【完結】悪役令嬢をすればするほど溺沼化していくので、早くヒロインとくっついてください。

第二章 【学園編】

19.ヒロインVS悪役令嬢(それぞれの視点)

「いい加減止めてもらえませんか？………耐えきれないんです。」

目の前のムシュリ子爵令嬢は何を言ってるんだか。
ほんと、性格悪く育ったことだ。
何が耐えきれないよ、言いがかりにもほどがある。悲劇な自分を演出してるかもしれないけど口が笑ってるわよ。

サミュラお姉様を陥れるために言ってるんでしょうけど、喋れば喋るほどボロ出てるよ……後ろから押されたのに何で断定出来てるのかな？
ほら、疑問に思ってる人が難しい顔をして見てるのに気づかないなんてもう終わりね。

「言われたことには心当たりがないですが、ミゥレンド様と名前呼びできるほどの関係と言うことですね。」

サミュラお姉様のことを言われカチンときて、思わず反論してしまった。
横を見るとそれはそれは嬉しそうな顔をしたサミュラお姉様がいたからいいとしますか。

はぁ……何度も思うけどこのヒロインは最悪な性格してるわ。
プロト様？がどこに引っ掛かったのか謎ですね。

人を陥れて幸せをつかもうとするなんて絶対に幸せにならないし、私達が溺愛するサミュラお姉様を標的にした時点で終わってるんだけどね。

これからの人生一生悔やむといいわ。


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一体何を言ってるんだこの令嬢は。
証拠もないのにどうしてサミュラが犯人だと言っているのかわからないが、手紙の件にしても俺とサミュラを邪魔してるのはわかる。

サミュラ以外に愛を呟くわけないだろ！！
近くにいるプロトは俺の側近から外れてから見ていなかったが、顔色を悪くして伏し目がちになっていた。
俺との関係よりもこんな女に夢中になってたのか………情けない。


「婚約破棄しない。」


サミュラが何て言おうと離しはしない。
注目の的で恥ずかしいのか顔が真っ赤になってるのが可愛い。
見せびらかしたくて、俺のものだって示したくて抱き締めてるんだ。
このままずっと俺の腕の中に閉じ込めたい。

柔らかいな………サミュラを目の前にすると思考がヤバイ方向にいく。

目の前にいるこの女ムシュリ嬢がプロトとサミュラへの手紙を回収してたと思うと、怒りが込み上げてくる。

落ち着け。
今はサミュラがいるんだ処罰は後でいい。

「名前を呼ぶことを許してるのはサミュラにだけだ。ムシュリ子爵令嬢、プロト、お前達は処罰が決まるまで謹慎していろ。逃げ出さないように監視の騎士をつける。連れていけ。」



ことの経緯を知らない周りはざわついていたが、ムシュリ嬢の異常な言語に混乱状態を見ていつの間にか静かになっていた。