異世界転生したらチート能力で最強になって、気づいたら美女たちに囲まれて国まで作ってた件

自ら

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第5章 - 王都の試練と闇の組織

第28話:王都への旅立ち

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 ノヴァシティでの祝賀が終わり、一週間が過ぎた頃、俺たちは王都への旅立ちを決めた。

 セレスティアとの結婚を正式に国王に認めてもらうため、そして彼女と共に歩む未来を確かなものにするため。この旅は、俺たちにとって新たな門出でもあり、同時に未知への挑戦でもあった。

 朝、屋敷の前には大型の馬車が三台用意されている。一台目には俺と六人のヒロインたち、二台目には護衛の騎士たち、三台目には荷物が積まれていた。その光景は、まるで小さな行列が王都へ向かうかのような壮観さだった。

「本当に、みんなで行くのか?」

 俺が尋ねると、クレアが当然だという顔で答えた。

「当たり前だ。お前一人で行かせるわけにはいかない」
「私も、お前の力になりたい」

 リリエルも、静かに頷く。その目には、いつもの冷静さに加えて、どこか決意のようなものが宿っていた。

「わたしも行く! レンおにいちゃんと一緒!」

 ミーナが、元気よく尻尾を振る。

「私も、同行させていただきますわ。王都での礼儀作法など、お教えできることがあるかもしれません」

 シャルロットが、優雅に微笑む。

「あたしも行くよ。王都には商人の知り合いが多いからね。情報収集には自信がある」

 レイラが、豪快に笑った。

「みんな...ありがとう」

 俺の言葉に、六人が嬉しそうに笑う。その笑顔は、まるで太陽のように明るく、俺の心を温かく照らしてくれた。

 セレスティアも、感動したように涙を浮かべている。

「皆さん...本当に、ありがとうございます」

 こうして、俺たち七人は王都への旅に出発した。

 馬車の中は、予想以上に賑やかだった。

「王都って、どんなところなの?」

 ミーナが、窓から外を眺めながら尋ねる。

「とても大きな街ですよ」

 セレスティアが、優しく答える。

「ノヴァシティの十倍以上の規模で、人口も数万人います。王宮は、それはそれは豪華で...」

 セレスティアの説明を聞きながら、みんなが期待に胸を膨らませている。その様子は、まるで遠足を前にした子供たちのように無邪気で微笑ましかった。

「でも、王都は政治の中心でもあります」

 シャルロットが、少し真剣な表情で言う。

「貴族たちの思惑が渦巻く場所。油断は禁物ですわ」
「ああ。気をつけよう」

 俺が答えると、クレアが剣の柄に手をかけた。

「何かあれば、すぐに対処する」

 その姿勢は、まるで獲物を警戒する狼のように鋭く、頼もしかった。

 旅は順調に進んでいた。

 街道は整備されていて、馬車は快適に走る。道中、いくつかの街や村を通り過ぎた。どこも平和で、人々が笑顔で手を振ってくれる。

 だが、二日目の午後——

 森の中を通っている時、突然、矢が飛んできた。

「危ない!」

 クレアが、即座に剣で矢を弾く。

 馬車が急停止し、俺たちは外に飛び出した。

 森の中から、黒い服を着た男たちが現れた。その数は十人ほど。顔は布で隠され、正体は分からない。だが、その殺気は本物だった。まるで、闇そのものが人の形を取って襲いかかってくるかのような、冷たく鋭い気配が漂っている。

「お前たちは...!」

 俺が叫ぶと、男たちは無言で襲いかかってきた。

「させるか!」

 クレアが、剣を抜いて前に出る。

 リリエルも、杖を構えた。

「【ファイアボール】!」

 炎の球が、男たちに向かって飛んでいく。だが、男たちは素早く回避し、散開した。

「やるな...!」

 俺も、剣を抜いて応戦する。

 男たちの動きは速く、訓練されている。だが、俺たちの方が上だった。クレアの剣技が、次々と男たちを倒していく。リリエルの魔法が、逃げ場を塞ぐ。ミーナの矢が、正確に敵を射抜く。

 五分ほどで、男たちは全員倒れた。

「...何者だ?」

 俺は、倒れた男の一人に近づいた。だが、男は既に息絶えている。口から泡を吹いていて、毒を飲んだようだった。

「自害したのか...」

 クレアが、厳しい表情で呟く。

「ただの盗賊ではないな」

 レイラが、男たちの装備を調べている。

「武器も質が良い。金をかけた装備だ」
「組織的な襲撃...」

 リリエルが、冷静に分析する。

「誰かが、私たちを狙っている」

 セレスティアが、不安そうに俺を見る。

「レン様...」
「大丈夫だ」

 俺は、セレスティアの肩を抱いた。

「何が来ても、守る」

 だが、心の中では不安が渦巻いていた。この襲撃は、何かの始まりに過ぎないような気がする。その予感は、まるで暗雲が空を覆っていくかのように、じわじわと俺の心を侵食していった。

 三日目の夕方、俺たちは王都に到着した。

 遠くから見えた王都の姿に、俺は息を呑んだ。

 巨大な城壁に囲まれた街。その中には、無数の建物が立ち並んでいる。中央には、白亜の王宮がそびえ立ち、その威容は、まるで天を突くかのように雄大だった。ノヴァシティとは比べ物にならない規模と豪華さが、この街の持つ力を物語っている。

「すごい...」

 ミーナが、目を輝かせている。

「これが、王都...」

 シャルロットも、感慨深そうに呟く。

「久しぶりですわ」

 馬車は、城門をくぐって街の中へと入っていく。

 街の中は、活気に満ち溢れていた。商店が立ち並び、人々が行き交い、まるで祭りのような賑わいだった。石畳の道は美しく整備され、街灯が規則正しく並んでいる。建物も、どれも立派で、貴族の館や豪華な商店が目を引く。

「本当に、大きな街だな...」

 俺が呟くと、セレスティアが微笑んだ。

「これが、王国の中心です」

 馬車は、王宮の近くにある別邸へと向かった。

 別邸は、王宮ほどではないが、それでも十分に豪華だった。三階建ての白い館で、庭には美しい花々が咲いている。使用人たちが出迎えてくれて、俺たちは部屋へと案内された。

 部屋は広く、調度品も高級なものばかりだった。

「ここで、しばらく滞在します」

 セレスティアが説明する。

「明日、父上——国王陛下に謁見する予定です」
「分かった」

 俺は、窓から王宮を眺めた。

 明日、あの場所で国王と会う。そして、セレスティアとの結婚を認めてもらう。緊張するが、同時に決意も固まっていた。

 夜、俺は別邸の庭を歩いていた。

 月明かりが、庭を優しく照らしている。噴水の水音が、心地よく響いていた。

「レン」

 背後から、クレアの声が聞こえた。

 振り向くと、彼女が立っていた。月明かりを浴びた彼女の姿は、どこか憂いを帯びていて、いつもの力強さとは違う儚さを感じさせた。

「クレア。どうした?」
「少し、話したくて」

 クレアは、俺の隣に立った。

 しばらく、沈黙が続く。だが、それは居心地の悪いものではなく、むしろ心地よい静寂だった。

「お前が、セレスティアと結婚すること...」

 クレアが、ゆっくりと口を開いた。

「複雑だ」
「クレア...」
「いや、誤解しないでくれ」

 クレアは、俺を見つめた。

「反対しているわけじゃない。セレスティアは、いい人だ。お前を愛していることも、よく分かる」
「だが...」

 クレアの声が、震える。

「私は、お前の最初の女だった。一番長く一緒にいた。それが...誇りでもあり、支えでもあった」
「でも、今は六人になって、明日からはもっと増えるかもしれない。私の立場が、どんどん...」

 クレアは、言葉を詰まらせた。

 俺は、クレアを抱きしめた。

「クレア、お前は特別だ」
「...」
「お前がいなければ、俺はここまで来れなかった。お前は、俺の支えだ。それは、これからも変わらない」

 クレアの体が、震えている。

「本当に...?」
「ああ。約束する」

 クレアは、俺の胸に顔を埋めた。

「...ありがとう」

 その声は、涙で濡れていた。

「私、お前を応援する。セレスティアとの結婚も、他の誰が来ても。お前が幸せなら、それでいい」
「クレア...」
「でも、たまには...私のことも、思い出してね」

 クレアは、顔を上げて微笑んだ。その笑顔には、寂しさと優しさが入り混じっていて、俺の胸を締め付けた。

「忘れるわけがない」

 俺たちは、静かに抱き合っていた。

 月が、二人を優しく照らしている。
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