【完結&番外編追加】変態第三王子は初恋を実らせる

MAYY

文字の大きさ
4 / 12

4.条件

しおりを挟む
「では、この条件でよろしいですね?」

微笑みながら顔が真っ青なムキラド国の役人に再度確認する。
そこまで無茶な要求はしてるつもりはないが……また第一王子か第二王子が来ると睨んで油断してたな。
兄上達も馬鹿ではない、馬鹿ではないが扱いやすい……ようは簡単に有利に持っていけると思ってたんだろう。

「はっはい……これで問題ありません。」

「そっ、よかったです。これからもよろしくお願い致しますね。」

鋭い視線を向けつつにっこり笑ってみせると役人達がビクッと肩を震わせてる。
失礼な、そこまで怖いことはしてないはずなんだが?



「さすがですね、ライト殿下。難航していた取引をものの5分で終わらせるなんて。しかも、あちら側が『なんて事だ……こんなはずではなかった。優勢であった我が国の痛いところをついて形勢をひっくり返されるとは……あの第三王子は恐ろしい……危険すぎる……。』と話してましたよ。ライト殿下の護衛騎士として誇らしいです。」

誇らしげにいつも一緒にいる護衛騎士が興奮した様子で話してきた。
何処で聞いたのやら。
騎士の役割だけじゃなくいつもいい情報ネタを持ってくるんだよな。
優秀な護衛騎士だよ、まったく。

「そんな呆れた顔で見ないでください。ライト殿下は全然自分の凄さをわかってません。他の兄弟より誰よりも優れていらっしゃって王位に近い存在なのにそれを表に出さず………時々歯痒くなりますが、ライト殿下のお考えを尊重します。」

ほんと、何故俺なんかに忠誠を誓ってるんだこいつ。

「俺は王位には興味ない。継承権はあるが別にどうでもいい。」

「サティア・バーレン公爵令嬢には執着されてるのに?」

はぁ……小さな頃から俺の護衛してるから俺の執着のことをわかってるからやりずらい。

「悪いか?」

「そんな睨まないでください。私はライト殿下が初めて人に興味を示すことが嬉しいのです。」

嘘を言ってる目ではない。
いつも正直にまっすぐに伝えてくるところは好きなんだよな。

「ありがとう。」

素直に受け取っておこう。



はぁぁぁ……サティアが足りない。
帰りの馬車の中で俺の思考はすでに条件をクリアしてサティア一色になっている。

もう我慢できない。
ポケットに入れていた物を取り出し頬擦りする。
ああ、サティアサティアサティア。

「不敬承知で申し上げます。ヤバイやつになってますよ、ライト殿下。」

俺の目の前に座っている護衛騎士がジト目で俺を見ている。

「仕方ないだろ、サティアが足りないんだ。」

「まぁ…………………………………そのおかげでやる気をだし一気に取引を終えたのですが。」

まぁからが長くないか?
どんだけ言葉を選んでるんだ。
うまくまとめてくれてはいるが、複雑な感情が隠れてないぞ。

「こんな俺に長年ついてきているのはお前くらいだ。それにしてもサティアは素直で可愛かったなぁ。」

そう、取引に来る前にバーレン公爵家に寄って、公爵と侯爵夫人は領地の見回りで留守だったから予想通りサティアが出迎えてくれた。

出会ってから数ヶ月たったサティアは言葉や身体が成長していた。

「サティアの王子様。来てくださり嬉しいです。」

俺は立場的に王子であるから毎日は無理だが出来るだけサティアに内密に会いに行っていた。
いまでは二人だけの秘密の場所も確保している。

「急に訪ねて悪いが、これから少し公務で離れるからサティアにこれを渡しておく。」

「うわぁ、綺麗です。ライト王子様の瞳と同じ赤色のブレスレット、ずっと身に付けておきます。」

そう、俺のものだとわかるように肌身離さず持っていてくれ。

「なら俺はサティアの私物を貰うね。」

ドレスの胸元についていたリボンをスルリと取ってチュッとキスをおとした。
サティアはぼぼぼっと顔を赤くしてとても可愛かったから

「今はこれで我慢しておくよ。」

つい言ってしまった。
言葉の意味はわかってなかったみたいでよかったが……押さえるのに必死だ。

間近で透き通るような白い肌を見てしまうと触りたい衝動に駆られる。



早くあの白い肌を思う存分触れ回したいよ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢のひとりごと

鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

処理中です...