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6 第二王子「公爵令嬢は王太子妃になられる方だ」
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第三裁判室へ入ると裁判官が座る席には黄金の髪に新緑眼の美青年が座っていた。ラオルドに似た雰囲気ではあるがラオルドよりかなり細めな体躯である。
「キリア! なぜお前がそこにいる!?」
ラオルドが声を荒らげ一歩近寄ろうとするがラオルドの隣にいる近衛兵が腕一本で押さえる。
「第一王子殿下はそちらの席へ。エーティル嬢はこちらにお座りください」
キリアは第二王子である。普段はラオルドを『兄上』と呼ぶが今日は公的な敬称で呼んだ。
ラオルドには被告の弁護人が座る席を指示し、エーティルを自分の隣に呼ぶ。近衛兵は押すようにしてラオルドを弁護人席へ連れて行った。
側近の青年たちとウェルシェは被告人席へ座らされた。
「国王陛下はエーティル嬢のお父上である公爵閣下と対談中ですので代理で私が参りました」
公爵に捕まったとあれば無理は通せない。無理を通すと公爵がここへ直々に来ることになりかねないしそうなると弁明の余地もないことは明白だ。ラオルドは国王陛下が同席していないことに納得するしかなかった。
エーティルが座るとムーガとメイドは後ろに控える。キリアとエーティルが座る段より一段下の裁判官席には十人もの裁判官が座っている。
キリアが話を始めた。
「第一王子殿下は王太子権に関する決まりに法りその権利を放棄したとみなされました。
今後のお立場といたしまして騎士団所属か王城総務部所属かを選べます。一週間後にお聞きしますのでそれまでに決断してください」
「どうしてラオルド様がそんなところへ行くのよっ!
王太子の勉強でも騎士団はないでしょっ!」
被告人席から立ち上がったウェルシェが叫ぶ。近衛兵が動こうとするがキリアがそれを止めた。
キリアは隣に座るエーティルに声をかけた。
「どうしてこういう状況になったのか調査の一環としてかの者たちに発言を許します。エーティル嬢には不快なお気持ちにさせてしまうかもしれませんがご了承ください」
「ええ。大丈夫ですわ。わたくしも知りたいですもの」
キリアが首肯し前を向き直す。
「第一王子殿下」
キリアに呼ばれたラオルドは返事もしない。顔を歪めて目を瞑っている。
キリアは聞こえているとみなして話を進める。
「侍らせていた者に王太子権に関する決まりを説明していないのですか?」
「いえっ! いたしましたっ!」
ラオルドの代わりにウェルシェの隣に座る側近の一人ドリテンが答えた。もう一人ソナハスも思っきり頭を上下に振り仲間に賛同している。
「何!? 何のこと?」
ウェルシェは叫んだ側近を睨む。もうすでにエーティルに詰め寄った時の儚げな少女はここにいない。
「何度も言ったではないかっ! エーティル様が王太子妃になられるのだと。お前がエーティル様を差し置いて王太子妃になるなど誰も考えていない」
ドリテンとウェルシェが喧嘩腰に話をしていく。
「そんなのあんたが決めつけないでよっ! ラオルド様が私を選んでくれるに決まっているでしょう!」
「だからそれがありえないと説明しただろう?!」
『ダンダン』
キリアたちの一段下に座る副裁判長と思わしき裁判官たちの真ん中に座る男が小槌を叩いた。
「勝手な言動はお控えください」
ウェルシェは口をとがらせて側近と別の方を向いた。
「そこの者。よく聞け。ともかく大切なことはエーティル嬢と婚姻する者が王太子になるということだ」
キリアがゆっくりとした物言いで説明する。
「わかっているわよっ! だからエーティルとラオルド様は婚約しているんでしょう!?」
ウェルシェがエーティルを呼び捨てにしてメイド二人が殺気立つ。エーティルはそれらを後ろに手を翳して抑えた。メイドたちは目を伏せて御意を表したが殺気は消えきっていない。
キリアは今はエーティルが呼び捨てにされたということよりウェルシェがどのように理解し側近たちがどのようにフォローしてきたのかを知りたいためにメイドたちを黙らせた。
「キリア! なぜお前がそこにいる!?」
ラオルドが声を荒らげ一歩近寄ろうとするがラオルドの隣にいる近衛兵が腕一本で押さえる。
「第一王子殿下はそちらの席へ。エーティル嬢はこちらにお座りください」
キリアは第二王子である。普段はラオルドを『兄上』と呼ぶが今日は公的な敬称で呼んだ。
ラオルドには被告の弁護人が座る席を指示し、エーティルを自分の隣に呼ぶ。近衛兵は押すようにしてラオルドを弁護人席へ連れて行った。
側近の青年たちとウェルシェは被告人席へ座らされた。
「国王陛下はエーティル嬢のお父上である公爵閣下と対談中ですので代理で私が参りました」
公爵に捕まったとあれば無理は通せない。無理を通すと公爵がここへ直々に来ることになりかねないしそうなると弁明の余地もないことは明白だ。ラオルドは国王陛下が同席していないことに納得するしかなかった。
エーティルが座るとムーガとメイドは後ろに控える。キリアとエーティルが座る段より一段下の裁判官席には十人もの裁判官が座っている。
キリアが話を始めた。
「第一王子殿下は王太子権に関する決まりに法りその権利を放棄したとみなされました。
今後のお立場といたしまして騎士団所属か王城総務部所属かを選べます。一週間後にお聞きしますのでそれまでに決断してください」
「どうしてラオルド様がそんなところへ行くのよっ!
王太子の勉強でも騎士団はないでしょっ!」
被告人席から立ち上がったウェルシェが叫ぶ。近衛兵が動こうとするがキリアがそれを止めた。
キリアは隣に座るエーティルに声をかけた。
「どうしてこういう状況になったのか調査の一環としてかの者たちに発言を許します。エーティル嬢には不快なお気持ちにさせてしまうかもしれませんがご了承ください」
「ええ。大丈夫ですわ。わたくしも知りたいですもの」
キリアが首肯し前を向き直す。
「第一王子殿下」
キリアに呼ばれたラオルドは返事もしない。顔を歪めて目を瞑っている。
キリアは聞こえているとみなして話を進める。
「侍らせていた者に王太子権に関する決まりを説明していないのですか?」
「いえっ! いたしましたっ!」
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「何!? 何のこと?」
ウェルシェは叫んだ側近を睨む。もうすでにエーティルに詰め寄った時の儚げな少女はここにいない。
「何度も言ったではないかっ! エーティル様が王太子妃になられるのだと。お前がエーティル様を差し置いて王太子妃になるなど誰も考えていない」
ドリテンとウェルシェが喧嘩腰に話をしていく。
「そんなのあんたが決めつけないでよっ! ラオルド様が私を選んでくれるに決まっているでしょう!」
「だからそれがありえないと説明しただろう?!」
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「勝手な言動はお控えください」
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「そこの者。よく聞け。ともかく大切なことはエーティル嬢と婚姻する者が王太子になるということだ」
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「わかっているわよっ! だからエーティルとラオルド様は婚約しているんでしょう!?」
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