【完結&番外編追加】変態第三王子は初恋を実らせる

MAYY

文字の大きさ
8 / 12

7.結婚したい

しおりを挟む
「婚約者ではなく早くサティアと結婚したい」

家族団欒の最中に思ったことを口にした俺の発言に第一王子と第二王子の兄達は食べている手を一斉に止め俺を見る。

「あらあらあら、ライト声に本音が漏れてるわ。」

困った子ね~と笑いながら母上は言ってくるが、父上は困った顔をしている。

「すみません、つい本音が漏れてしまいました。」

「お前がサティア嬢を溺愛してるのはわかるがまだデビュタント前のご令嬢だ。せめてそれまで待てぬのか?」

「デビュタント……ですか。ご令嬢にとってもちろん大事なことはわかってますが、デビュタントすれば令息達の目にもとまる。浅はかな考えで俺のサティアに近づく令息達がいると俺の心は穏やかにはいられないのでの保証は出来ませんが、国王である父上がそういうのなら仕方ありませんね。」

賑やかに告げる俺の言葉に父上も兄上達も真っ青になってるがわかってたことだろうと呆れてしまう。

「ふふふ。困ったわねぇ~サティア嬢はライトに想われて幸せね。」

端からみたら異常だと思うはずが、母上だけは俺の溺愛ぶりを嬉しそうに話す辺り大物だな。

「………ライトがサティア嬢との結婚を望む気持ちはわかった。お互い想いあっているのは見てとれる。前代未聞ではあるがサティア嬢のデビュタントの時に結婚の正式発表としよう。」

「父上の理解に感謝します。」

国王である父上に了承され、サティアとの結婚が早くなることを考えると満面の笑みになる。

「ライトが嬉しそうでなによりだわ。」

俺の顔をみた母上が微笑み敵わないなと改めて思う。
父上と兄達は固い笑みを浮かべながら身体が震えているが、今さらだろ。

「それから、デビュタントに結婚まで時間がないので、もっと会う機会を増やします。さての王城へ入る許可が欲しいです。」

「………わかった。バーレン公爵には私から伝えよう。」

これで不安材料は一つ減ったな。
早くサティアを俺の膝の上に跨がせたい。




「なんですと?こっ国王陛下許可したのですか?」

「仕方なかろう……我が息子ながらライトは恐ろしい。サティア嬢のことになると更にヤバさが倍増するのだ。結婚を延ばそうものなら国がなくなってしまうかもしれぬ。」

「そんっ……。」

今までのサティアへの執着を思い起こしそんなわけないとは言えなかった。
顔色が悪い国王陛下を見るとライト王子から何か言われたのだろう。

「ライトには感情がないと心配していたが、人を愛することが出来て嬉しくはあるが執着がとんでもなく激しくてな。サティア嬢がいるからライトも大人しいんだ。国のために……わかってくれ。」

「サティアのデビュタントまで一年もありません。」

かわいいかわいい我が子がこんなに早く親元から離れるなんて想像してなかった。
サティアのことを想ってくれてるのは親としてありがたいが……早すぎる。
サティア………私のかわいいサティア………。

「さらにだが、交流と王子妃教育のためサティア嬢を王城へ通わせてもらう。」

国王陛下の最後の言葉に打ちのめされたのは言うまでもない。





「ふぇ!?」

サティアの驚き方が可愛い。

「俺のお嫁さんになってくれる?」

サティアの大きな瞳を見つめると、だんだん顔が真っ赤になってくりくりした瞳が潤んでいく。


可愛い。の一言だ。


恥ずかしがるサティアを膝の上に股がらせ目の前に豊満に育ったサティアの胸があり顔を上げればポロリと涙をこぼしている可愛い顔がある。

ここは天国か。

「はい、嬉しい。サティアの夢はライト様のお嫁さんになることです。大好き。」

ああ、なんて可愛いことを言うんだ。
おかげで俺の理性が飛んでしまって優しく出来なくなる。

「俺もサティアのことが好きだよ。」

サティアが嬉しそうに抱きついて豊満な胸に顔が包まれる。


はぁ……サティア俺を煽るな。
ドレスの上からでも想像よりも柔らかいサティアを感じて限界だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

すべてはあなたの為だった~狂愛~

矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。 愛しているのは君だけ…。 大切なのも君だけ…。 『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』 ※設定はゆるいです。 ※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

王子の婚約者は逃げた

ましろ
恋愛
王太子殿下の婚約者が逃亡した。 13歳で婚約し、順調に王太子妃教育も進み、あと半年で結婚するという時期になってのことだった。 「内密に頼む。少し不安になっただけだろう」 マクシミリアン王子は周囲をそう説得し、秘密裏にジュリエットの捜索を命じた。 彼女はなぜ逃げたのか? それは─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。

香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。 皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。 さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。 しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。 それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

噂の聖女と国王陛下 ―婚約破棄を願った令嬢は、溺愛される

柴田はつみ
恋愛
幼い頃から共に育った国王アランは、私にとって憧れであり、唯一の婚約者だった。 だが、最近になって「陛下は聖女殿と親しいらしい」という噂が宮廷中に広まる。 聖女は誰もが認める美しい女性で、陛下の隣に立つ姿は絵のようにお似合い――私など必要ないのではないか。 胸を締め付ける不安に耐えかねた私は、ついにアランへ婚約破棄を申し出る。 「……私では、陛下の隣に立つ資格がありません」 けれど、返ってきたのは予想外の言葉だった。 「お前は俺の妻になる。誰が何と言おうと、それは変わらない」 噂の裏に隠された真実、幼馴染が密かに抱き続けていた深い愛情―― 一度手放そうとした運命の絆は、より強く絡み合い、私を逃がさなくなる。

処理中です...