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「これから先、俺はライラを手放すことはないから覚悟してくれ。」
「?????」
「ライラが離れて行くなら地の果てまで追いかけるからな。」
「!!!!!?」
私、死の宣言されてる?
爽やかな笑みを崩さず、優雅なダンスを踊りながら恐ろしいことを言われた………が、誰かと間違ってるよ。
「ダッダンスを途中で退場するようなことはしないわ。」
腰に添えられていた手に力を込められて更にアルスフォードに密着する。
こっこれはさすがに近づきすぎだ。
離れようと後退する力を加えるが……
「逃がしはしない。」
話し聞いてる?
怖いわ。
笑顔で言われるのがなお怖い。
「アルスフォードどうしちゃったの?」
アルスフォードは公爵家の嫡男だが母親同士が親友のため伯爵令嬢である私も昔からフレンドリーに接してくれてる。
今日も私のデビュタントのためにエスコートを引き受けてくれた。
「ライラはドルミンではなく俺のエスコートを選んでくれたな。」
ん?ドルミンはアルスフォードの好きな人だから警戒してたのかな。
「ドルミン様はアルスフォードの友達でしょ?私は簡易的にしか知らないしそんな親しくな…………あっ、曲が終わっちゃった。一曲目踊ってくれてありがとう。後は私華の壁になってるね。ほら、アルスフォードを狙ってるご令嬢達がこっちを睨んでるわ、ふふ………って曲終わったから離れなきゃ。」
最後のポーズの密着状態のままで凄く恥ずかしい。
二曲目がすぐに始まるから早く離れなきゃ大変だ。
「また踊るぞ。」
「えっ!?二曲目続けて踊るのは婚約者とだけじゃなかった?」
返事が聞けないまま二曲目突入。
これいいのかな。
あっ。そっか、ここはBLの世界だけど公には出来ないんだね。
だから私なんだ。
それならそうと言ってくれたら私カモフラージュしてあげるのに。
ドルミンと密かに愛を育んでね。
「なにニヤニヤしてるんだ?」
「あー素直じゃないなって思って。ドルミンに見せつけたいんでしょ?ほどほどにしといた方がいいよ。」
ヤキモチやいてほしい気持ちはわかるけど、素直が一番伝わるよ。
「………ドルミンが気になるのか?」
それはアルスフォードの方でしょ。
あっ、私にとられると思ってる?大丈夫よ、二人は両思いだから最後はハッピーエンドで終わったのを見届けたんだから………前世でね。
「そうね、(アルスフォードの想い人だから)気になるわね。」
私にとっては大切な幼馴染みなんだよ、アルスフォードは。
だから傷ついたりしてほしくないし、幸せになってほしい。
「顔はいい方だろうが軽いぞ?」
きゃぁぁ。誰にでもいい顔するのが気に入らないの?
顔は抽象的なイケメンの部類で男女問わず人気だ。
『あの赤髪から覗く黒の瞳が色っぽくて見つめられるとノックアウトですわ』とドルミンファン組織から聞いたことがある。
間近で見るとフェロモン垂れ流ししてるし、モテるからか町で見かけては男女問わず違う人といる………アルスフォードも見かけてるよね。
友達だからなおさらその場面を見てるから……辛いのかな。
「そうね。でも(アルスフォードが)好きなら仕方ないわ。ドルミン様も(アルスフォードへの)秘めた恋心があるから心配しなくていいよ。」
「はっ?秘めた恋心?ライラいつのまにドルミンと親しげになったんだ?」
えっ?怖い怖い怖い。
笑顔が怖いんだけど。
それにみんな手を添えるだけのダンスなのに、私達だけ引き寄せられて抱き締めあってるようになってておかしくない?
「ドルミン様とはアルスフォードと一緒にいた時に挨拶程度しか話したことないわ。秘めた恋心はドルミン様の視線の先(必ずアルスフォードがいるんだから)を見てわかったの。………ねぇ、この状況おかしいよね?」
「全然。普通だな。むしろもっと寄れよ。」
普通なわけない。
凄く視線が集中してるのをひしひしと感じる。
無理無理無理。これ以上寄ると唇が身体に触れちゃうじゃん。
「こっこれ以上は………きやっ。」
視界が暗闇になったと思った瞬間、あっ落ち着く匂いだ~と一瞬おちゃらけムード突入しそうになったが、アルスフォードからギュウッと抱き締められていた。
ダンスホールで抱擁はさすがに目立つから急いで離れようとしても力が強くてびくともしない。
「俺をこんな気持ちにさせたお前が悪い。」
長年一緒にいるとわかってしまう。
表情見えてなくても声のトーンで………これはかなり怒ってる。
どこに怒る要素あった?
「とひあえふはなふぇて」
言葉がしゃべれなくなる程くっついてるってやばくない?
離れたとき周りを見るのが怖いわ。
頭の上からクスクス笑ってるの気づいてるからね。
そっちがその気ならこっちも対抗してやる。
私からも腕をアルスフォードの背中に回しギュッと抱きついた。
抱きついてるからわかるが小さくアルスフォードの身体がビクついたことはみんなにはわからないだろうな。
ふふふ。私をからかうからだ。
本命のドルミンもこの会場にいるし私とのこと見られたくないでしょう。
「ライラから初めてだ。」
更に力込められてぐえっと変な声が出そうになったがここは踏ん張ってたのに、耳元で甘くささやかれて全身ぶわっと電流が流れるような不思議な感覚で………恥ずかしい。
もう駄目だ……離れても顔を上げられない。
こんな幼馴染みとデビュタントでダンスを踊るどころか抱き締めあってしまってる時点でいろんなことがアウトな気がする。
そもそもなんでこんなことになった?
そこでプツリと私の思考回路は閉ざされた。
「?????」
「ライラが離れて行くなら地の果てまで追いかけるからな。」
「!!!!!?」
私、死の宣言されてる?
爽やかな笑みを崩さず、優雅なダンスを踊りながら恐ろしいことを言われた………が、誰かと間違ってるよ。
「ダッダンスを途中で退場するようなことはしないわ。」
腰に添えられていた手に力を込められて更にアルスフォードに密着する。
こっこれはさすがに近づきすぎだ。
離れようと後退する力を加えるが……
「逃がしはしない。」
話し聞いてる?
怖いわ。
笑顔で言われるのがなお怖い。
「アルスフォードどうしちゃったの?」
アルスフォードは公爵家の嫡男だが母親同士が親友のため伯爵令嬢である私も昔からフレンドリーに接してくれてる。
今日も私のデビュタントのためにエスコートを引き受けてくれた。
「ライラはドルミンではなく俺のエスコートを選んでくれたな。」
ん?ドルミンはアルスフォードの好きな人だから警戒してたのかな。
「ドルミン様はアルスフォードの友達でしょ?私は簡易的にしか知らないしそんな親しくな…………あっ、曲が終わっちゃった。一曲目踊ってくれてありがとう。後は私華の壁になってるね。ほら、アルスフォードを狙ってるご令嬢達がこっちを睨んでるわ、ふふ………って曲終わったから離れなきゃ。」
最後のポーズの密着状態のままで凄く恥ずかしい。
二曲目がすぐに始まるから早く離れなきゃ大変だ。
「また踊るぞ。」
「えっ!?二曲目続けて踊るのは婚約者とだけじゃなかった?」
返事が聞けないまま二曲目突入。
これいいのかな。
あっ。そっか、ここはBLの世界だけど公には出来ないんだね。
だから私なんだ。
それならそうと言ってくれたら私カモフラージュしてあげるのに。
ドルミンと密かに愛を育んでね。
「なにニヤニヤしてるんだ?」
「あー素直じゃないなって思って。ドルミンに見せつけたいんでしょ?ほどほどにしといた方がいいよ。」
ヤキモチやいてほしい気持ちはわかるけど、素直が一番伝わるよ。
「………ドルミンが気になるのか?」
それはアルスフォードの方でしょ。
あっ、私にとられると思ってる?大丈夫よ、二人は両思いだから最後はハッピーエンドで終わったのを見届けたんだから………前世でね。
「そうね、(アルスフォードの想い人だから)気になるわね。」
私にとっては大切な幼馴染みなんだよ、アルスフォードは。
だから傷ついたりしてほしくないし、幸せになってほしい。
「顔はいい方だろうが軽いぞ?」
きゃぁぁ。誰にでもいい顔するのが気に入らないの?
顔は抽象的なイケメンの部類で男女問わず人気だ。
『あの赤髪から覗く黒の瞳が色っぽくて見つめられるとノックアウトですわ』とドルミンファン組織から聞いたことがある。
間近で見るとフェロモン垂れ流ししてるし、モテるからか町で見かけては男女問わず違う人といる………アルスフォードも見かけてるよね。
友達だからなおさらその場面を見てるから……辛いのかな。
「そうね。でも(アルスフォードが)好きなら仕方ないわ。ドルミン様も(アルスフォードへの)秘めた恋心があるから心配しなくていいよ。」
「はっ?秘めた恋心?ライラいつのまにドルミンと親しげになったんだ?」
えっ?怖い怖い怖い。
笑顔が怖いんだけど。
それにみんな手を添えるだけのダンスなのに、私達だけ引き寄せられて抱き締めあってるようになってておかしくない?
「ドルミン様とはアルスフォードと一緒にいた時に挨拶程度しか話したことないわ。秘めた恋心はドルミン様の視線の先(必ずアルスフォードがいるんだから)を見てわかったの。………ねぇ、この状況おかしいよね?」
「全然。普通だな。むしろもっと寄れよ。」
普通なわけない。
凄く視線が集中してるのをひしひしと感じる。
無理無理無理。これ以上寄ると唇が身体に触れちゃうじゃん。
「こっこれ以上は………きやっ。」
視界が暗闇になったと思った瞬間、あっ落ち着く匂いだ~と一瞬おちゃらけムード突入しそうになったが、アルスフォードからギュウッと抱き締められていた。
ダンスホールで抱擁はさすがに目立つから急いで離れようとしても力が強くてびくともしない。
「俺をこんな気持ちにさせたお前が悪い。」
長年一緒にいるとわかってしまう。
表情見えてなくても声のトーンで………これはかなり怒ってる。
どこに怒る要素あった?
「とひあえふはなふぇて」
言葉がしゃべれなくなる程くっついてるってやばくない?
離れたとき周りを見るのが怖いわ。
頭の上からクスクス笑ってるの気づいてるからね。
そっちがその気ならこっちも対抗してやる。
私からも腕をアルスフォードの背中に回しギュッと抱きついた。
抱きついてるからわかるが小さくアルスフォードの身体がビクついたことはみんなにはわからないだろうな。
ふふふ。私をからかうからだ。
本命のドルミンもこの会場にいるし私とのこと見られたくないでしょう。
「ライラから初めてだ。」
更に力込められてぐえっと変な声が出そうになったがここは踏ん張ってたのに、耳元で甘くささやかれて全身ぶわっと電流が流れるような不思議な感覚で………恥ずかしい。
もう駄目だ……離れても顔を上げられない。
こんな幼馴染みとデビュタントでダンスを踊るどころか抱き締めあってしまってる時点でいろんなことがアウトな気がする。
そもそもなんでこんなことになった?
そこでプツリと私の思考回路は閉ざされた。
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