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セイバーナは首を傾げる。
「王家からの家庭教師なら週末に我が家へいらしてくださっております。それなのに勉強に来いというのは一緒に勉強せよということですか? それならやはり逢瀬のお誘いでは?」
「うふふ。本当に面白い捉え方をなさるのね」
エトリアはクスクスと笑う。アロンドがエトリアに軽く会釈をして椅子を引きエトリアは着席した。ヘレナたちはエトリアにお茶を淹れ直す。
アロンドが話の後を引き継いだ。
「ヨネタス殿には王女殿下が降嫁するにあたりそれについての勉強をしていただかなくてはなりませんので家庭教師が赴いており、警備や外交、他国語、経済学や地理学などを学んでいらっしゃいますね」
「ええそうです」
素直なセイバーナにアロンドは頷く。
「ですが、ご婚姻まであと一年を切りました。時間が足りないと言わざるを得ません」
「は?」
「この学園では、学び舎は三年間変わることはありません。なぜだかご存知ですか?」
この質問には周りの生徒たちも顔を見合わせて正解を探し出した。
「ここは王族も通う学園です。王族が通う際には警備は強化されます。学年が上がるたびに学び舎を変えますとその都度警備体制を考え直さねばなりません」
「「「なるほどぉ」」」
生徒たちは大仰に首肯した。
この学園では三年間同じ学び舎で過ごす。
学園の警備の話になり、セイバーナは尚更混乱する。
その表情を見たアロンドは苦笑いした。
「それほど王族への警備は重要だということです」
セイバーナはまだ半信半疑だ。
「例えば、お邸の警備も強化していただかなくてはなりません。領地のお邸もです。
馬車における警備も当然強化が必要です。
少なくとも王女殿下がお子様をお産みになるまでは。
ヨネタス殿は警備についての知識が騎士団ほどにおありになりますか?」
セイバーナがフルフルと小さく顔を横に振る。
「また、ご婚姻後には王女殿下の伴侶としてパーティーに出席していただくことになりますので、外交や語学において対外的に恥ずかしくない教養を必要とするためです。
経済学なども他国からのお客様との会話において侮られないためですね」
「そんな……」
セイバーナは白くなり震えていた。
「警備についてはなんとなくわかりました。
でもっ! エトリア王女殿下は私に嫁ぐ予定だったのですよね? ヨネタス公爵家の者になるのですよね? なのになぜそれほど高度な教養がっ! 王族並みの教養がっ! そんなものが私に必要となるのですかっ?!
今の家庭教師からもこの学園より高等なものを教授されていますよ」
セイバーナが縋るように叫ぶのをアロンドは可哀想な者を見るように見つめた。
セイバーナは優秀だ。公爵家の嫡男としてあと数年勉強すれば間違いなく認められる。
「エトリア王女殿下にその価値があるからです」
「っ!!」
「ヨネタス殿とのご婚約がお決まりになるまではたくさんの釣書を保留しておりました。そして、ご婚約後はそれらの縁談をお断りしておりますが、それでもたくさん届くのです。断っても断っても届くのです。
その方々にヨネタス殿がエトリア王女殿下に相応しいのだと示さねば、ヨネタス殿が誹謗中傷を受けることになりかねません。エトリア王女殿下はそれを憂慮なさってヨネタス殿に王城にて学ばれるようにと仰ったのです」
「そんな……私のため……?」
「わたくしからも一言よろしいですか?」
公爵令嬢であるケイトリアが立ち上がった。
「王家からの家庭教師なら週末に我が家へいらしてくださっております。それなのに勉強に来いというのは一緒に勉強せよということですか? それならやはり逢瀬のお誘いでは?」
「うふふ。本当に面白い捉え方をなさるのね」
エトリアはクスクスと笑う。アロンドがエトリアに軽く会釈をして椅子を引きエトリアは着席した。ヘレナたちはエトリアにお茶を淹れ直す。
アロンドが話の後を引き継いだ。
「ヨネタス殿には王女殿下が降嫁するにあたりそれについての勉強をしていただかなくてはなりませんので家庭教師が赴いており、警備や外交、他国語、経済学や地理学などを学んでいらっしゃいますね」
「ええそうです」
素直なセイバーナにアロンドは頷く。
「ですが、ご婚姻まであと一年を切りました。時間が足りないと言わざるを得ません」
「は?」
「この学園では、学び舎は三年間変わることはありません。なぜだかご存知ですか?」
この質問には周りの生徒たちも顔を見合わせて正解を探し出した。
「ここは王族も通う学園です。王族が通う際には警備は強化されます。学年が上がるたびに学び舎を変えますとその都度警備体制を考え直さねばなりません」
「「「なるほどぉ」」」
生徒たちは大仰に首肯した。
この学園では三年間同じ学び舎で過ごす。
学園の警備の話になり、セイバーナは尚更混乱する。
その表情を見たアロンドは苦笑いした。
「それほど王族への警備は重要だということです」
セイバーナはまだ半信半疑だ。
「例えば、お邸の警備も強化していただかなくてはなりません。領地のお邸もです。
馬車における警備も当然強化が必要です。
少なくとも王女殿下がお子様をお産みになるまでは。
ヨネタス殿は警備についての知識が騎士団ほどにおありになりますか?」
セイバーナがフルフルと小さく顔を横に振る。
「また、ご婚姻後には王女殿下の伴侶としてパーティーに出席していただくことになりますので、外交や語学において対外的に恥ずかしくない教養を必要とするためです。
経済学なども他国からのお客様との会話において侮られないためですね」
「そんな……」
セイバーナは白くなり震えていた。
「警備についてはなんとなくわかりました。
でもっ! エトリア王女殿下は私に嫁ぐ予定だったのですよね? ヨネタス公爵家の者になるのですよね? なのになぜそれほど高度な教養がっ! 王族並みの教養がっ! そんなものが私に必要となるのですかっ?!
今の家庭教師からもこの学園より高等なものを教授されていますよ」
セイバーナが縋るように叫ぶのをアロンドは可哀想な者を見るように見つめた。
セイバーナは優秀だ。公爵家の嫡男としてあと数年勉強すれば間違いなく認められる。
「エトリア王女殿下にその価値があるからです」
「っ!!」
「ヨネタス殿とのご婚約がお決まりになるまではたくさんの釣書を保留しておりました。そして、ご婚約後はそれらの縁談をお断りしておりますが、それでもたくさん届くのです。断っても断っても届くのです。
その方々にヨネタス殿がエトリア王女殿下に相応しいのだと示さねば、ヨネタス殿が誹謗中傷を受けることになりかねません。エトリア王女殿下はそれを憂慮なさってヨネタス殿に王城にて学ばれるようにと仰ったのです」
「そんな……私のため……?」
「わたくしからも一言よろしいですか?」
公爵令嬢であるケイトリアが立ち上がった。
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