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翌日、第一王子は使用人部屋に監禁されている元第三王子に会いに行った。
昨日とは打って変わって大人しくしていた。
第一王子は椅子に腰掛けベッドに座っている元第三王子に声をかけた。
「なぜあんなことをやらかしたんだ?」
「『第三王子は何もできない』『第三王子は女一人守れない』って言われたくなかったんだ。みなの見ている前で男爵令嬢を守ってやれると見せたかった」
「そんな……」
第一王子は『そんな小さなことで』という言葉を飲み込んだ。人それぞれ傷つく言葉は違うのだ。
「自分しか見えていなかった。兄貴の金まで……ごめん」
「金などかまわん。時が経てば元にはもどるだろう。贅沢がしたいわけではない。服など同じ物でいいのなら、考える手間が省けてよいと思うほどだ」
「アハハハハ」
第一王子の冗談に哀しげに笑った。
「たまには手紙を寄越せよ」
元第三王子はコクリと首肯した。
ロンゼ公爵家のことを一言も口にしなかった元第三王子。第一王子はそれほどまでに逃げたかったのだろうと理解した。
〰️ 〰️ 〰️
メルド公爵家は罰金一千万ガルは私財から支払った。しかし醜聞により他家との交流が減ることは予想され、衰退は免れないだろう。数年後には公爵でなくなると思われている。
侯爵家二家は私財と領地を少し売り罰金を支払った。
王家を含めた五家は罰則金よりも謝罪金や慰謝料が多額である。
特に冤罪をかけようとしたことに対する令嬢たちの家の怒りはとてつもない。傷物にされそうになったことも『国王陛下のおかげでならなかったからいいだろう』にはならない。
公爵家も領地を売ることになったし、侯爵家は多くの領地を売らなければ支払いができないため領地の広さから伯爵に降爵した。
青年たちは令嬢への傷害罪で多額の罰金刑も可能であったが、廃嫡廃籍されれば罰金も払えないので実刑になる。それをわかった上で早々に廃嫡廃籍された。しかし親たちとて、子供らの罰金まで支払えば爵位返上となってしまっただろう。
その判断は領民を救うためなのか、自分たちが救われるためなのか……それはわからない。
男爵家は爵位を売っても足らず、当主夫妻と令嬢の兄は借金就労者として金銭の立替をしたロンゼ公爵が管理をしている鉱山で働かされることになった。三人で懸命に働けば数十年後には出られる予定である。
男爵令嬢は有罪となった令息たちとは別の辺境砦に送られた。どんな仕事をさせられるのかは不明である。
〰️ 〰️ 〰️
後継者試験の採用に伴い、貴族学園の中等部を設立し、これまでの部を高等部とした。下位貴族では幼い頃からの教育は金銭的にも難しいという考えからである。
なので、中等部高等部ともに納税額によって学費を変え、男爵家であっても学べるような環境となった。
その新たな学園の設立建立は今回問題を起こした各家からの罰金と令嬢たちの家からの多額の寄付により多くが賄われた。
それにより、彼らの愚かな行動について更に語り継がれることになったのは副産物か副作用か。
〰️ 〰️ 〰️
「これはこれで悪くないな」
平民服を着てホコリまみれの顔をした元第三王子は馬にブラシをかけながら呟いた。
見上げれば雲一つない青空が目の前いっぱいに広がっている。
「兄貴達は空がこんなに広いってわかっているかな? 窓枠に切り取られた空なんかよりずっとずっと広いことを」
まるで自分だけの宝物のように両腕を広げる。ブラシを右手に持ったままの笑顔は輝いていた。
〰️ 〰️ 〰️
〰️ 〰️ 〰️
男爵令嬢の処遇については……。
はいっ! 明言は避けました。逃げです!
適度な内容が浮かばず皆様に丸投げです。
ごめんなさい。
これで終わりのつもりがツイツイ筆が進んでしまいまだ続くことになりました(;^ω^)
次話からは『ロンゼ公爵令嬢のその後』です。
少しばかり恋愛モードになります。
蛇足かも…
昨日とは打って変わって大人しくしていた。
第一王子は椅子に腰掛けベッドに座っている元第三王子に声をかけた。
「なぜあんなことをやらかしたんだ?」
「『第三王子は何もできない』『第三王子は女一人守れない』って言われたくなかったんだ。みなの見ている前で男爵令嬢を守ってやれると見せたかった」
「そんな……」
第一王子は『そんな小さなことで』という言葉を飲み込んだ。人それぞれ傷つく言葉は違うのだ。
「自分しか見えていなかった。兄貴の金まで……ごめん」
「金などかまわん。時が経てば元にはもどるだろう。贅沢がしたいわけではない。服など同じ物でいいのなら、考える手間が省けてよいと思うほどだ」
「アハハハハ」
第一王子の冗談に哀しげに笑った。
「たまには手紙を寄越せよ」
元第三王子はコクリと首肯した。
ロンゼ公爵家のことを一言も口にしなかった元第三王子。第一王子はそれほどまでに逃げたかったのだろうと理解した。
〰️ 〰️ 〰️
メルド公爵家は罰金一千万ガルは私財から支払った。しかし醜聞により他家との交流が減ることは予想され、衰退は免れないだろう。数年後には公爵でなくなると思われている。
侯爵家二家は私財と領地を少し売り罰金を支払った。
王家を含めた五家は罰則金よりも謝罪金や慰謝料が多額である。
特に冤罪をかけようとしたことに対する令嬢たちの家の怒りはとてつもない。傷物にされそうになったことも『国王陛下のおかげでならなかったからいいだろう』にはならない。
公爵家も領地を売ることになったし、侯爵家は多くの領地を売らなければ支払いができないため領地の広さから伯爵に降爵した。
青年たちは令嬢への傷害罪で多額の罰金刑も可能であったが、廃嫡廃籍されれば罰金も払えないので実刑になる。それをわかった上で早々に廃嫡廃籍された。しかし親たちとて、子供らの罰金まで支払えば爵位返上となってしまっただろう。
その判断は領民を救うためなのか、自分たちが救われるためなのか……それはわからない。
男爵家は爵位を売っても足らず、当主夫妻と令嬢の兄は借金就労者として金銭の立替をしたロンゼ公爵が管理をしている鉱山で働かされることになった。三人で懸命に働けば数十年後には出られる予定である。
男爵令嬢は有罪となった令息たちとは別の辺境砦に送られた。どんな仕事をさせられるのかは不明である。
〰️ 〰️ 〰️
後継者試験の採用に伴い、貴族学園の中等部を設立し、これまでの部を高等部とした。下位貴族では幼い頃からの教育は金銭的にも難しいという考えからである。
なので、中等部高等部ともに納税額によって学費を変え、男爵家であっても学べるような環境となった。
その新たな学園の設立建立は今回問題を起こした各家からの罰金と令嬢たちの家からの多額の寄付により多くが賄われた。
それにより、彼らの愚かな行動について更に語り継がれることになったのは副産物か副作用か。
〰️ 〰️ 〰️
「これはこれで悪くないな」
平民服を着てホコリまみれの顔をした元第三王子は馬にブラシをかけながら呟いた。
見上げれば雲一つない青空が目の前いっぱいに広がっている。
「兄貴達は空がこんなに広いってわかっているかな? 窓枠に切り取られた空なんかよりずっとずっと広いことを」
まるで自分だけの宝物のように両腕を広げる。ブラシを右手に持ったままの笑顔は輝いていた。
〰️ 〰️ 〰️
〰️ 〰️ 〰️
男爵令嬢の処遇については……。
はいっ! 明言は避けました。逃げです!
適度な内容が浮かばず皆様に丸投げです。
ごめんなさい。
これで終わりのつもりがツイツイ筆が進んでしまいまだ続くことになりました(;^ω^)
次話からは『ロンゼ公爵令嬢のその後』です。
少しばかり恋愛モードになります。
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