逢魔が時の神隠し

ほの

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妖鬼山

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集合時間の12時。待ち合わせしていた場所で待っていても隼人が来ない。まあ、もう、慣れている。隼人はいつも遅刻する。だいたい数分から一時間くらいの遅刻。腹が立つという感情さえも消えた。どうせすぐ遅刻の連絡が来る、そう思いながら携帯を眺めていた。

「ごめん、唯。あれから二度寝しちまって、今起きた。急いで準備する。着くの14時くらいになると思う。」

予想の斜め上を行く連絡に思わずため息が出る。

「二時間遅れはやばいでしょ、クソ隼人。僕も暇じゃないんだけど。こんなことなら読みかけの小説持ってこれば良かったな。」

慣れているといえど、さすがに腹が立ってきた。ふつふつと湧いてきた苛立ちを抑えるために、「遅れるものは仕方ない。時間は巻き戻せない。」と自分に言い聞かせる。それに隼人の遅刻癖は昔からで、怒っても治らない、怒るだけ無駄であるということは僕が一番理解してる。

「あーーー、どうしよう。暇だな。久しぶりに、図書館にでも行ってみるか。」

二時間の暇を得た僕はここから5分程度歩いたところにある図書館に行くことにした。

「中学生振りだな。」

家で勉強するのが苦手だった僕は中学の時は、よく図書館で勉強していた。高校からは塾に通い始めたため、図書館には足を運んでいない。
雰囲気のいい場所だった。利用してる人が少ない割に、参考書や資料はたくさん用意されていて、江戸時代などからの、歴史ある書物も保管されていたような気がする。確か一度テレビでも取り上げられていたはずだ。一部の歴史学者や、研究者達はこれらの書物を一目見ようと、この図書館に訪れたが、地元の人が持っているカードを通してしか入れない制度になっているため、無駄足を踏んだ。

「限られた人しか入れないって、なんか特別感あって、昔はワクワクしたんだよな。」

懐かしい思い出に浸りながら一人図書館への道のりを歩いた。
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