に根底を攻撃した。確かに手っ取り早いのだが、これによって次の策が消える。
藤堂の体は消滅した矢先に再生し、あっという間に元の状態にまで戻った。終わったと思ったミーシャに突きつけられた現実。吸血鬼よりもタチが悪い本物の不死身。
「……呪いの鎖のせいでなぁ、この世界に縛り付けられた無様なおっさん。それが俺なんだよなぁ……」
「なるほど厄介な奴だ。吸血鬼の方が簡単だとは思わなかったな……あっ。じゃあ、こんなのはどうかな?」
ミーシャはスッと出した握り拳をゆっくりと広く。そこにビー玉くらいの小さな魔力の塊がちょこんとあるのに気づく。
「吸血鬼を一網打尽にしたこの技ならどうにか出来る。かも?」
指で弾くように飛ばした小さな魔力。藤堂の目と鼻の先で静止すると、突然ブワッと大きくなって彼を包み込んだ。その光景はまるでシャボン玉に包まれた男のようだ。
「あっなるほど、魔障壁ですかい?鎖と切り離しちまえばハラハラと鎖が解けるって思ったみてぇですが、そういうわけにもいかねぇんだなぁ。こいつを見て分かる通り全然切り離されちゃいねぇでしょ?こんなんじゃどうしようもねぇよ?」
「うん大丈夫。まだだから」
ミーシャの言葉に首を傾げたが、直後に理解する。その魔障壁が狭まって窮屈になっていることに気づいたからだ。
「へぇ?やるねぇ……」
ベキッゴキバキッ……ビジュッジュジュー……
藤堂の体は魔障壁の縮小に耐えきれずに所々がへし折れ、最後には肉の塊となって消滅した。鎖の呪いにより、血が出ることがなくなっていたために肉体の原型が崩れる様をまじまじと見せつけられ、少々グロテスクではあったがこれで生き返ることはないだろう。少なくとも吸血鬼はこれで死んだ。
しかしやはりというべきか、当然のように藤堂の体は再生する。粒子と化した肉体は、光の粒が収束していくと共に復活し、何事もなかったかのようにそこに居た。
「え?何よ、それ?」
「すまない。差し出がましいことを言うようで恐縮なのだが、最初にやったこととあまり変わらないように思えた。良ければもう少し工夫してもらえたら嬉しいなぁ。で、これは小さいことなんだが、先に鎖をどうにかしてくんないかなぁ?出来れば鎖の呪いと心中したくねぇからよ」
藤堂は余裕そうに鼻を鳴らす。ミーシャはそれに対し、懐疑的な目で見る。
「……不死身ったって痛みは感じてるんでしょ?何でそんな他人事なわけ?」
「俺ぁ痛みに耐性があってなぁ。流石に全身の消滅は初めてだったが、粗方味わってきた痛みの集大成って感じだったしどうってこたぁねぇ……いや、どうってこたぁねぇのは流石に嘘だがよ?死なねぇなら他人事にもなるぜ?」
千年以上の時を洞窟で過ごし、自暴自棄になろうが発狂しようが捨てることの出来なかった自我の中、痛みだけが藤堂の全てだった。
ミーシャはあまりに異質な存在にようやく気味の悪さを感じた。強ければ何とでもなってきた状況は一気に覆される。碌に痛みすら感じていないような得体の知れない存在は、誰の目から見ても怪物に映るものだ。
グゴゴゴッ……
ミーシャですらお手上げの状態に追い打ちをかけるように要塞が傾き始めた。
(不味い……イミーナがもう限界か?)
鎖を断ち切る。たったこれだけのことが出来ずに手をこまねく。
正直ミーシャはもう諦めていた。力押しが通用しない敵は自分の管轄ではない。このまま引き下がるのは癪だが、如何しようも無い。
「トウドウ……この勝負、預けた」
バッと踵を返して要塞の下に消える。
「へっ……いつでも待ってますよ。この鎖から解放してくれるのをねぇ。……そんなこたぁ夢でもあり得ねぇが……」
藤堂を残してミーシャはイミーナの元に来る。イミーナはやって来たミーシャの不服そうな顔を見て鼻を鳴らした。
「……ダメだったようですね」
ミキミキと奥歯を噛み締めて何とか持ちこたえていたが、とうとうイミーナにも限界が近付く。ミーシャの失敗を経てさらに力が抜けたイミーナは徐々に高度を落とす。
「鎖の呪い……呪いって何よ?」
ミーシャは腕を組んでむくれる。
「そ、そんなことは良いので……これを下ろしてもよろしいでしょうか?何しろあまり重い物を持ち慣れないものでして……」
「……良いよ。ただしゆっくりね」
イミーナは細心の注意を払いながら海のすぐ側まで降り、タイミングを見計らって魔障壁を解く。波間に要塞が挟まり、沈み始めた。
「!?」
それに気付いたケルベロスは本格的に暴れ始めたが、鎖に縛られた体はピクリとも動かない。このまま溺れて死ぬか、何としてでも脱出かの二つに一つ。いや、死ぬことなど論外である。ケルベロスは巨大化させた体を一瞬にして小さくし、分裂する逃走方法を持ち合わせている。雁字搦めに取られた体もこれで自由の身だ。
シュンッ
ケルベロスは三体のしば犬に変化し、鎖の捕縛から解放された。
だが、これは罠である。
「……ふっ、ずっと待っていたぞ」
彼岸花の数ある花弁の陰で、ロングマンはほくそ笑んだ。
何を考えているのか。ケルベロスと藤堂の夢との直接的な関係性とは何か。鎖の耐久性に対する謎の信頼等、色々な事柄で不可解という他ない。
「どうかしました?ミーシャさん?」
藤堂は首を捻ってミーシャに疑問を投げかける。その言葉にようやくハッとする。
少し時間をかけ過ぎた。
イミーナはこんな時にも懸命に支えているというのに、主人であるミーシャが呆けていては可哀想だ。トンっと床を蹴って背後に飛ぶ。その手には魔力が貯められ、今にも放ちそうな雰囲気を醸し出す。
そんな様子を端から見ていた藤堂は、少しガッカリというような顔を見せる。魔力での攻撃などでは鎖の呪いが払拭されるわけではない。破壊は出来ても破壊された端から直ってしまう。とはいえ、藤堂が不死身であることくらいしか知らないであろうミーシャに察しろというわけにもいかず。
「それじゃ、よろしくお願いしま……」
ドンッ
ミーシャはいきなり本体である藤堂に向けて魔力砲を放った。藤堂の全身を丸々包み込むほどの一撃。その瞬間に藤堂の体は鎖ごと消滅する。
「こんなものか?」
ミーシャは鎖を断ち切るより先に根底を攻撃した。確かに手っ取り早いのだが、これによって次の策が消える。
藤堂の体は消滅した矢先に再生し、あっという間に元の状態にまで戻った。終わったと思ったミーシャに突きつけられた現実。吸血鬼よりもタチが悪い本物の不死身。
「……呪いの鎖のせいでなぁ、この世界に縛り付けられた無様なおっさん。それが俺なんだよなぁ……」
「なるほど厄介な奴だ。吸血鬼の方が簡単だとは思わなかったな……あっ。じゃあ、こんなのはどうかな?」
ミーシャはスッと出した握り拳をゆっくりと広く。そこにビー玉くらいの小さな魔力の塊がちょこんとあるのに気づく。
「吸血鬼を一網打尽にしたこの技ならどうにか出来る。かも?」
指で弾くように飛ばした小さな魔力。藤堂の目と鼻の先で静止すると、突然ブワッと大きくなって彼を包み込んだ。その光景はまるでシャボン玉に包まれた男のようだ。
「あっなるほど、魔障壁ですかい?鎖と切り離しちまえばハラハラと鎖が解けるって思ったみてぇですが、そういうわけにもいかねぇんだなぁ。こいつを見て分かる通り全然切り離されちゃいねぇでしょ?こんなんじゃどうしようもねぇよ?」
「うん大丈夫。まだだから」
ミーシャの言葉に首を傾げたが、直後に理解する。その魔障壁が狭まって窮屈になっていることに気づいたからだ。
「へぇ?やるねぇ……」
ベキッゴキバキッ……ビジュッジュジュー……
藤堂の体は魔障壁の縮小に耐えきれずに所々がへし折れ、最後には肉の塊となって消滅した。鎖の呪いにより、血が出ることがなくなっていたために肉体の原型が崩れる様をまじまじと見せつけられ、少々グロテスクではあったがこれで生き返ることはないだろう。少なくとも吸血鬼はこれで死んだ。
しかしやはりというべきか、当然のように藤堂の体は再生する。粒子と化した肉体は、光の粒が収束していくと共に復活し、何事もなかったかのようにそこに居た。
「え?何よ、それ?」
「すまない。差し出がましいことを言うようで恐縮なのだが、最初にやったこととあまり変わらないように思えた。良ければもう少し工夫してもらえたら嬉しいなぁ。で、これは小さいことなんだが、先に鎖をどうにかしてくんないかなぁ?出来れば鎖の呪いと心中したくねぇからよ」
藤堂は余裕そうに鼻を鳴らす。ミーシャはそれに対し、懐疑的な目で見る。
「……不死身ったって痛みは感じてるんでしょ?何でそんな他人事なわけ?」
「俺ぁ痛みに耐性があってなぁ。流石に全身の消滅は初めてだったが、粗方味わってきた痛みの集大成って感じだったしどうってこたぁねぇ……いや、どうってこたぁねぇのは流石に嘘だがよ?死なねぇなら他人事にもなるぜ?」
千年以上の時を洞窟で過ごし、自暴自棄になろうが発狂しようが捨てることの出来なかった自我の中、痛みだけが藤堂の全てだった。
ミーシャはあまりに異質な存在にようやく気味の悪さを感じた。強ければ何とでもなってきた状況は一気に覆される。碌に痛みすら感じていないような得体の知れない存在は、誰の目から見ても怪物に映るものだ。
グゴゴゴッ……
ミーシャですらお手上げの状態に追い打ちをかけるように要塞が傾き始めた。
(不味い……イミーナがもう限界か?)
鎖を断ち切る。たったこれだけのことが出来ずに手をこまねく。
正直ミーシャはもう諦めていた。力押しが通用しない敵は自分の管轄ではない。このまま引き下がるのは癪だが、如何しようも無い。
「トウドウ……この勝負、預けた」
バッと踵を返して要塞の下に消える。
「へっ……いつでも待ってますよ。この鎖から解放してくれるのをねぇ。……そんなこたぁ夢でもあり得ねぇが……」
藤堂を残してミーシャはイミーナの元に来る。イミーナはやって来たミーシャの不服そうな顔を見て鼻を鳴らした。
「……ダメだったようですね」
ミキミキと奥歯を噛み締めて何とか持ちこたえていたが、とうとうイミーナにも限界が近付く。ミーシャの失敗を経てさらに力が抜けたイミーナは徐々に高度を落とす。
「鎖の呪い……呪いって何よ?」
ミーシャは腕を組んでむくれる。
「そ、そんなことは良いので……これを下ろしてもよろしいでしょうか?何しろあまり重い物を持ち慣れないものでして……」
「……良いよ。ただしゆっくりね」
イミーナは細心の注意を払いながら海のすぐ側まで降り、タイミングを見計らって魔障壁を解く。波間に要塞が挟まり、沈み始めた。
「!?」
それに気付いたケルベロスは本格的に暴れ始めたが、鎖に縛られた体はピクリとも動かない。このまま溺れて死ぬか、何としてでも脱出かの二つに一つ。いや、死ぬことなど論外である。ケルベロスは巨大化させた体を一瞬にして小さくし、分裂する逃走方法を持ち合わせている。雁字搦めに取られた体もこれで自由の身だ。
シュンッ
ケルベロスは三体のしば犬に変化し、鎖の捕縛から解放された。
だが、これは罠である。
「……ふっ、ずっと待っていたぞ」
彼岸花の数ある花弁の陰で、ロングマンはほくそ笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる