異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら

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第十六話「覇王の器と、健一の秘密」

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健一の目の前に立つゴードンは、もはやかつての傲慢な冒険者ではなかった。
彼の瞳は冷徹な魔力を帯び、全身から放出される闇の波動は、強大な魔族であるセレナすらも戦慄させるほどの重圧を放っていた。
「ゴードン……貴様、あの闇の魔晶石で力を得たのか」 健一が問うと、ゴードンは傲然と笑った。
 「そうだ、新人!私が手に入れたこの力は、『覇王の器』!世界を支配するための、真の力だ!お前ごときチートの老兵に、その片鱗を味合わせてやる!」 ゴードンは咆哮と共に、手に持つ黒い魔晶石を掲げた。
魔晶石から放出された闇の波動が、異界への門から漏れ出る魔力と共鳴し、ゴードンの全身を禍々しい鎧のように包み込んだ。
「フィーナ、ルナ!援護は不要!セレナ、アリア、リルム!全員、門の閉鎖に集中しろ!」 健一は、自身の勘が、この戦いは他のメンバーを巻き込むべきではないと告げているのを感じていた。
ゴードンが持つ力は、以前の彼とは比べ物にならない。
「何を言うんだ、おじさん!一人で戦うつもりか!」 ルナが叫ぶが、健一は一歩も引かない。
 「これは、俺の戦いだ。
お前たちには、この異界の門を完全に閉じさせる方が重要だ!」 健一の決意に、ハーレムメンバーたちは一瞬戸惑ったが、彼の力と判断を信頼し、それぞれの持ち場へと散った。
ゴードンは、闇の力をその手に集め、健一へと放った。
それは、周囲の空間すら歪ませるほどの、純粋な破壊の波動だった。
 「死ね、佐藤健一!『覇王の一撃(オーバーロード・ブラスト)』!」
健一は、『無双剣・虚無』を構える。
剣の全属性無効化の特性を信じ、彼はその闇の波動を真正面から受け止めた。
 ゴォォォォッ! 凄まじい衝撃波が地下ダンジョンを襲い、岩盤が砕け散る。
しかし、健一は一歩も動いていなかった。
 闇の波動は、『無双剣・虚無』に触れた瞬間、まるで水が乾いた大地に吸い込まれるかのように消滅した。
 「な……馬鹿な!全属性無効化だと!?そんな武具、あり得ない!」 ゴードンは驚愕に目を見開いた。
「あり得ないものを作るのが、俺の仲間だ」 健一は、静かに『無双剣・虚無』を振り下ろした。
 健一は、ゴードンが闇の魔晶石の力に頼りすぎており、自身の身体能力を活かしきれていないことを、一瞬で見抜いた。
 【スキル『武術解析』がレベルアップしました!】 【スキル『対魔力増幅』を習得しました!】
健一の剣は、もはやただの剣ではなかった。
ゴードンの闇の魔力を吸収し、それを逆利用するかのように、光の剣となってゴードンの防御を突き破る。
 「ぐっ……速い!なぜ、私の反応速度を超えられる!?」 ゴードンは驚きと共に、自身の身体の闇の鎧が、健一の剣に触れる度に削られていくのを感じた。
その時、ゴードンは笑みを浮かべた。
 「ふふふ……所詮、お前は『覇王の器』ではない。
その程度の力で、私に勝てると思うな!」 ゴードンは、自身の身体に闇の魔力を更に注ぎ込んだ。
その魔力の奔流は、ゴードンの理性を食い破り、彼を異形のものへと変貌させていく。
 ゴードンの身体は膨れ上がり、全身から黒いトゲのようなものが生え始めた。
もはや、人間の姿ではない。
「健一様!彼の魔力が急激に増大しています!このままでは、身体が持たない!」 セレナが、魔力分析を通じて警告する。
 「これこそが、『闇の福音』が与えた真の力だ!我々は、世界を管理する『神託の民』だ!お前たち異物など、歴史の塵にしてくれる!」 ゴードンは、自身の背後にいる巨大な組織の名を口にした。
『神託の民』。
それは、この世界を裏から操る、真の黒幕の組織名だった。
健一は、ゴードンの言葉に眉をひそめた。
『神託の民』。
それが、この世界の異変の原因か。
「残念だが、お前の戯言に付き合っている暇はない」 健一は、『無双剣・虚無』の力を、更に解放した。
 健一の全身から、無限の魔力が溢れ出し、ダンジョン全体を包み込んだ。
その魔力は、ゴードンの闇の魔力を優しく包み込み、しかし有無を言わさぬ力で抑え込んでいく。
「おじさんの本当の力を見せてやる」
健一は、ゴードンの闇の波動を完全に無効化し、彼との距離を一気に詰めた。
ゴードンの眼前に現れた健一は、その一瞬で、百回以上の突きをゴードンの身体に叩き込んだ。
 【スキル『無双乱舞』を習得しました!】 【スキル『神速剣技』を習得しました!】 それは、人間の反応速度を超越した、時空間魔術と神速剣技の融合による、究極の攻撃だった。
「グアァァァァッ!!」 ゴードンの異形の身体は、健一の神速の突きによって、内部から崩壊していく。
闇の魔力がゴードンの身体から抜け出し、異界への門へと流れ込もうとした。
「させない!」 健一は、『無双剣・虚無』を門へと突き刺した。
 剣の全属性無効化と、新たに得た虚空属性攻撃の力が融合し、門から流れ出ようとしていた闇の魔力を完全に遮断した。
 そして、その隙に、背後で準備を整えていたアリアとセレナが、魔力を一点に集中させた。
「『時空間封印術式(タイム・ロック)』!」 アリアが、時空間魔術で門そのものの次元を歪ませ、閉鎖を試みる。
 「『魔族封印陣(デーモン・バリア)』!」 セレナが、魔族の秘術である封印術式で、門から漏れ出る異界の魔力を完全に抑え込む。
二人の、異なるが強力な魔術が融合し、門はゆっくりと、しかし確実な力で閉鎖されていった。
 そして、ゴードンは、闇の魔力を完全に失い、ただの人間の姿に戻った。
彼は、その場で糸の切れた人形のように倒れ伏した。
異界の門が完全に閉鎖された後、ダンジョンに再び静寂が戻った。
 健一は、安堵の息を吐きながら、ゴードンの傍に歩み寄った。
ゴードンの口元からは、少量の血が流れ出ていたが、命に別状はないようだ。
 「ゴードン。
『神託の民』について、全て話してもらうぞ」
その時、健一の背後から、フィーナが駆け寄ってきた。
 「健一様!大丈夫ですか!?」 彼女の瞳は、健一の圧倒的な力を見た驚愕と、彼が無事だった安堵で潤んでいた。
 ルナも、健一の肩に手を置き、興奮を隠せない様子だった。
 「おじさん……あんた、本当に何者なんだ?あの時、私らの視界すら追いつかなかったぜ!」
アリアは、眼鏡を押し上げながら、健一を見つめた。
 「あなたの魔力放出量、そして瞬間的な術式の上書き、全てが規格外よ。
そして、あの剣の特性……。
あなたは、私たちが考えている以上の存在だわ」 セレナは、ゴードンの闇の魔力を解析していた。
 「健一様……彼の闇の魔力は、私の里の知識にもない、純粋な邪悪です。
そして、その背後にある組織は、相当な規模と技術力を持っています」 リルムは、健一の『無双剣・虚無』を、誇らしげな目で見つめていた。
彼女は、この剣が、健一の力を引き出す真の武具であることを再認識した。
健一は、五人の仲間たちを見渡し、静かに口を開いた。
 「俺は……ただの、定年間際のおじさんだった。
それが、ひょんなことからこの世界に転生して、チート能力をもらった。
それが、【無限成長】だ」 健一は、自らの異世界転生の秘密と、【無限成長】の能力について、初めて仲間たちに明かした。
 「俺が皆と出会い、共に歩むことで、俺の力は際限なく増大する。
だからこそ、俺にはお前たちの力が必要なんだ」
メンバーたちは、健一の告白に、驚きつつも、納得の表情を浮かべた。
彼の超常的な強さの理由が、これで分かったからだ。
 「へぇ、転生者か!ますます面白くなってきたぜ!」 ルナは、逆にワクワクしている。
 「健一様がどんなお方であっても、わたくしは健一様に救っていただきました。
わたくしの忠誠は変わりません」 セレナは、深く頭を下げた。
 フィーナは、健一の手を握りしめた。
 「健一様が、どこから来たどんな方でも、わたくしの英雄であることは変わりません。
これからも、ずっとお側にいさせてください」 リルムも、頷きながら健一を見つめていた。
健一は、仲間たちの変わらぬ信頼に、心からの笑顔を見せた。
 「ありがとう。
さて、まずはこのゴードンをギルドに連行して、『神託の民』について、徹底的に吐かせてもらうとしよう」
『無双の老兵団』は、ゴードンを拘束し、エルドリア地下ダンジョンの異変を解決した。
彼らの名は、再び大陸全土に轟くことになる。
しかし、健一の心の中には、新たな敵、『神託の民』という、見えざる巨大な脅威の影が、深く刻まれたのだった。
彼らの旅は、単なる冒険から、世界の裏側に潜む闇との戦いへと、その性質を変えていくことになる。
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